洋書・読み終えた本の感想を書きまくれ 2冊目at ENGLISH
洋書・読み終えた本の感想を書きまくれ 2冊目 - 暇つぶし2ch34:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 8333-imz8)
20/05/16 01:15:16 ZCUGUyLx0.net
あ、10点満点中9点ね

35:名無しさん@英語勉強中
20/05/16 09:02:01.08 +8gTqV8u0.net
>>33
この本は翻訳を読んだ。ww2で枢軸国が勝ち、アメリカ大陸をドイツが支配している
という現実とは逆の設定を置いて、骨董屋でバイトをしている女の身の回りを書いた
話をメインの軸にしながら、関係してくる話が派生的に書いている物語ですよね。
ナチスの中にもSSSとかいくつかの組織があって、互いに対立していたのだと
わかった。小説自体はつまらなかったよ

36:名無しさん@英語勉強中
20/05/16 09:03:08.48 +8gTqV8u0.net
Amazonプライムビデオに、高い城の男のアマゾンが作った映画があってプライム会員は
無料で見れる。映画は覚えてないけどつまらなかった

37:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 8333-imz8)
20/05/16 16:07:09 ZCUGUyLx0.net
>>35
まあ、泣いたり笑ったり、ハラハラドキドキするような話ではないね。

この小説の面白さは、意外性と論理性、
不完全性定理を知ったときのような知的興奮にあって、
作者の狙いに気づかないと、
考証が甘く、テーマ性が弱く、ヤマ場もない凡作、
それこそ駄作ということになってしまうな。

38:名無しさん@英語勉強中 (アウアウクー MM23-Y8G9)
20/05/16 17:02:36 fZ/Cz6oCM.net
Dickはかなり読んでるけどその中でも傑作の部類だと思うよ。
確か架空の歴史の中にさらにその歴史を否定する架空の書物が入れ子状に仕込まれて、
Borgesみたいにfictionの方がempirical realityを侵食してしまうようないわゆるpostmodernな作品。

39:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 3df0-32x/)
20/05/16 19:08:01 dbJ0BsN90.net
話が盛り上がったところで、申し訳ありません。
話が長くなりそうなので、転載しておきましたので続きは雑談スレでお願いします。

洋書・読み終えた本の感想スレ・雑談あり 1
スレリンク(english板)

40:名無しさん@英語勉強中
20/05/16 20:04:45.61 fZjaYywTM.net
ちょっと転載の趣旨がわからないな。
いずれも基本的に取り上げられた作品に関するコメントで、
雑談idle talkにはあたらず完全にrelevantだと思うけど。

41:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW 8996-Y8G9)
20/05/18 12:28:40 52OOZ82j0.net
The Complete Poems of Emily Dickinson

この時代に先んじた詩人の名を何度か目にしたことはあるだろうが、
遺された詩のidiosyncrasiesと相俟って今日その現代性は際立っている。
これまで折に触れて読む機会はあったが、
偶々纏った詩集を入手してあちこちで目にした詩句を読み返すことができた。

Crumbling is not an instant’s Act
[...]
Ruin is formal — Devil’s work
Consecutive and slow —
Fail in an instant, no man did
Slipping — is Crash’s law.

詩を読みつけないと語順もかなり自由だし、
見慣れないcapitalizationや独特のpunctuationに頭を悩まされるかもしれない
(特にDickinsonのpunctuationに関しては絶えず曖昧さが付き纏う)。
たとえruinが突然訪れるように見えても、
それは悪魔の仕業Devil's workのように一歩一歩着実に準備され(‘formal’, i.e. almost methodical, ‘consecutive and slow’)、
そこには何も見ない人が思い込むような偶然や飛躍はない。
ruinを運命の一撃ではなく緩慢でも押し止め難いmechanismに喩え、
それを独特なdictionで表現した詩句はmemorableであり教訓以上のことを伝えている。
詩は注釈し理解する以前に反芻することを意図されているが、
暗唱する習慣を失いつつある現代人はどれだけ適切に詩を読んでいるだろう?

42:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW 8996-Y8G9)
20/05/18 13:50:55 52OOZ82j0.net
Bellocchioの映画のタイトルがDickinsonの"Good Morning, Midnight"から取られていたのを思い出した
(戦後のイタリアの疑獄事件を架空のalternate筋書きのもとで再現した映画は傑作)。
今日詩が自由なinspirationの源泉となることは益々減っているのだろうが、
記憶や経験の中に生きることの方が詩に相応しいのものかもしれない。

43:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW 2796-4hjF)
20/05/23 04:35:37 LBTcZqqm0.net
>>41
> The Complete Poems of Emily Dickinson

997
> Crumbling is not an instant’s Act

もう一つ、よく知られているが。

288(上のJohnson版の番号)

I'm Nobody! Who are you?
Are you — Nobody — Too?
Then there's a pair of us!
Don't tell! they'd advertise — you know!

How dreary — to be — Somebody!
How public — like a Frog —
To tell one's name — the livelong June —
To an admiring Bog!

冒頭の‘Nobody’をperson of no consequenceと比喩的に取ることもできるが、
それは‘Who are you?’の答えにもなるのだから単なる否定辞(no-something)ではない
(‘Then _there's_ a pair of us!’)。
一方、‘Somebody’であることは‘dreary’(i.e. dull and depressing)でcommonであると見なされ、
逆に‘Nobody’であることの方がsingularな価値を獲得している。
無名の読者との間に結ばれた密かなcommunion/complicity(‘Don't tell!’)が世俗的なpublicityに勝るわけだが、
あたかも生前のobscurityを静かに受け入れる態度をparadox(‘I'm Nobody.
!’)の大胆な形式で表現して、
Dickinsonの最もpopularな詩の一つ。

44:名無しさん@英語勉強中
20/05/24 00:40:53.29 VhdvwqcN0.net
> 冒頭の‘Nobody’をperson of no consequenceと比喩的に取ることもできるが、
> それは‘Who are you?’の答えにもなるのだから単なる否定辞(no-something)ではない
> (‘Then _there's_ a pair of us!’)。
ちょっと後半は逆の意味になってしまった。
‘I'm Nobody!’はI'm not anybody!という矛盾した言明(paradox)である。
‘Nobody’と共に‘Somebody’もperson of importanceと比喩的に取ることもできるが、
同様にanybody at allとも取れるので、
こう解釈した方がDickinsonに相応しいかもしれない。

45:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW b996-Xs6t)
20/06/01 02:30:27 udSHDSem0.net
Sirk on Sirk: Conversations with Jon Halliday

戦前のNazi Germanyを逃れてAmericaに渡り、
その後はDouglas Sirkのcreditで数々の忘れ難いmelodramaを残した映画作家との対話。
Sirkが映画や作品の演出の手法について語る手際は大胆で見事であり、
Magnificent Obsession、All That Heaven Allows、Written on the Wind、Imitation of Life等々、
目眩く不朽の作品群に関する第一級の資料となっている。

到底救い難い台本からいかにしてMagnificent Obsessionような傑作が生まれたのか。
これも疑問に思ったことがあったが、
All That Heaven Allowsは(制作会社も誤解したように)従来は「天はすべて許し給う」と訳されていたが、
Sirkの意図は正反対で(つまりThat~を普通に限定と解釈する)、
最近は「天が許し給うすべて」とより忠実に訳されている。
また、舞台演劇から演出の道を歩み始めたSirkは、
Euripidesやdeus ex machinaの概念を用いてHollywood流のhappy endを解釈して見せる。

映画作家の映画や自作についての対話としてもおそらく最も傑出したものの一つ。

46:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW b996-Xs6t)
20/06/01 02:38:01 udSHDSem0.net
ついでながら、All That Heaven Allowsは、
Sirkを敬愛し後にNew German Cinemaを牽引するR. W. Fassbinderによって、
よりironicで政治的な角度からremakeされることになる。

47:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ d1f0-+GDy)
20/06/02 17:08:45 eECXb7F50.net
 Geography Club (The Russel Middlebrook Series Book 1)
  by Brent Hartinger

 映画化された作品ということで読んでみた。
孤独だったゲイの高校生の男が、あるきっかけから学校内のゲイの男やバイの女性たち
と出会い、この五人でサポートグループを作ることになった。
 で、いろいろな問題が発生するのだけれど、ゲイであることを一般の人に知らるのが
怖いんだね。だからこの五人は秘密結社のような繋がりになってゆく。
 主人公はゲイの正体がばれないように日常生活で嘘の自分を演じているのだけれど、
友人の頼みで、女性たちとダブルデートをすることになって、それがまた厄介なことに
なってゆく。その他にもいろいろなトラブルが発生。
 映画化されただけあって、面白い展開がいろいろあるけれど、作者のご都合主義的な
ストーリー展開も気になる。まあ、小説だからある程度は仕方ないか。
 全244ページ。

48:名無しさん@英語勉強中
20/06/10 12:26:10.10 +a1XMMcP0.net
>>45
> Sirk on Sirk: Conversations with Jon Halliday
Cassavetes on Cassavetes, ed. Ray Carney
同じシリーズに収められたものから。
あまたいる映画作家の中でもCassavetesは取り分け興味をそそる一人であろうが、
以前、濱口竜介のあの素晴らしい「ハッピーアワー」を観てから、
その演出の方法を明かした『カメラの前で演じること』の中でCassavetesが大きく取り上げられるのを見て、
今さらながらCassavetesに対する見方を新たにした。
ワークショップを通じて手探りで作り上げる「ハッピーアワー」の方法が、
想像以上にCassavetesから直接学んでいたのは新鮮だった。
言わばCassavetesが経験と直感に従って行ったことを方法として実践したというか。
書かれたscriptに頼らずしかし単なるimprovisationでもなく、
撮影の中でactorsがtextを自分のものにし(‘belong to them’)自分のpersonal感情で反応するまで追い込む手法は、
時にはその前でCassavetes自身が狼狽えるstaggeredような演技を引き出す。
とにかくすごく面白い本だか、
紙の本がまともに手に入らないSirkとは逆にKindleはないのかな。
Columboの後でPeter FalkがA Woman Under the Influenceに出演してるのとか、
改めて何かすごいことだと思う。

49:名無しさん@英語勉強中
20/06/15 12:37:01.23 pvAKXs2XM.net
忘れてたけど、ed.となってるのは、
これがCassavetes自身によるautobiographyではなく、
Sirk on Sirkのような一貫したinterviewでもなく、
Cassavetesが様々な場面で語ったことを繋げて編集してるから。
Cassavetesは自分の作品は所謂「アート系」art pictureではなく、
自分もhighbrowでもintellectualでもなくstreet personだと語っているけど、
こういう事情は今も変わらないんだろうな。
結局、制作会社も観客も自分のイメージを投影できるほどほどに心地良い嘘を好むので
(映画ほど幻想と一体になった娯楽もない)、
現実の姿がscreenに映し出されれば逆に「アート」になってしまう。
その結果、こういう作品が専らインテリによって消費されるというのも皮肉な話。

50:名無しさん@英語勉強中 (アウアウクー MM21-0WwX)
20/07/13 12:52:15 vnhLxcG/M.net
Tender Is the Night by F. Scott Fitzgerald

岡崎京子のマンガの帯に「愛と資本主義」みたいなのがあった気がするけど、
Fitzgeraldのsubtitleをもじって‘A (Capitalist) Romance’と呼ぶべきかもしれない。
DickはNicoleを治療するpsychiatristでもあるのだが、
psychoanalysisのお馴染みのincest tabooやfamily ideologyは、
ここではbourgeois社会の矮小な神話以上の意味を担っていない。
Fitzgeraldはpsychoanalysisが固執する個人の歴史・物語historyをあっさり無視して、
Great Depressionに先立つ経済や社会が変容するbourgeois社会に及ぼす影響を巧みにすくい上げている。

