22/04/18 15:11:18 .net
リニューアルオープンにあたり、これまで有料だった本館中央の吹き抜け空間「19世紀ホール」は、当面の間無料で開放される。建物を支える柱と梁、ゆるやかなスロープなど、ル・コルビュジエの作品のエッセンスが詰まった場所だ。三角形の天窓からは、優しい光が降り注いでいる。
19世紀ホールのスロープを登ると常設展となる。国立西洋美術館は、第二次世界大戦中にフランスに接収されていた実業家・松方幸次郎のコレクションの日本返還にともなって誕生した。常設展では、この松方コレクションのほか、新収蔵作品やピックアップ作品を交えた展示となっている。
モネの《睡蓮、柳の反映》は、画面の上半分が大きく損傷を受けている作品。第二次世界大戦中の疎開時に強いダメージを受け、あまりの破損の大きさにフランス政府の返還リストに含まれず、長い間忘れられていた存在だった。2016年にフランス政府から松方家に返還され、2017年に国立西洋美術館に寄贈されている。痛ましい佇まいであるものの、松方コレクションの存在や、この美術館の設立理由などさまざまなことを気づかせてくれる。
リニューアル後の企画展の第一弾は、6月4日(土)からはじまる『自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』であるが、それまでの間、常設展スペースで小企画展『調和に向かって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジー大成建設コレクションより』が、版画素描展示室では『新収蔵版画コレクション展』が開催されている。
そのなかでも、『調和に向かって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジー大成建設コレクションより』は、世界有数のコルビュジエのコレクションを所蔵する大成建設の寄託作品を中心に展示されており、画家としてのル・コルビュジエの側面を見ることができる貴重な機会だ。
ル・コルビュジエのイメージにより近づいた国立西洋美術館、その姿をゆっくりと眺めておこう。
URLリンク(news.yahoo.co.jp)