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『西遊草』
著者:清河八郎(山形県=出羽国東田川郡清川村出身の幕末尊攘派志士。剣は北辰一刀流)
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京師は高位貴官の在る王城にも似合ず万事軽薄鄙吝を専となし、何事も陰等に事をはかろふ故、遂に弁舌の工みと相成、内大小相違するなり。
それ故近辺のうわさにも「京の弁舌」といひて、人を欺く習ひと相成、歎ずべきの至りなり。
其故男児らしき英偉磊落の気風はさらに無し。うちめうちめと計ろふなれば、少しく侠心のある人々は、とても永住のならぬ地なり。
(岩波文庫)