●  【日本史板】お薦めの本を紹介するスレ  ●at HISTORY
●  【日本史板】お薦めの本を紹介するスレ  ● - 暇つぶし2ch649:日本@名無史さん
23/01/26 23:40:07.56 .net
今週書店で見つけたのは、
◆「天下人たちの文化戦略-科学の眼でみる桃山文化」(吉川弘文館・北野信彦氏)
 テーマはとても重要ですが、美術・工芸・建築用語を辞書を引き引き読んでいく労苦がキツいのでスルーです。
◆「『幕府』とは何か-武家政権の正統性」(NHKブックス・東島誠氏)
 いわゆる3つの幕府に止まらず、古代王朝、平氏政権、織豊政権なども含め、日本の政治史を総覧しながら、
 社会の発展や時代の要請に応じて、時の権力の正当性がどこに求められたか、という話ですね。
 著者が結びで書くように、今の政治のあり方にも一石を投じる、重要な議論でしょう。
 ただ、じっくり時間をかけて読まなければならず、今月末から来月頭に出る「橋本左内」や「源頼政」と見比べての選択にしようと思います。

650:日本@名無史さん
23/01/28 10:02:44.21 .net
源義平、朝長、義門、希義、範頼、全成、円済に詳しい書籍あればご紹介ください

651:日本@名無史さん
23/01/28 11:21:45.24 .net
>>650 史料の制約があるからか、彼らを主人公とした著述は見かけないですね。
大河ドラマ関連本としても発刊されなかった。
探し求めるなら、まずは戎光祥出版から2015年に出ている中世関東武士シリーズの「源範頼」。
それから古いけれど永井路子氏が全成を主人公とする短編小説を書いている。
もちろn頼朝の評伝、保元・平治の乱関係本には、義平・朝長がそこそこは登場する。
あとはお馴染みの元木泰雄氏、野口実氏の源氏や坂東武士関係の著作にどれだけ書いてあるか?。
吉川弘文館人物叢書の予定ラインアップにある「源義朝」が出れば期待したいけれど、
なかなか目途立たないね。

652:日本@名無史さん
23/01/29 22:35:33.15 .net
ミネルヴァ「橋本左内」は2月下旬に繰り延べか。
ならば吉川「源頼政~」、NHKブックス「幕府~」を読むかな。
あるいは、岩田書院・砂川博氏著「天正6年10月 荒木村重『逆心』 伊丹有岡城から尼崎城へ」。
268頁もので5,390円、さすが岩田書院。
内容はマニアックで面白そうだけれど、これまた大手書店でもなかなか置いておらず入手困難。
既に読んでいる人はいますか?

653:日本@名無史さん
23/01/30 23:17:28.64 .net
行きつけの大型店に「村重逆心」あったよ。
「逆心」の用法を探るとか、面白そうだし、サッと読めそうだが、5,390円は高過ぎる。
また、「『幕府』とは何か~」は、やんちゃだなぁ、というか筆致が跳ね過ぎ。
何か統一感なく言語使いも独特。途中で「ティー・ブレイク」と銘打って雑談ぽくなったり。
先学への批判も容赦なく、著者の独演が続く感じ。
どちらも保留だな。

654:日本@名無史さん
23/02/01 00:05:55.63 .net
1月25日から30日までの6日間で「お市の方の生涯:『天下一の美人』と娘たちの知られざる政治権力の実像」を読んだ。
黒田基樹氏のあくなき探求心と調査研究力、執筆力には改めて頭が下がる。
良質な資料がほとんどない中、「渓心院文」や「柴田合戦記」を丹念に読み解き、
小谷城&北庄城が落ちるという修羅場で現れたお市の心根を引っ張り出してきたあたりは読み応え十分。
もちろん、それとて伝聞情報に過ぎないけれど、現時点での考察としてこれ以上は到達不可能。
(不思議とあの北川景子の演じる市のキャラがマッチしているように思う。)
その他、織田政権を豊臣政権が塗り替えていく過程での3姉妹の存在の意味(その結婚)、
浅井氏の国衆としての性格については、まったくの新解釈という訳ではないが、
根拠資料を挙げての結論導きが簡潔明瞭で「そのとおり」としか言いようがないものだった。
「そのとおり。」としか言えない論になっている。
信長・お市の姉妹たち(犬山殿ほか)の系譜・彼らの長幼関係はマニアック過ぎて、
それをそこまで知って何の意味があるの?と思えるところもあるが、それも含めて黒田氏の仕事たるゆえんだろう。

655:日本@名無史さん
23/02/02 20:51:43.99 .net
一般教養として基本的なことを身に付けたいのですが
お薦めあったら教えてください
中公文庫のシリーズは難しすぎますか?