かなり技巧的で読み難い箇所も多いが、
直接描写する以上に描写を通じて多様な意味作用を喚起するような文体で、
どこか結末の曖昧さとも通じるところがある。
Nicoleというcaseを治療していたつもりのDickは、
最終的に自分の方がより広大なcapitalismの転換期が生んだcaseとなるように見えるが、
それは最早psychoanalysisのcaseではなく、
彼自身もまたgeneral practitionerになっている。

Fitzgeraldを読むのも久しぶりだけど、
単なる‘A Romance’とはとても言えない手の込んだbourgeois社会とcapitalismの考察。

51:名無しさん@英語勉強中 (アウアウクー MM21-0WwX)
20/07/13 13:00:05 vnhLxcG/M.net
やや懐しいPenguin Modern Classics版で読んだけど、
こういう分量の点でも内容の水準の点でも充実したIntroductionやNotesの付いた定食はやはり有り難いので、
いつでも手に入るようであってほしい。
疑問の余地のないmodern classicだけどそんなに読まれてない?

52:名無しさん@英語勉強中
20/07/31 20:45:50.47 ZaHglQuo0.net
 狭き門 Andere Gide の英訳版
英訳版は訳者によってタイトルが異なります。
 "Strait Is the Gate" Dorothy Bussy 訳 紙の本のみ
 "The Narrow Gate" Walter Ballenberger 訳 Kindle版のみ
さがせば他にもあるかもしれませんが、とりあえずこの二つを交互に読んでいった。
どちらかが誤訳していると思われるところや、一行飛ばして訳していたり、
引用されている詩が英訳してあったりなかったりで、どっちもどっちという感じ。
 イトコ同士のジェロームとアリサは愛し合っていたはずなのに、婚約を前にして
足踏みしてしまい、その後は愛し合っているにもかかわらず、なぜか関係が壊れてゆく。
 作品の中では彼らの親子関係について書いている部分はわずかしかありませんが、
これはまさに心理的な近親姦の症例そのものではないかと思います。そして、
これこそが作者ジッドの人生そのものだったのではないかと思うのです。
不幸で寂しい異性の親の心の空白を埋めるために自分の欲求をすべて犠牲にして
親をサポートするように育てられた子供たちの運命。
自己犠牲を強いられた彼らにとっては、自分が幸せになることは罪なのです。
 ジェロームがアリサの不幸な一面に出会ったとき、それは自分と母親の関係がアリサ
との関係の中で再現された瞬間であり、彼の人生を決定づけた瞬間でもあったのです。
そしてこれは作者ジッドがアリサのモデルとなったイトコの女性との関係を決定づけた
瞬間を描いたものでもあるのです。作者の実際の体験と重なる部分が多いために、
作品がリアルなものになっています。
 ジェロームとアリサはそれぞれの親との関係を引きずっているために、自分たち恋愛
に際して、さまざまな葛藤に直面することになります。ジェロームはこの葛藤を回避
するために知性に逃避し、高尚な文学に逃避します。アリサは最後には神への信仰に
逃避していきます。
 作品の最後は非常に印象的な場面で終わっています。私も一緒に泣いてしまいました。
そして変えることのできない自分の過去に思いを巡らせて、さらに泣き続けてしまいました。
 人生とはいったいなんなのでしょうか、、

53:名無しさん@英語勉強中
20/09/04 09:52:33.09 cRQj2HDo0.net
どんな内容だったっけ?
狭き門
高校の時に読んだ。
語り手が第三者か、あるいは登場人物の一人で過去を思い出しながら語るという形式
それって信頼できない 語り手というふうにいうんだよね
小説はもともとフランス語。フランスというと、カミュとかわけわからんもの
ばかりかと思うけど、パルムの僧院だって面白かったし、狭き門も好きだったし、
昔のはそうではないんだね

54:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5fe6-r3rb)
20/09/07 22:45:29 jY9sCLxR0.net
悲の器 (河出文庫)
新品で出てるよ。


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