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河野氏: 基本的にはそれです。空も音楽も演出も,すべて自分の「鳥肌が立つかどうか」で判断するので,そうでないものはやり直しになって……
基準値が見えないから,開発が酷い目にあう(笑)。
4Gamer: ビジュアル面は,汚しの色合いが「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」(PS3 / Xbox 360 以下,ACAH)における
“爆煙やオイルの黒”から,本作では“着氷と乱反射の白”へと,大きく方向性を変えてきたのも印象的です。
河野氏: まず,ゲーム起動時のACESロゴを毎回僕が作らされるという……酷い開発システムがあるんですが。
下元氏: ACESロゴは縁起物なので,必ず河野が作るんです(笑)。
河野氏: あれは「今回はどの方向を向いているのか」という指針でもあるんです。「ACAH」では,鉄錆の雰囲気と崩れたロゴといったイメージで作りました。
「ACE7」では雲をテーマにするというのがあったので,雲の中にロゴがあって,光が差し込みつつ水滴が着いているというイメージですね。
あれにゲームの向かうべきビジュアルのイメージを集約させているので,エースコンバットに携わって長いスタッフは,
ACESロゴのデザインが決まった時点で「今回はそっち方面」ということを読み取って,制作を進めてくれます。
4Gamer: ところでビジュアル的な部分に関して,ちょっとしたネットミームになったJPEG Dogが気になるのですが……
モデルになったワンちゃんがいるということは,やはり写真を取り込んだものなのでしょうか。
河野氏: 写真取り込みではなく動画取り込みです。ただ,非常にお利口な子で,「動くな」って言うとまったく動かなくて,
もとの動画でもお腹の部分が呼吸で動いているくらいでした。
下元氏: 微動だにしないんですよね。でも糸見さん(※)が「取り込んだ」と言っていたので,多少は動いているはずです。
河野氏: ああ,糸見に「ファイル形式,なに?」って聞いたら「JPEGじゃないです」って言ってたね(笑)。
下元氏: 僕が「JPEGなわけないだろ。なにバカなことを聞いてるんだ」って糸見さんに怒られましたよ(笑)。
・動いていないように見えるため,SNSなどで“JPEG Dog”と呼ばれたコゼット王女の愛犬。実は動いていて,JPEGでもなかった
4Gamer: シナリオについては,これまでのエースコンバットはスタンドアロンで完結するようなものでしたが,
今回は旧作の要素がたびたび登場するので,シリーズファンとしては,まずここが“攻めた”スタンスだと感じられました。
河野氏: 「ACE7」もスタンドアロンで完結しているつもりなんですけどね(笑)。
下元氏: 「ケストレルII」とか「ハーリング元大統領」とか,過去作に出た単語がよく出てくるということですよね。
今回は,オーシア対エルジアというシリーズのプレイヤーにも印象深い2つの国の戦いですので,「出てこないとおかしい」ような単語は出すようにしています。
ただ,物語としては「ACE7」というひとつの世界で完結させました。
河野氏: ハーリング以外は全員が新規登場キャラですから。
下元氏: あと,過去作のキャラクターなのは最後にやってくる“彼女”くらいですね。
河野氏: “彼女”も,軌道エレベータの目的を象徴するために出しただけで。ただ,プレイヤーによって受け取り方の温度差が出てしまうのはしょうがないですよね。
一作で完結することから逃げるわけじゃないですが,「ACE7」をプレイして過去の出来事に興味を持って,歴史を紐解いていくのも,
エースコンバットというエンターテイメントの楽しみ方の一部と捉えていいのかな……と思うようになってきました。
僕自身がそういう楽しみ方をしたコンテンツもありますし。
4Gamer: 過去のことはもちろんながら,時系列的には未来の「エースコンバット3 エレクトロ・スフィア」(以下,ACE3)も意識した描写がいくつかありますよね。
ドクター・シュローデルのセリフに名前が出てくるマーサとか,演出的には“connect”とか……。
河野氏: それは下元のせい(笑)。 >>1