656:日本@名無史さん
23/02/03 05:01:56.88 .net
山川出版社のいろいろなシリーズが適でしょう。
それも含め、大型書店に足を運んで自分の眼で見る、それが楽しいので必ず行ってくださいまし。

657:日本@名無史さん
23/02/03 18:05:37.71 .net
>一般教養として基本的なこと
XX系
 新人物往来社ー雄山閣ー学陽書房ー勉誠社>>>>>>光人社(特化型)
~あっちへふらふら・こっちへふらふら~
 講談社ー学研ー文藝春秋ー日経ー小学館ー中公ー徳間ー草思社ー筑摩
~あっちは行くけど、そっちは行かない~
 山川出版ー吉川弘文館ー朝日新聞社ー岩波
~不偏不党且つ公平中正を標榜し、多様性の素晴らしさを謳い、異なる価値観を認める勇気を称揚するが、敵のレッテルを貼った相手は排除することしか考えない~
 明石本店(仮称)ー正曜日(仮称)ー大月書房(仮称)ー青木書斎(仮称)ー三二一書房(仮称)
~ネタ枠。売れりゃぁいいんだよ~
 PHPービジネス社

658:日本@名無史さん
23/02/07 03:04:19.29 .net
北方未来考の原本は今でも残ってますか?

659:日本@名無史さん
23/02/09 03:15:49.34 .net
吉川弘文館の「家からみる江戸大名」シリーズ面白そうですな。
自分の故郷の殿様のやつとか、読む人多くなるかも。
まず刊行される「南部家」は、マイナー過ぎて(地元の人、御免なさい。)スルーだな。
「徳川将軍家・総論編」はなぜ家光・家綱期中心?とあるが、
大奥など家政の仕組みが完成した、そのあたりに焦点を当てるのかな?一応✓しておこう。

660:日本@名無史さん
23/02/11 04:56:36.48 .net
百田尚樹
「自民党の国会議員の半分でも『新版・日本国紀』を読んでくれたら、日本は変わるのに…」

661:日本@名無史さん
23/02/25 03:03:42.13 .net
ミネルヴァ評伝選、4月は「良寛」か。こういうの、ホント増えたよね。
うちは曹洞宗寺院の檀家だけれど、さすがに読めないなぁ。
コンスタントに発刊されているだけ、吉川・人物叢書よりマシだけれど。
(近く、「橋本左内」か「大村益次郎」は購読したいと考えている。)

662:日本@名無史さん
23/02/26 15:31:18.17 .net
15日から25日まで、「源頼政と『平家物語』」充実した読書だった。著者は今年88歳、頼政さながらの老先生の一大奮起(失礼!)、氏があとがきで言われるとおり、保元・平治の乱から治承・寿永の乱の勃発までの歴史の場面を幅広く、かつ深く味わうことができた。
頼政挙兵は周到に準備された結果、つまり頼朝はじめ坂東の武士団や叡山勢力との連携があったという見方。頼政は父に従って下総にいたであろうこと、満仲以来摂津源氏が天台宗と結びついていたことなどが判断材料になり、成る程そう見ると、吾妻鏡治承4年4月27日条は史実に近い内容として読めるわけだ(以仁王令旨を三井寺に入ってからの発布と読む必要がない。)。
その他、後白河・二条父子の死闘・暗闘、それが以仁王の在り方を如何に宿命づけたか、頼政・以仁王の最期の場所は何処か、公家の記録や吾妻鏡と平家物語がどう関係して物語の虚構が創作されるかなど、論点や新たな知識・情報とすべき事項は枚挙の暇なし。

