05/05/12 08:42:46 ZPnILllP.net
「月夜の渡り鳥」「関の弥太っぺ」「中山七里」などの、派手ではないが
しっとりした橋の股旅物を聴き返してみると、当時の彼の江戸前の小粋な
声と小気味良く回るコブシが、ただ声量に任せて張り上げるだけの何方かの
歌とは一線を画していて深い味わいをしみじみ与えてくれます。
当時、彼はまだ二十歳を過ぎて間もない頃だからその早熟ぶりにも驚かされるのです。
それから数十年、色々と言われてもきましたがやっぱり良く頑張っているのでは
ないでしょうか。さすがに歌声は当時と較ぶべくもありませんが、歌に対するひたむきさ
誠実さは御三家の他の二人より抜きん出ていると思っています。
元乙女たちの判断力に欠けた常連客で虚しく埋まる客席を見ながらひねくれた歌
をばらまく元学生服歌手よりも、歌の判る人達が、例え数は少なくとも集まって呉れる
場所で唄えることの方がどれだけ意義のあることでしょうか。
私は橋幸夫の歌が好きであると同時に舟木一夫の「かって」の歌も愛してやまない
人間です。それだけに現在の彼のぞんざいな唄を見逃すわけには参りません。
「盆ダンス」、ヒットしそうかと聞かれれば、?と答えざるをえませんが、やはり
彼の唄に対する姿勢だけは買っておきたいと思います。
ただ、よそのスレを汚すような応援の仕方は彼の最も嫌うところではないかとも思うのです。