663:日本@名無史さん
23/02/28 23:57:07.21 .net
毎日ワンズから刊行されている、一連のいわゆる「津田史観」の歴史叙述、読んでいる人いますかね?
西郷ら倒幕勢力・維新の元勲・維新官僚たちへの嫌悪感をむき出しにした「明治維新の研究」、
神武東遷は別人、十七条憲法は贋作などと説く「古代史の研究」(いずれも毎日ワンズの刊本名)などは、
左派勢力が歓喜するような内容と見える。
しかし、津田左右吉は決して左翼人ではなく、むしろ生粋の天皇崇拝者とされる。
今日の史料アクセスとは比較にならないような環境の時代にこれらの著述を行った津田氏の、
知性・精神性を探ってみる、その知的作業は面白いかも。

664:日本@名無史さん
23/02/28 23:57:07.86 .net
毎日ワンズから刊行されている、一連のいわゆる「津田史観」の歴史叙述、読んでいる人いますかね?
西郷ら倒幕勢力・維新の元勲・維新官僚たちへの嫌悪感をむき出しにした「明治維新の研究」、
神武東遷は別人、十七条憲法は贋作などと説く「古代史の研究」(いずれも毎日ワンズの刊本名)などは、
左派勢力が歓喜するような内容と見える。
しかし、津田左右吉は決して左翼人ではなく、むしろ生粋の天皇崇拝者とされる。
今日の史料アクセスとは比較にならないような環境の時代にこれらの著述を行った津田氏の、
知性・精神性を探ってみる、その知的作業は面白いかも。

665:日本@名無史さん
23/03/01 00:20:27.67 .net
>>659 ラインアップ出ているね。超メジャーな大名家を揃えた感じだが、
やはり倒幕革命に向かっていく、権力構造・家中統制・藩士や藩民の気質といったものが
いかに特殊かつ異様なものであったか、「毛利家」「島津家」は改めて押さえておきたいところか。
一方、西国大名を迎え撃つ最前線に配置され、初代・直政以来、譜代の中で格別の存在だった「井伊家」、
その矜持はいかなるものであったのかも。
同じ吉川弘文館の4月ラインアップでは「『小右記』と王朝時代」、
これは来年の大河ドラマの予習本にもなるのかな?
格&人物という点では道長最大のライバルと言うべき実資(ドラマに出てくれるかな?)は是非世に知られる存在になって欲しい。

666:日本@名無史さん
23/03/01 00:40:10.28 .net
吉川弘文館は、人物叢書がなかなか出ない、出てもマイナー人物ばかりなのは残念ではあるが、
その他を含めた発刊の総量で他の追随を許さないね。
その中には、当然学問的意義が大きかったり、
一般歴史ファンの知的欲求を大満足させてくれる良書も少なくない。
個人的には、平凡社の「中世から近世へシリーズ」が徐行から最早停車しそうなのが寂しい。

667:日本@名無史さん
23/03/01 00:59:14.19 .net
黒田基樹氏が「お市」を持ち込む前に朝日新書本として依頼されていたのは、
(「お市」のあとがきで触れられていた)
「家康」だったのか。おんなシリーズではない感はあったが、ツマラナイな。
時期的に仕方ないけれど。
であれば、引き続きおんなシリーズの意欲的な仕事を期待。
某レビューでどなたかが言っていた「帰蝶」(濃姫)と呼称される人物(出すなら2020年だったか?)とか。

668:日本@名無史さん
23/03/03 03:29:49.40 .net
アカヒはやっぱり戦国好き

669:日本@名無史さん
23/03/03 06:53:54.99 .net
時期的にまだまだ家康本乱発は仕方なし。
で、中でも磯田道史氏の新書はいつもながらよく売れているわ。
「家康徹底解読-ここまでわかった本当の姿」は、2020年「麒麟がくる」放映時の信長版に続く出版。
となると、秀吉版もいずれとなるのだが、しかし、大河ドラマの題材、さすがにネタ切れとは思う。
それに、堀新氏らは既に最新研究による秀吉や豊臣政権像を発表しているからなぁ。
ちょっと毛色の変わったところでは、「秀吉没後の豊臣と徳川-京都・東山大仏の変遷からたどる」。
まさに河内将芳氏ワールド全開といった感だが、
同時代の京都・公家衆が案外徳川政権の方を歓迎というくだり、注目したいところ。


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