追放された求道者の避難所(英語・言語学・文学)at ENGLISH
追放された求道者の避難所(英語・言語学・文学) - 暇つぶし2ch35:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/26 21:45:41.88 it1uF3Kb0.net
Jane Styleは、UBUNTUで使えるのかなあ。インストールしたけど、使えない。

36:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/26 21:45:44.62 78GxweD+0.net
>>33
そうです。発音がいちばん大事だと僕は思います。ネイティブそっくりにならなくて
いいから、単語を発音したら通じる程度でいいのです。
それぞれの言語の発音と綴りとの関係を覚えると、辞書を引いたときにすぐに
曲がりなりにも発音できますよね。英語と違って、大陸ヨーロッパの諸言語では
たいていは綴りと発音が規則的なので、覚えやすいです。
そして、発音をしっかりと習得すれば、類似する言語どうしのあいだで
どのように単語の形や発音が移り変わっていくかがよくわかり、
たとえばラテン語とフランス語を知っておれば、その類推で
スペイン語やイタリア語ではどのような単語を使うかが類推できる
ことが多いのです。類推した単語を辞書で引くと、当たっていることが
よくあります。

37:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/26 21:46:44.58 78GxweD+0.net
>>35
残念ながら、UBUNTU についてはさっぱりわかりません。

38:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/26 21:51:08.83 78GxweD+0.net
>>33
古英語の発音の仕方も、紙の本にもヒントがちゃんと書いてありますし、YouTube でも
実演してくれているし、さらには Teach Yourself Old English の Kindle 版では
iPad や Kindle Fire か何かを使えば発音がきちんと聞けるはずです。
僕の持っている Kindle Paperwhite でそれを読むと、audio や video は
すべて無視されます。

39:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/26 22:01:55.52 78GxweD+0.net
>>33
YouTube では、
Old English Lesson 1 : Pronounciation
URLリンク(www.youtube.com)
ここで Old English の発音を教えてくれます。昔と違って、こういう
教材ビデオが無料でいくらでも見られるので、ありがたいものです。
ただし、素人が作っているものがほとんどなので、無料の情報というものは
危険でもあります。だから、素人から教わったものは、あとで必ず
権威ある教材で確認していくことが必要ですね。でもともかく、こういう
素人による情報の提供も、気を付けながら適切に使い、傍らできちんとした
権威ある教材と併用すれば、鬼に金棒ですね。

40:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/26 23:59:07.53 it1uF3Kb0.net
>>32
私の子豚ちゃん、この間ラジオで流れてきたイタリアンオペラ、言ってることがだいたい解るって言ってました。今学校はスペインの地元の学校いってて、授業でフランス語、英語と日本語はネイティブ、以前は、タガログもだいたいわかるし、中国語も習ってた。
うちはお金がないから、特別な学校入れられなくて逆に良かったのかも。お金があると、ろくな事にどうせ使わないから、ないほうがいいのよね。
独学って、自分で情報を確認しながら勉強できるから下手に先生の影響受けなくていいのかも。
私もスペイン語勉強しなくちゃ。

41:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/27 00:01:19.57 31lEgoxO0.net
>>32
リンクの練習

42:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/27 00:08:31.74 31lEgoxO0.net
私は自分が、翻訳者になるなんて思っても見なかった。
俳優か、ミュージシャンか、画家になるんだと思ってた。
小学校の時から、自分は、会社には努められないと思って、芸術家か、大学の教授になることに決めていた。
でも学校の嫌いな私は、学校で働くなどやはり嫌だから、芸術家になろうと思ってた。
音楽を目指したけど、音楽は他の人がいないといけないから、絵画の方にした。
一人で好きなようにできていいしね。
やりたい音楽をいっしょに出来る人間が見つからなかったし。そのうち、私の音楽遍歴をかきます。
でも、翻訳の仕事に収まってしまった。でもいいんだけどね。

43:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/27 00:18:36.11 31lEgoxO0.net
>>40
言ってることが支離滅裂に聞こえる。時々、大事なことを説明しないから、矛盾に聞こえる。気をつけよう。
何か矛盾してると思ったら質問してね。

44:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/27 02:39:18.77 31lEgoxO0.net
正直言うと、絵を描くのはつかれる。自分の能力の無さを目の当たりにすると辛い。
音楽の方が、自由に自分を出せる感じがする。昔はだけど。
ピアノの前に座って、指を鍵盤に置くと、脳と指が自然に連動して、指が勝手に弾いてた。それを、拾い出して、音符に残していった。
でももうそれもできない。指が動かなくなってしまったし、指が鍵盤の幅を忘れてしまった。私の子豚ちゃんはいまそれを楽しんでる。
私は、結婚後、楽器がずっと何年も買えなかったから。結婚後すぐ数カ月間収入ゼロになちゃってほんとあの時は困っちゃった。

45:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/27 02:49:00.53 31lEgoxO0.net
食べ物買うのも借金してやっと食べてたのに、ピアノなんて買えなかった。
でも数年後、ちょっと暮らし向きが良くなり日本からの中古のピアノ買ってもらった。でもすぐ、帰国でそれを置いて行かなくっちゃいけなかった。
またなくなっちゃった。でもいまはある。電気ピアノだけど。この間ちょっと弾いたけど、指がうまく動かない。
本当は、アコースティックがいいなあ。

46:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 07:18:00.06 H2dWQTPl0.net
あなたのことをすでに詳しく知ってるから、だいたい意味はわかりましたよ。
でも、第三者が読んだら支離滅裂な文章に感じるでしょう。

47:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 07:21:45.79 H2dWQTPl0.net
ところで、2ちゃんねるは他のところよりもさらに公開度が高いから、物を書くときには
気を付けてくださいね。いつどこから、まったくの赤の他人から罵倒されるか
わかりませんので、覚悟してください。もちろん、差しさわりのある
プライベートはことは書かないようにしてくださいね。僕自身は、かなり書いている
けど、それでも決定的なことは思いっきりぼかしながら書いています。
自分で削除できないということをうっかり忘れてしまうと、あとで
慌てふためくことになります。犯罪か何かに結び付くような情報でない限り、
2ちゃんねる管理人に依頼しても、削除してくれないと思うので、
恥ずかしいことでも永久に2ちゃんねる上に残ることになります。

48:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/27 07:38:43.17 31lEgoxO0.net
気をつけているつもりですが、気をつけきれないかもしれません。

49:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 10:23:57.72 H2dWQTPl0.net
産業界の実務って、なんでこんなに退屈なのか。産業界のビジネスや工業関係の
翻訳って言っても、まるでベルトコンベアの流れ作業みたいに単純な作業で
しかない。こんなことばかりやっていては、人間が豚になっていく。
やはり人間は、芸術や人文科学をやらないといけない。それによってのみ、
この高度に機械化された "The Matrix" の映画にあるような非人間的な
世界において主体性を取り戻すことができる。ビジネスや工業なんて、
しょせんは無駄なものを大量生産して、怠惰で甘ったれた豚どもを
ますます肥え太らせるためのものでしかない。

50:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 10:44:38.77 H2dWQTPl0.net
"Lawrence of Arabia" という Peter O'Toole 主演の有名な映画の原作である
T.E. Lawrence という実在の作家が、自らのアラビアでの活躍ぶりと精神生活を
描いた "Seven Pillars of Wisdom" に出てくるいくつかの文章をよく
思い出す。
僕はこれをすべて読んだわけではなく、Colin Wilson の
"The Outsider" に引用されている部分を読んだに過ぎない。でも
いずれぜひこの "Seven Pillars" をすべて読んでしまいたいと思う。
さて、よく思い出す次の言葉をここで紹介する。すべてを読むのが面倒だ
ろうから、僕が印をつけたところだけでいいから読んでほしい。
人間は、物質的なものを追求するための活動ばかりやっていないで、
できるだけ活動しないで、精神的なものを求めるべきだというような
意味のことを言っている。(続く)

51:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 10:44:58.35 H2dWQTPl0.net
>>50 の続き
To be of the desert was, as they knew, a doom to wage unending battle
with an enemy who was not of the world, nor life, nor anything, but
hope itself; and failure seemed God's freedom to mankind. We might
only exercise this our freedom ★by not doing what it lay within our
power to do★, for then life would belong to us, and we should have
mastered it by holding it cheap. Death would seem best of all our
works, the last free loyalty within our grasp, our final leisure:
and ◆of these two poles, death and life, or, less finally, leisure
and subsistence, we should shun subsistence (which was the stuff of
life) in all save its faintest degree, and cling close to leisure◆.
Thereby we would serve to ●promote the not-doing rather than the doing●.
Some men, there might be, uncreative; whose leisure was barren; but
the activity of these would have been material only. To bring forth
immaterial things, things creative, partaking of spirit, not of
flesh, we must be jealous of spending time or trouble upon physical
demands, since ★in most men the soul grew aged long before the body★.
●Mankind had been no gainer by its drudges●.
T.E. Lawrence "Seven Pillars of Wisdom"
URLリンク(gutenberg.net.au)

52:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 833a-NLvR)
17/01/27 18:05:27.75 wHybBnHk0.net
>>25 スピンバイクは、競技用自転車と設定が似ているのですよ。
ジムに置いてあるのは、エアロバイクと言って有酸素運動のためだけのずんぐりむっくりのものが多いのですが、スピンバイクは設定が競技用バイクと似ています。
同じような感覚とトレーニング効果が得られます。
夢は昔のように自由自在に自転車で移動することです。

53:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 833a-NLvR)
17/01/27 18:09:25.91 wHybBnHk0.net
>>38 そうすると、ビデオはまだいいけどオーディオが聞けないのは少し不便ですね。
引用した youtube ビデオを見たら、friend に似た言葉があり、聞いたときの感覚も似ている気がしました。
僕は、英語を学んだときもそうなんですが、会話的なものからまず学んだ方がいいようです。

54:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 833a-NLvR)
17/01/27 18:14:58.60 wHybBnHk0.net
>>35 2ちゃんのことはさっぱりわからないけど、このリンクを見ると、Linux には対応していないようです。
UBUNTU は、Linux OS のひとつです。スレリンク(linux板)l50

55:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 833a-NLvR)
17/01/27 18:17:49.23 wHybBnHk0.net
>>49 産業界でも、コピーライティング的な文章は結構楽しいですよ。
自分が売り込むためにはどのような書き込みかたをしたらいいだろうと思ったり。
短いキャッチコピーとかだったらもっと面白い。残念なのは、クライアントにはその良さがわからないだろうということですが。

56:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ fe06-20jL)
17/01/27 18:28:10.98 ofaaFF4K0.net
Linaxの掲示版あったけど、そこは凄く整理されていて、変な広告も入ってなかった。そっち移ろうか。

57:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ fe06-20jL)
17/01/27 18:34:39.62 ofaaFF4K0.net
コピーで面白いと思ったのは、バイク関連の宣伝ポスター
「大人になるな、男になれ」
これを作った人が男性だったら、自己批判できて素晴らしいか、居直って図々しいかのどちらかね。
でも、良いコピーだと思う。

58:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 19:01:24.26 H2dWQTPl0.net
>>55
確かに、産業翻訳でも、広告文とか江戸時代の芸術家についての紹介文とかいうものは、
文芸翻訳に近くて面白いです。そういう仕事は、他の翻訳者はやりたがらないので、
僕のところにやってきます。僕は喜んでそれをやります。しかしそういう仕事は
少ないです。そして、時間ばかりかかって歩留まりが悪いから、生活費の
足しにはあまりなりません。くだらない機械とか法律とかいう仕事だったら、
いい加減に訳してもちゃんとお金をくれるから、短い時間で生活費が稼げます。

59:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 3b1d-bE/B)
17/01/27 21:04:31.02 34ZnwzY20.net
>>58 技術者って、自分の英語力で読めたら正しい英語だって思い込むんですよね。
逆にパッとみてわからなかったら、いい英語でも俄然不安になって変更したがります。

60:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/27 21:20:06.63 H2dWQTPl0.net
>>59
そうなんですよね。

61:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/28 01:50:41.10 3QHpCVXo0.net
>>58
なるほどそうだったのね。だから、ちょっと思い当たるフシがある。
以前、機械関係の和訳の質問した時に、みんながだしてくれた答え、大きく2つに分かれてた。
1つのグループは、英文法に焦点が当たって、
もう1つは、文章そのものを無視するような傾向があって、
機械的なことに関心を払ってた。後者の方は、書いてないことまで付け加えようとするのまでいたわねえ。
この両者がいてくれると、バランス取れた訳になるんじゃないのかしら。

62:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/28 02:09:45.42 3QHpCVXo0.net
この所、ドイツ人らしき人が書いた、機械系の英訳が多いのだけど、
たまにわからないの出てくるけど、まあまあ、ちゃんとしてる。
以前ベトナム系の人が書いた機械系の翻訳は、英語がめちゃくちゃだった。
その時、ボスに相談したら、「こりゃ英語じゃない」と言ってくれたんだけど、日本語にしなくちゃいけなくて本当に苦労した。面白かったのは、韓国人の英語で、日本人の英語的な感じがした。でも、やっぱり、きれいなネイティブの英語を訳すのは気持ちが言い。
私そんなに機械嫌いじゃないですよ。
でも、ベトナム語とかちゃんと解ってたらどういう英語を書くか予測がつくから、あんなに苦労しなかったかもね。
英語のネイティブによる英語の翻訳って、そんなにはないような気がします。わたしだけかしらね。
教科書通りのことしかできないのは、いけませんね。
でも、
一番困るのは、日本語で書かれた詩みたいなもの。
詩なら良いんだけど、かっこつけた変な宣伝文句は、
日本語でも何言ってんだかわからないから、頭を抱える。

63:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW 833a-28TU)
17/01/28 10:53:59.91 PXjYdxbt0.net
>>62 どんな書き方してあっても、言いたいことがあって目的(技術文書として機能すること)があるのは同じなんだ。
だからターゲットとなる文化でその言いたいことが伝わり、文書の目的が果たせることを主眼に訳してた。

64:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/28 15:56:10.87 3QHpCVXo0.net
>>63
基本は正にそうだと思う。
もうひとつ、影響を受けるのはクライアントの評価で、なまじっか英語が解るクライアントだと、せっかく訳したものが、改悪される場合がある。
うちのネイティブチェッカーが、よく嘆くのはそこ。

65:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW 833a-28TU)
17/01/28 18:53:53.47 PXjYdxbt0.net
>>64 改悪されない方が少ないと思う。でも、一旦納車した車を痛車にするのもオーナーの勝手と割り切ってる。

66:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 5f06-20jL)
17/01/28 22:04:54.79 3QHpCVXo0.net
>>65
そうね。お金払っている人の勝手よね。

67:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 14:26:22.60 vh7WDTHo0NIKU.net
【Romeo and Juliet】
PROLOGUE
(1) Two households, both alike in dignity,
(2) In fair Verona, where we lay our scene,
(3) From ancient grudge break to new mutiny,
(4) Where civil blood makes civil hands unclean.
(5) From forth the fatal loins of these two foes
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life;
(7) Whose misadventured piteous overthrows
(8) Do with their death bury their parents' strife.
(9) The fearful passage of their death-mark'd love,
(10) And the continuance of their parents' rage,
(11) Which, but their children's end, nought could remove,
(12) Is now the two hours' traffic of our stage;
(13) The which if you with patient ears attend,
(14) What here shall miss, our toil shall strive to mend.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

68:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 14:31:34.47 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67 【Romeo and Juliet】
まずは、(1) から (4) を、散文的にわかりやすい語順に変えてみる。
Two households, (which are) both alike in dignity,
break from ancient grudge to new mutiny,
in fair Verona, where we lay our scene,
where civil blood makes civil hands unclean.

69:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 14:43:06.02 vh7WDTHo0NIKU.net
>>68 にて (1) から (4) までを散文的に語順を変えたものを、今度は
英語で相手にその意味を解説したとしたら、次のようになるだろうと思われるような
解説文を僕なりに書いてみる。
(1-a) Two households, (which are) both alike in dignity,
Here, these "two households" refer to the Montagues and Capulets.
These two families enjoy the same degree of worth, or honorable status.
(2-a) break from ancient grudge to new mutiny,
And these families erupt from old feud to a new round of mutiny.
(3-a) in fair Verona, where we lay our scene,
And this new mutiny erupted in the beautiful city Verona, Italy.
And it is in that city that "we" (ie the performers of this play)
set their play.
(4-a) where civil blood makes civil hands unclean.
And in that city, the blood of citizens makes their hands dirty.
That is, citizens fight each other, kill and injure one another,
shedding a lot blood, dirtying their hands dirty with blood.

70:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 14:58:43.84 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
"Romeo and Juliet" の舞台は Verona, Italy だけど、400年前に Shakespeare
が作品を書いたころのイギリスでは、イタリアに対するあこがれがさぞかし強かった
んだろうと想像する。そのころはまだ、イギリスはヨーロッパでもど田舎だった
と言える。(ただし歴史についての知識が不足しまくっている僕は、それについて
ろくなことを知らない。)
"Romeo and Juliet" の舞台である Verona は、イタリアの中でも特に
有名だったのだろう。Shakespeare は、次の3つの作品の舞台を Verona, Italy
に設定している。
(1) Romeo and Juliet
(2) The Two Gentlemen of Verona
(3) The Taming of the Shrew

71:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 15:31:45.09 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
(5) From forth the fatal loins of these two foes
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life;
(7) Whose misadventured piteous overthrows
(8) Do with their death bury their parents' strife.
★語彙の説明
(5) forth = [preposition] out of
(Alexander Schmidt "Shakespeare Lexicon and Quotation Dictionary より)
(7) misadventured = unfortunate (Alexander Schdmidt より)
(8) piteous = exciting compassion; miserable, wretched, pitiful
(Alexander Schmimdt より)
(9) overthrow = ruin, perdition, death; defeat, fall
(Source: Alexander Schmidt)

72:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 15:57:04.66 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
(5) From forth the fatal ★loins★ of these two foes
上記の loins は、400年前の Shakespeare の時代におけるロンドンでは、
lines と同じ発音をしていたそうだ。
Shakespeare: Original pronunciation
URLリンク(www.youtube.com)
上に示したリンク先(5分25秒のところ)では、世界的に有名な言語学者
David Crystal とその息子(Shakespeare 役者)とが、Shakespeare
の時代におけるロンドンの標準的な英語の発音(Original Pronunciation)に
ついて語っているが、loins と lines とが同じ発音だったと言っている。
僕にはこの二つの単語の発音が、/ləinz/ とか /ləjnz/ に聞こえる。

73:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ f606-fy46)
17/01/29 16:17:46.54 TtdkZMBf0NIKU.net
>>72
何故かリンクをひらいても、みたくもない広告が現れるだけです。
タイトルとか教えてもらえば、そのリンク以外のところから開いてみます。

74:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 18:02:08.13 vh7WDTHo0NIKU.net
>>73
二つの方法があります。
(1) リンクをクリックすると、(見たくない広告が出てくるけどそれを無視して)
一番上に青文字で出てくるリンクをクリックすると、YouTube の画面が出てきます。
(2) あるいは、リンクの端から端までをコピーして、それをブラウザーの一番上に
ある白い箱の中にペーストしてその URL をクリックすれば、YouTube 画面が
出てきます。
再びそのリンクを示します。
URLリンク(www.youtube.com)
(5分25秒のところで、loins と lines の発音について議論しています。)

75:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 18:03:38.32 vh7WDTHo0NIKU.net
>>73
YouTube 上の画面で
Shakespeare: Original pronunciation
という文字を打ち込んだらそのビデオが出てきますので、
5分25秒のところを見てください。

76:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ f606-fy46)
17/01/29 18:16:05.97 TtdkZMBf0NIKU.net
>>75
ありがと。

77:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 19:09:24.00 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
(5) From forth the fatal ★loins★ of these two foes
>>72 で紹介した YouTube 上のビデオでの議論にある通り、loins と lines は
400年前には同じ発音であった。だから上の (5) では、loins とも lines とも
解釈できて、これが pun になっていたのだ。David Crystal がビデオにて
解説してくれている通り、lines と言えば family lines というか家系のことで、
loins というと「腰、性器」というわけだ。
Shakespeare の作品では実にたくさんの pun が導入されているし、性的な
ジョークもふんだんにある。それは、今回僕が問題にしている
"Romeo and Juliet" においては特にそうだ。
Shakespeare の作品の中では、
この "Romeo and Juliet" が最も有名で、しかも中学生あたりでも理解でき
そうな部分も多いし、プロットはおそらくはみんなすでに知っているだろうし、
さらには性的なジョークや言葉遊びもたくさんあるので、実に取っつきやすい。
それでいて、実に言葉が美しい。だから、Shakespeare 初心者である
僕などにとっては、最初にこの作品に取り組むのがいいと思う。

78:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 20:20:04.91 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
(5) From forth the fatal loins of these two foes
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life;
(7) Whose misadventured piteous overthrows
(8) Do with their death bury their parents' strife.
上の4行は、読めば意味が分かると言えばそれまでだが、あえて別の簡単な
英語で説明してみる。
>>67
(5) From forth the fatal loins of these two foes
---> From (out of) the fatal family lines (or sexual organs)
of these two enemy families, (two lovers, ie Romeo and Juliet
were born).
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life;
---> Two star-crossed (ie unfortunate or doomed) lovers kill themselves.
(7) Whose misadventured piteous overthrows
---> Their miserable, pitiful deaths
(8) Do with their death bury their parents' strife.
---> bury their parents' battle with their death.
---> put an end to their parents' fight with their own deaths. 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


79:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 20:45:13.70 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
(9) The fearful passage of their death-mark'd love,
(10) And the continuance of their parents' rage,
(11) Which, but their children's end, nought could remove,
(12) Is now the two hours' traffic of our stage;
(13) The which if you with patient ears attend,
(14) What here shall miss, our toil shall strive to mend.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

80:名無しさん@英語勉強中 (ニククエ db5e-xu7M)
17/01/29 21:27:05.33 vh7WDTHo0NIKU.net
>>67
思い切ってパラフレーズしてみる。
(9) The fearful passage of their death-mark'd love,
---> The doomed love of these two lovers thus suffered
a terrible fate.
(10) And the continuance of their parents' rage,
---> And their parents remained furious.
(11) Which, but their children's end, nought could remove,
---> And this was what nothing was able to remove,
except their children's deaths.
(12) Is now the two hours' traffic of our stage;
---> These sad events will be presented by our two-hour stage performance.
(13) The which if you with patient ears attend,
---> If you (the audience) pay patient attention to the above,
(14) What here shall miss, our toil shall strive to mend.
---> we will strive to make up for anything that may
be lacking in our performance.
(That is, if we fail to show you anything that is supposed to be
shown, then we will make it up to you by our later performances.)

81:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 07:42:07.14 /LRqQk+50.net
>>67
次に、rhyming の様子を見てみる。どの単語とどの単語が rhyme しているかを、
印によって表示する。
(1) Two households, both alike in dignity★,
(2) In fair Verona, where we lay our scene●,
(3) From ancient grudge break to new mutiny★,
(4) Where civil blood makes civil hands unclean●.
(5) From forth the fatal loins of these two foes★
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life●;
(7) Whose misadventured piteous overthrows★
(8) Do with their death bury their parents' strife●.
(9) The fearful passage of their death-mark'd love◆,
(10) And the continuance of their parents' rage★,
(11) Which, but their children's end, nought could remove◆,
(12) Is now the two hours' traffic of our stage★;
(13) The which if you with patient ears attend●,
(14) What here shall miss, our toil shall strive to mend●.
(9) の love と (11) の remove とは、現代の標準英語の発音では
rhyme しないけど、400年前の Original Pronunciation においては
rhyme していたそうだ。
このように、400年前に Shakespeare が生きていたころに舞台で上演された
ころにはきちんと rhyme しており、さらには pun になっていたりしたのに、
現代の標準英語の発音ではそれが台無しになってしまっていることがよく
あるそうだ。それについては、すでに紹介した言語学者の David Crystal と
その息子であり Shakespeare 役者でもある Ben Crystal とが、いろんな
著書や YouTube 上のビデオにおいても面白く解説してくれている。

82:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 09:37:22.50 /LRqQk+50.net
>>67
(13) ★The which★ if you with patient ears attend,
このような "the which" はフランス語の lequel, laquelle, lesquelle を
そのまま真似たものだと聞いたことがあるけど、こういうような言い回しが
一時的に流行ったらしいところを見ると、英語の歴史を眺めるのも面白い。

83:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 10:27:20.14 /LRqQk+50.net
Shakespeare 役者 Ben Crystal による "Romeo and Juliet" の Prologue の
Original Pronunciation (400年前の発音) による朗読
Speaking the bright and beautiful English of Shakespeare, Ben Crystal
URLリンク(www.youtube.com)
(このビデオの、43分20秒のところから)
上記のビデオでは、最初に現代標準英語の発音で朗読し、そのあとに
Original Pronunciation によって朗読している。
>>67 を再びここにコピーしておく。
【Romeo and Juliet】  PROLOGUE
(1) Two households, both alike in dignity,
(2) In fair Verona, where we lay our scene,
(3) From ancient grudge break to new mutiny,
(4) Where civil blood makes civil hands unclean.
(5) From forth the fatal loins of these two foes
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life;
(7) Whose misadventured piteous overthrows
(8) Do with their death bury their parents' strife.
(9) The fearful passage of their death-mark'd love,
(10) And the continuance of their parents' rage,
(11) Which, but their children's end, nought could remove,
(12) Is now the two hours' traffic of our stage;
(13) The which if you with patient ears attend,
(14) What here shall miss, our toil shall strive to mend.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

84:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 10:35:25.19 /LRqQk+50.net
すでに何度も取り上げた言語学者 David Crystal とその息子で Shakespeare 役者
でもある Ben Crystal とは、二人で共同で Shakespeare に関する本もたくさん
書き、一緒に講演会などでも Shakespeare を論じまわっている。その様子を
録画したビデオも、実にたくさん YouTube 上にある。僕はこの親子を見ていると、
これほどかっこよく美しい親子は世界にいないんじゃないかと思う。
この二人が一緒に出した本はたくさんあるようだけど、その中でも
Shakespeare's Words
という辞書はお勧めだ。Shakespeare の作品に出てくる独特の単語や
表現を実にわかりやすく解説してくれている辞書だ。けっこう分厚い。
昔から好評の Alexander Schmidt による
Shakespeare Lexicon and Quotation Dictionary
と合わせて使うと、鬼に金棒だ。

85:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 11:00:15.68 /LRqQk+50.net
>>67
(6) A pair of star-cross'd lovers take their life;
(7) Whose misadventured piteous overthrows
(8) ★Do★ with their death bury their parents' strife.
この (8) の Do は、現代人にとってわかりやすくこのように書いている
のだろうけど、Arden Shakespeare という本の中では Doth になっている。
Shakespeare の脚本にはそれぞれ作品にいろんなヴァージョンがある。
どのヴァージョンでどのようになっているか詳しくは知らないけど、
(8) の Do よりも Doth の方が絶対に面白い。
というのも、Arden Shakespeare (3rd Edition) に書いてある通り、
Doth とそのあとの death との発音が似ていて面白いのだ。
このような doth と death との発音を似せるという手法のことを
assonance というそうだ。
assonance
= rhyming of vowel sounds only (eg time, hide),
or of consonants only (eg cold, killed)
(The Pocket Oxford English Dictionary)
なお、(8) の doth の主語は (6) の "a pair of star-cross'd lovers"
なので、現代人から見れば間違っているように見える。しかしこれは、
Arden Shakespeare (3) によると、イングランド南部での正しい言い回しであり、
Shakespeare はあちこちでこのように doth を三人称複数の形として使っているそうだ。

86:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 11:14:30.60 /LRqQk+50.net
【"Romeo and Juliet"】
(15) SCENE I. Verona. A public place.
(16) Enter SAMPSON and GREGORY, of the house of Capulet, armed with swords and bucklers
(17) SAMPSON Gregory, o' my word, we'll not carry coals.
(18) GREGORY No, for then we should be colliers.
(19) SAMPSON I mean, an we be in choler, we'll draw.
(20) GREGORY Ay, while you live, draw your neck out o' the collar.
(21) SAMPSON I strike quickly, being moved.
(22) GREGORY But thou art not quickly moved to strike.
(23) SAMPSON A dog of the house of Montague moves me.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

87:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 3b5d-kmi1)
17/01/30 11:44:00.92 NLwwogQA0.net
コクや内容ある長文レス連投してるね
今の2ちゃんでは珍しい、過去ログ読むと2000年前後の学問板には散見されるが近年まれ

88:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 12:09:34.33 /LRqQk+50.net
>>87
温かいコメントをありがとう。僕はこの4年間、文学版と英語板にて、あちこちで
質問に対する回答をしたり、あるいは隔離スレッドを作っていろんなことを
書きまくってきた。ほとんどは「名無し」で書いていた。
   *************
さて、"Romeo and Juliet" の映画を YouTube 上で見ることもできるし、
audiobook などもいろんな種類のものが聞けるが、
William Shakespeare - Romeo and Juliet (audiobook eng)
URLリンク(www.youtube.com)
このビデオに収められた audiobook は、その中でも最も正統派という
感じの朗読だ。ボランティアの役者ばかりが声だけで演技したものだけど、
無料の割には実に優れていると思う。特に Romeo と Juliet との
2人を演じている役者たちの声と演技が素晴らしいので、聞いていて飽きない。
このビデオでは、役者たちがはっきりと一つ一つの単語を発音しているので、
Shakespeare の初心者である僕なんかにとっては、最初のとっかかりとして
実によい教材だ。このビデオでの朗読に慣れて、そのあとに上級者コースとして
劇場版などの演技を見ればいいと思う。(実際に僕もそのようにした。)
さらにこのビデオの特徴としては、画面にすべてのセリフが出てくる。
画面上でセリフを文字で確認しながら、そのセリフを美しい声と演技で
録音したものが聞けるのだ。
YouTube 上では実にいろんな英文小説や戯曲や映画やドラマなどが無料で
聞いたり見たりできるようになっているけど、このビデオほど初心者にとって
使いやすい、聞きやすいものは珍しいと思っている。ただし、初心者に
優しいとはいえ、教材がなんせ Shakespeare なので、ある程度は覚悟して
取り組まないといけないけど。

89:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 12:37:11.19 /LRqQk+50.net
>>86
(15) SCENE I. Verona. A public place.
さて、イタリアの Verona の町にある公共の場所で、Capulet 家と Montague 家
との争いが、今日も繰り広げられる。その前に、Capulet 家の下っ端の連中が
下らない話をするのだが、下ネタがものすごく多い。
(16) Enter SAMPSON and GREGORY, of the house of ★Capulet★,
armed with swords and bucklers
---> Capulet 家というのは、Juliet を含む一族だ。その Capulet 家の
下っ端の Sampson と Gregory とが、Verona の町の往来でしゃべっているのだ。
(17) SAMPSON Gregory, o' my word, we'll not carry coals.
---> o' と書いているが、on のことだろう。"on my word" は
"upon my word" ともいうけど、よく出てくるセリフだ。文字通りの意味は、
「俺の言葉に誓って」というような意味だろう。上記のように on を o' として
いるのは、ここでのリズムを調整するために n を省略する必要があったとも
言えるが、おそらくは on と言いたいときに単に o' と発音することがこの時代にも
それからそれ以外の時代にも多かったのだろうと思う。実際、詩や小説の中でも、
on や of を o' としていることがよくある。
"carry coals" つまり「石炭を運ぶ」というのは、石炭運搬人という仕事を
するという意味だ。Arden Shakespeare (3rd Edition) という Shakespeare
の各作品の注釈書にも詳しく書いているが、この時代には collier(s) つまり
石炭を運搬する仕事をする人は、実に軽蔑されていたそうだ。だからここでは、
登場人物の2人は、どんなことがあっても石炭を運ぶようなことは絶対にしない
ぞ、つまり俺たちのプライドは最後まで守るぞ、というような意味だろう。
(この "carry coals" というのは、OED にも慣用句として、比喩的な意味で
解説があるそうだ。それについてもあとで紹介するかもしれない。)

90:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 12:37:36.22 /LRqQk+50.net
>>86
(18) GREGORY No, for then we should be colliers.
---> 上の (17) のセリフを受けて、「もちろんだ、もしそんなことを
したら、俺たちは単なる colliers になってしまうもんな」というような
意味のことを言っているらしい。
(19) SAMPSON I mean, an we be in choler, we'll draw.
---> (18) や (19) で、carry coals とか colliers という言葉が出てきたから、
ここで "in choler" つまり "angry" という意味の言葉を使ってしゃれを
言っている。現代英語では "in choler" と言えばなじみにくい言葉だが、
フランス語では現代でも "en colère" と言えば、angry という意味での
日常語だ。colère というのは、anger という意味の名詞だ。en は英語の
in という意味だから、フランス語の en colère を英語に直訳すると、
"in anger" ということになる。
というわけで、フランス語やラテン語を少しでも知っている人は、
Shakespeare も怖くない。Shakespeare を読んでいて馴染みにくい
言葉に出っくわしても、フランス語やラテン語の知識を応用すれば、
実によくわかることが多い。

91:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 18:37:43.38 /LRqQk+50.net
>>86
(19) SAMPSON I mean, an we be in choler, we'll draw.
(19-1) an というのは、if という意味。スコットランド語では if という
意味で gin と言うけど、その語頭の g- は消えやすいから in となり、
an に似通ってくると考えてもいい。400年前のロンドンで an (= if) が
使われていて、それがのちには中央では使われなくなったけど、周縁地域
つまり方言では残っていったというわけだ。
"an we be in choler" とは、"if we are angry" という意味。
"we be" の be とは、仮定法現在だろうと思う。Shakespeare の時代には、
if の後にくる動詞が仮定法現在になることが多かった。

92:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 19:48:38.54 /LRqQk+50.net
>>91 にて Shakespeare 時代の an (= if) はスコットランド語(Scots)の
gin (= if) と語源がたぶん同じだろうというふうに示唆しておいたが、
OED Online にて gin を見ると、gif (= if) と関連があるということを
示唆している。そしてこの gif は give, given とも関連があるかもしれない
ということだ。
つまり、現代標準英語でも given という give の過去分詞は本来は
「~ということが与えられて」という意味の分詞構文を作っていたが、
だんだんとそれが過去分詞であることが忘れられ、現代の英語の辞書では
given はこの過去分詞の形のままで見出し語となり、前置詞だと書いてある。
given = considering, in view of というような意味なのだ。
このような given が gif (= if) と関係があると考えてもおかしくないと
思う。そしてこの g- が消えて if になってもおかしくない。
というわけで、if という意味の an, gin, gif は、give, given と
関係があるらしいということになる。

93:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 19:52:36.43 /LRqQk+50.net
>>91 の gin (= if) というスコットランド語(Scots)の単語を使った有名な
歌がある。
Gin a body meet a body
Comin thro' the rye,
この歌は、僕が高校生くらいの時に英語を勉強していた時に、テレビの英語講座
で出てきたものだ。そしてずっと後になって、この歌が実はスコットランドで
深く愛されている Robert Burns の書いた詩であったことを知った。
上記の Gin a body meet a body というのは、If somebody meets somebody else
というような意味だろう。

94:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 19:55:03.70 /LRqQk+50.net
>>93 で紹介した詩のうちの一部をここにコピーしてみる。
Gin a body meet a body
Comin thro' the rye,
Gin a body kiss a body —
Need a body cry.
Oh Jenny 's a' weet, &c.
Gin a body meet a body
Comin thro' the glen;
Gin a body kiss a body —
Need the warld ken!
Oh Jenny 's a' weet, &c.
URLリンク(www.poetryfoundation.org)
このリンク先に全文がある。YouTube にはおそらく、これを歌っている様子を
紹介したビデオがあるに違いない。

95:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/30 20:24:28.26 /LRqQk+50.net
>>86
(17) SAMPSON Gregory, o' my word, we'll not ★carry coals★
(18) GREGORY No, for then we should be ●colliers●.
(19) SAMPSON I mean, an we be in ◆choler◆, we'll draw.
(20) GREGORY Ay, while you live, draw your neck out o' the ★collar★.
(17) から (2) まで、ダジャレ(pun)が飛び交う。(20) では、今までの
coals, colliers, choler に引き続いて、collar という言葉を使っている。
(2) の Ay (= Aye) は、Shakespeare にはよく出てくる。この時代のロンドンでは
よく使われていたのだろう。現代の標準英語では使われなくなったが、方言では
根強く生きている。イングランド北方やスコットランドでは、Yes の代わりに
Ay (= Aye) という言葉を頻繁に使っているようだ。
その反対語である Nay も、Shakespeare や現代の方言において大いに使われ
ている。僕の記憶では、19世紀半ばのイングランド北方にある Yorkshire を
舞台にした Emily Bronte の "Wuthering Heights" でもよく出てきたはずだ。

96:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/31 11:35:54.19 DvpzY7wh0.net
さて、このあとで Capulet 家の Sampson と Gregory とのあいだで下ネタを
含むダジャレの連発で、それに引き続いて Montague 家の下っ端とのあいだで
剣による乱闘が始まる。それをさらに挑発しようという町の市民たち。
そしてその町を支配する prince がやってきて、その騒ぎを鎮めようとして
次のような演説をする。
PRINCE
(1) Rebellious subjects, enemies to peace,
(2) Profaners of this neighbour-stained steel,--
(3) Will they not hear? What, ho! you men, you beasts,
(4) That quench the fire of your pernicious rage
(5) With purple fountains issuing from your veins,
(6) On pain of torture, from those bloody hands
(7) Throw your mistemper'd weapons to the ground,
(8) And hear the sentence of your moved prince.
(9) Three civil brawls, bred of an airy word,
(10) By thee, old Capulet, and Montague,
(11) Have thrice disturb'd the quiet of our streets,
(12) And made Verona's ancient citizens
(13) Cast by their grave beseeming ornaments,
(14) To wield old partisans, in hands as old,
(15) Canker'd with peace, to part your canker'd hate:
(16) If ever you disturb our streets again,
(17) Your lives shall pay the forfeit of the peace.
(18) For this time, all the rest depart away:
(19) You Capulet; shall go along with me:
(20) And, Montague, come you this afternoon,
(21) To know our further pleasure in this case,
(22) To old Free-town, our common judgment-place.
(23) Once more, on pain of death, all men depart.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

97:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/31 14:47:20.16 DvpzY7wh0.net
>>96
(3) Will they not hear? What, ★ho★! you men, you beasts,
この ho という間投詞は、Romeo and Juliet の中では12回も出てくる。これ以外の
Shakespeare の作品中にも大いに使われていると思う。
現代英語ではこの言葉はあまり使われていないようだ。ただし方言や船員たちの
言葉としては使われているのだろうと想像する。現代でたまに出てくると言えば、
必ず船乗りの言葉として出てくるように思う。しかし、400年前の Shakespeare の時代には、このように標準英語として、
ごく普通に使われていたようだ。このように、一つ一つの言葉がいつの時代に
どのような地域のどの階層の人々に使われ、そしてそのあとに時代や地域の
違いによってどのように使い方が変化していったかを見ていくと、実に面白い。

98:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/31 15:06:21.82 DvpzY7wh0.net
>>96
(4) That quench the fire of your ★pernicious★ rage
pernicious
mischievous, malicious, wicked (Alexander Schmidt より)
現代英語では
pernicious = having a harmful effect
(The Pocket Oxford English Dictionary)

99:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/31 15:47:46.14 DvpzY7wh0.net
>>97
(5) With ★purple fountains★ issuing from your veins,
"Purple fountains" とは、おそらくは邪悪な血のことをたとえているのだろう。
それにしても不思議な比喩だと思って検索してみたら、少なくとも現代には
文字通りの purple fountains つまり「紫色の照明を浴びた泉」がある。
画像検索すればそれが見られる。
もしかしたら、Shakespeare の時代にもそういうふうに紫色の照明を浴びた
泉を貴族たちに見せる娯楽があったのかもしれないと僕は想像している。
このあたりのことをしっかり調べようと思ったら、当時の風物習慣を
紹介した本格的な専門書や事典を紐解くといいのだろう。

100:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/01/31 18:26:47.61 DvpzY7wh0.net
>>96
(15) ★Canker'd★ with peace, to part your canker'd hate:
canker
(1) a worm that preys upon blossoms
(2) to eat, to corrode
(3) to grow corrupt, to become venomous
cankered
infected, polluted, evil
以上、Alexander Schmidt の Lexicon より
なお、この canker, cankered だけを見ると馴染みにくい単語という感じが
僕にはするが、英語には日常語として canker sore (口内炎) という言葉が
あるので、英語圏で暮らした経験の長い人はよくわかるだろう。
さらに、canker はもともとラテン語の cancer から来ている。癌(がん)という
意味もあるし crab という意味もある。cancer の二つ目の c も実はラテン語では
k と発音するので、cancer は canker (カンケル) と昔は発音していたのだ。
だからのちに英語では cancer と canker という二つの単語が生まれた。
なお、フランス語にこのラテン語が入って、cancer, cancre, chancre という
三つの単語が生まれ、それぞれ微妙に違った意味で使われているようだ。
そしてドイツ語では、Kanker という単語がある。

101:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 833a-erDy)
17/02/01 09:12:14.85 irteFCuR0.net
ちょっとアクセスできなかったので、午後に追いつきます。

102:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 11:07:18.79 gRLTxplB0.net
>>96
(14) To wield old ★partisans★, in hands as old,
ここでいう partisans とは、現代でよく使われるような意味ではなく、
剣の一種だ。
URLリンク(vignette3.wikia.nocookie.net)
上記の図に出てくるような、細長い剣だそうだ。これ以外のいろんな剣の
名称については、
URLリンク(www.shakespeare-navigators.com)
ここに載っているが、こんなもん、僕には覚えられそうもない。しかし、
英語の単語を見たら、その剣の形は連想できないまでも、せめて
「これは剣の一種だ」ということだけはわかるようになりたいけど、
それでも武器の種類を示す名詞が多すぎて、覚えきれるかどうか心配だ。

103:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW 0b3a-R94c)
17/02/01 11:12:31.54 ZJXYuBSy0.net
剣というか槍な

104:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 11:14:34.57 gRLTxplB0.net
>>96
(20) And, Montague, ★come you★ this afternoon,
このような、命令形における "動詞原形 + 主格の you, ye, thou" という形を
ここで確認しておきたい。ここでの you は目的格の you と形が同じだから
ついつい目的格かと思ってしまう。Look ye here! とか Look'ee here! という
方言での表現もあるが、その ye もやはり目的格のはずだ。
否定命令形の Don't you touch me! というときの you もやはりこれと同じ
ようなものなんだろうという気がする。
(初心者はこれを否定疑問文だと思い込んだり、あるいはせっかく Don't you
touch me! と書いてあるのに、その you を省いて Don't touch me! という
ふうに聞いたり読んだりしたのだと思い込んでしまう。)

105:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 11:15:15.97 gRLTxplB0.net
>>103
すまん。その通りだな。

106:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 11:23:04.59 gRLTxplB0.net
>>104 にて触れた Look'ee here! は Look! とか Listen! というような意味で
使われる方言だが、僕が3年くらい前に読んだ小説にも出てきた。
★Look’ee here★, Pip. I’m your second father. You’re my son,
—more to me nor any son.
(Charles Dickens "Great Expectations")
URLリンク(www.gutenberg.org)
この小説では、Look'ee here! という表現が12回も出てくる。それはおそらく
囚人上がりの男のセリフばかりだと思う。(きちんと確かめたわけではないが、
たぶんそうだろう。)この小説の主人公の父親代わりになっている男で、
この男の方言の特徴から、おそらくはスコットランド出身だと僕は推定している。

107:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 12:41:50.53 gRLTxplB0.net
>>96
(21) To know ★our★ further pleasure in this case,
このセリフは prince つまりイタリアの Verona の町を治める支配者によるもの
だから、この our は my という意味だろう。"Royal we" と言われるものだろうと思う。

108:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 12:48:05.09 gRLTxplB0.net
>>107
(21) To know our further ★pleasure★ in this case,
往来で乱闘していた本人に向かって「私の pleasure を教えてやるから、
あとで私のところに来い」と言っているのだが、このような pleasure は
現代語とは違った意味で使っているらしい。
pleasure
will, choice, command
(Alexander Schmidt "Shakespeare Lexicon")

109:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 12:56:34.24 gRLTxplB0.net
>>96
(22) To old ★Free-town★, our common judgment-place.
Free-town
Villafranca in Italy (Alexander Schmidt "Shakespeare Lexicon")
この Villafranca をネットで検索すると、次のようなことが書いてある。
◆Villafranca di Verona◆
In the Middle Ages, in occasion of the foundation of the Rectors'
Council of Verona, on March 9, 1185, it received the privilege of
●a tax free town●, from which derived the name of ★villa franca★.
URLリンク(en.wikipedia.org)

110:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 13:28:13.15 gRLTxplB0.net
>>109
イタリアの Verona は Free-town (Villafranca) であったそうだが、この
free town というのも僕はよく知らない。なんせ日本史も世界史も僕は
ほとんど知らないのだ。(いくら頑張っても、歴史の知識が身につかなかった。)
そこで、即席にネットで調べてみた。
世界大百科事典 第2版の解説
じゆうとし【自由都市 freie Städte[ドイツ]】
ヨーロッパの,主として中近世のドイツに発達した都市のあり方を示す呼称。
ドイツでは,13~14世紀のころ,長年の交渉を通し,時に激しい闘争を経て,
国王,司教,世俗貴族などの都市領主から大幅な自立を獲得する都市が現れた。
これらは,バーゼル,ケルン,シュトラスブルク(ストラスブール),ウォルムス
など司教都市に多い。旧来の帝国都市Reichsstadtが負っていた皇帝にたいする
軍役・貢納義務からも解放されており,したがってその法的地位は帝国都市の
それよりまさっていた。
URLリンク(kotobank.jp)
上記のリンク先には、これ以外にたくさんのことが書いてあるので、
すべて読めば、なんとなく「自由都市」とはどういうものだったかが
ぼんやりとわかる。

111:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 14:51:55.45 gRLTxplB0.net
Capulet 家と Montague 家のそれぞれの下っ端が始めた乱闘を Verona の町の
Prince が鎮めて、両者を罰することを宣言した後の場面。
MONTAGUE
(1) Who set this ancient quarrel new abroach?
(2) Speak, nephew, were you by when it began?
BENVOLIO
(3) Here were the servants of your adversary,
(4) And yours, close fighting ere I did approach:
(5) I drew to part them: in the instant came
(6) The fiery Tybalt, with his sword prepared,
(7) Which, as he breathed defiance to my ears,
(8) He swung about his head and cut the winds,
(9) Who nothing hurt withal hiss'd him in scorn:
(10) While we were interchanging thrusts and blows,
(11) Came more and more and fought on part and part,
(12) Till the prince came, who parted either part.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

112:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 15:16:15.85 gRLTxplB0.net
>>111
MONTAGUE
(1) Who set this ancient quarrel new ★abroach★?
このセリフは、Montague が言っているということになっている。これは
Montague 家の主人というわけだ。
ancient quarrel とは、「昔から続いている喧嘩」という意味だろう。
to set (something) abroach
= to cause, in a bad sense
to broach (これも同じような意味)
= to set abroach, to set loose, to begin
こういう意味での broach にはなじみがなく、なかなか覚えられないので
語源を見てみる。
broach
Etymology: < broach n.1: compare French brocher , Provençal brocar ,
brochar , Italian broccare , < broche , broca , brocca , noun.
Compare broker n.
この broach という言葉は、女性の装飾品である brooch と語源が同じだそうだ。
(続く)

113:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ db5e-xu7M)
17/02/01 15:16:38.46 gRLTxplB0.net
>>112 の続き
broach
Etymology: Middle English broche , < French broche (13th cent.
in Littré), Old Northern French broke, broque; corresponding to
Provençal broca , Spanish broca , Italian brocca ‘a carver's
great fork’ (Florio) < Romance or late Latin *brocca spike,
pointed instrument, akin to broccus , brocchus adjective in
brocchi dentes projecting teeth. The same word as ★brooch★ n.,
the senses having been differentiated in spelling.
この broach の名詞としての意味
I. A tapering pointed instrument or thing.
上記の英文の出典はすべて OED Online (Second Edition)。

114:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイーW 398b-1pJL)
17/02/02 03:30:51.41 kSreXRYA00202.net
書き込みをいつも楽しみにしています。

115:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 06:50:14.60 vHjwtE8Z00202.net
>>114
ありがとうございます。あなたもこのスレッド上でもいいし、他に自分専用の
スレッドを作っても構わないから、いろいろと書いていってくださいね。

116:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 07:30:49.13 vHjwtE8Z00202.net
【古英語(Old English, Anglo-Saxon) のテキストを読み進めて】
あれからも古英語(Old English)を、毎日少しずつ勉強している。そんなことが
以前よりも楽になったのは、Kindle 版の Teach Yourself Old English の
本が出てくれたからだ。
毎日、僕は必ず60分から80分くらい外を歩くのだが、その時にいつも英語での
小説か何かの朗読を聞きながら、あるいは本を読みながら歩く。5か月前に
買った Kindle 専用端末と、1月26日に買った Teach Yourself Old English
の Kindle 版のおかげで、毎日、歩きながら Old English の勉強ができる。
Old English は、僕にとってもさすがに馴染みにくい。やっていると辛気臭い
というか、あくびが出てくる。すぐに眠くなる。だからこそ20年前から
取り組み始めたとはいえ、いつもすぐに挫折していた。何度も取り組み、
そして挫折してきた。
今度こそは、Kindle 版のおかげで少しは前へ進めそうだ。この本は紙版では
手のひらよりも少し大きいサイズくらいで、340ページくらいしかない。
とはいえ、やっぱり Old English だ。読むのがしんどい。紙版を読んでいた
ときは、うんうん唸りながら読んで、少し読んではまたもや挫折していた。
今回は Kindle 版を、歩いているときにしか読んでいない。自宅にいるときは
さすがに仕事をしないといけないとか、あるいは時間のあるときには
Old English なんていう陰気なものじゃなくてもっと楽しそうな本を読みたいとか
なんとか考えてしまって気が散ってしまう。だから自宅では Old English の
勉強(特に単語を覚えるとか動詞や名詞の活用形を覚えるなどという
実にくだらない単純作業)ができない。(続く)

117:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 07:31:15.26 vHjwtE8Z00202.net
>>116 からの続き
しかし、歩いているときは、こういう単純作業でも何とかやれる。歩いている
最中は、そういう単純作業しかできないのだ。おかげで、今やっとこの本の
58% ほどを読み進めた。「読んだ」とはいっても、普通の本と違って
読み流せばおしまいではなくて、一つ一つの見慣れない、わかりにくい
文法事項をしっかり覚え、一つ一つの動詞や名詞や形容詞の活用形を
覚えていかないといけないのだが、完璧に覚えた後で次のページに進む
などと言っていては途中で挫折するので、うっすらと覚えたような
気がしたら、さっさと前へ進む。
そういうわけで、やっと58%のところに到達した。曲がりなりにもこんなにまで
古英語の勉強を進めたのは、この20年間で初めてのことだ。できればこの調子で、
この本を最後まで一応は通読したい。そしてそのあと、何度もこの本を読み返したり、
別の Old English の本の紙版と Kindle 版とをすでに買ってあるので、それも
読みたい。

118:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 10:14:52.68 vHjwtE8Z00202.net
>>112-113 にて、abroach, broach, brooch という3つの単語の意味や語源に
ついて観察したが、ごたごたと情報を並べただけで乱雑だったので、
整理してみよう。
>>111
MONTAGUE
(1) Who set this ancient quarrel new ★abroach★?
この Montague のセリフに出てくる "to set (something) abroach" での
abroach は「飲み口が開けられて」とか「広まって、始まって」という意味の
形容詞・副詞だそうだ。
a- はもちろん副詞を作るための prefix だ。broach とは、「先の尖った棒」とか
「焼き串」という意味だ。(少なくとも昔はそういう意味だったと書いてある。)
この broach は中世フランス語 (Old French) の broche から来たそうであり、
現代フランス語でもそういう単語がある。そしてこれはラテン語の brocchus とか
broccus という単語から来ている。これは "having prominent teeth" という
意味だったそうだ。だからこそ、女性の brooch つまり「ブローチ」という
言葉が派生する。尖ったピンのついた装飾品だからだ。
ラテン語の broccus からは、>>113 に示したようなロマンス諸語 (Romance
languages) におけるさまざまの似た単語が派生した。
ここで、現代フランス語の broche, brocher という単語の意味を見ておく。
これは日常語なので、僕もフランス語に熱中していた昔はよくこの言葉を見聞きしていた。
broche 女性名詞
焼き串、ブローチ、(機械の)ブローチ(穴をえぐる機械)
(続く)

119:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 10:15:43.45 vHjwtE8Z00202.net
>>118 の続き  ★abroach, broach, brooch について
brocher 動詞
仮綴じにする、ブロケード織にする、ドリルなどで穴をえぐる
brochette
小さな焼き串
brochure
小冊子、パンフレット、ブロケード模様、錦織模様、金襴(きんらん)
(これはあくまで現代フランス語)
上記の brochure はフランス語だが、ここから英語の brochure が派生した。
英語の brochure の語源なんて考えたこともなかったが、実はこのフランス語の
brocher つまり "to stitch, to sew (a book)" という意味の動詞から
できた「縫い合わせた小冊子」という意味だったことを今はじめて知った。

120:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 10:52:02.85 vHjwtE8Z00202.net
>>111
(2) Speak, ★nephew★, were you by when it began?
ここでの nephew は、現代語における nephew とは意味が違う。甥や姪のことも
意味していたが、cousin のことも意味していたと Alexander Schmidt の
Lexicon には書いてあるし、さらには grandson のことも意味していたのだ
と David Crystal の Shakespeare's Words には書いてある。

121:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 12:15:07.27 vHjwtE8Z00202.net
>>111
Benvolio という人物がここで登場する。彼はこの芝居の中で、精神的に一番
バランスが取れていて、善意に満ちた人物のようだ。そして彼のこの名前には、
その性格がはっきりと打ち出されている。
イタリア語を詳しくは知らないけど、Benvolio は ben + volio というわけで、
"good will" とか "good intention" というような意味になっているはずだ。
英語でも benevolence という言葉がある。これは bene + volence だけど、
bene = good, well であり volence = will, intention というわけだ。
Shakespeare の時代にはもちろん少しばかり教育を受けたことのある人なら
イタリア語・フランス語・ラテン語あたりがけっこうできただろうから、
Benvolio という名前を聞いただけですぐに「善意の登場人物なんだな」と
わかったはずだ。ろくにそれらの言語を知らない僕でさえわかるのだから。

122:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 12:28:18.05 vHjwtE8Z00202.net
>>111
Benvolio という名前に似たフランス語としては、英語の benevolence に似ているが
bienveillance (bienveillant) という言葉がある。「(人に対する)好意、親切」
という意味だ。

123:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 12:34:18.42 vHjwtE8Z00202.net
>>111
Benvolio という名前に似たフランス語としては、英語の benevolence に似ているが
bienveillance (bienveillant) という言葉がある。「(人に対する)好意、親切」
という意味だ。

124:名無しさん@英語勉強中 (123456 515e-gmgt)
17/02/02 12:34:56.03 vHjwtE8Z0123456.net
>>111
Benvolio という名前に似たフランス語としては、英語の benevolence に似ているが
bienveillance (bienveillant) という言葉がある。「(人に対する)好意、親切」
という意味だ。

125:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 12:39:27.28 vHjwtE8Z00202.net
>>121-122
benevolence という英単語を OED Online で引き、その語源欄を見て
そのラテン語や中世フランス語の形を確認しておく。せめてラテン語は
たくさん覚えて、いずれはきちんと読めるようにならないといけない。
benevolence
< Old French ●benivolence●,
< Latin ★benevolentia★ well-wishing, < benevolent-em :
see benevolent adj.
This Old French form was a learned or semi-popular adaptation of
the Latin word; its genuine French descendant being bienvoillance,
later -veuillance (whence Caxton's bienveullance),
now corruptly bienveillance.
In English benivolence was further latinized as benevolence
at an early period (if this was not directly < Latin.
(OED Online, OED Second Edition)

126:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 13:03:33.65 vHjwtE8Z00202.net
>>111
Benvolio という名前は、イタリア語の ti voglio bene (= "I am well
disposed towards you" or even "I llove you") という表現から来ているのだ
と Arden Shakespeare "Romeo and Juliet" (Third Series) p.120 には
書いてある。
この本にはさらに、Malvolio という名前も Shakespeare は
Twelfth Night の中で使っていると書いている。Malvolio の mal は
もちろん、bad, ill というような意味での副詞や形容詞だ。英語では
malign, malediction, malfunction などという単語にこの mal- が
含まれている。

127:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 14:33:55.29 vHjwtE8Z00202.net
【Romeo and Juliet の続き】
LADY MONTAGUE
(1) O, where is Romeo? saw you him to-day?
(2) Right glad I am he was not at this fray.
BENVOLIO
(3) Madam, an hour before the worshipp'd sun
(4) Peer'd forth the golden window of the east,
(5) A troubled mind drave me to walk abroad;
(6) Where, underneath the grove of sycamore
(7) That westward rooteth from the city's side,
(8) So early walking did I see your son:
(9) Towards him I made, but he was ware of me
(10) And stole into the covert of the wood:
(11) I, measuring his affections by my own,
(12) That most are busied when they're most alone,
(13) Pursued my humour not pursuing his,
(14) And gladly shunn'd who gladly fled from me.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

128:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 15:09:45.99 vHjwtE8Z00202.net
>>127
(2) Right glad I am he was not at this ★fray★.
fray の意味は、前後関係から意味は推測できるが、fray だけを取り上げられたら
その意味が僕にはまだ認識できない。
fray
(1) a fight, a battle
(2) a violent riot attended with swords or words or at fisticuffs
(3) a single combat
fray
(1) to fright
fray という単語の、上記の動詞としての意味を見て、ピンときた。これは
フランス語の effrayer (= to frighten) や effroyable (= frightening,
horrible) と語源が同じなのだ。英語では、affray, affright という
単語がある。(古い単語かもしれない。)

129:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 15:21:16.22 vHjwtE8Z00202.net
MONTAGUE
(1) Many a morning hath he there been seen,
(2) With tears augmenting the fresh morning dew.
(3) Adding to clouds more clouds with his deep sighs;
(4) But all so soon as the all-cheering sun
(5) Should in the furthest east begin to draw
(6) The shady curtains from Aurora's bed,
(7) Away from the light steals home my heavy son,
(8) And private in his chamber pens himself,
(9) Shuts up his windows, locks far daylight out
(10) And makes himself an artificial night:
(11) Black and portentous must this humour prove,
(12) Unless good counsel may the cause remove.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

130:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 18:58:55.60 vHjwtE8Z00202.net
>>129
(8) And private in his chamber ★pens★ himself,
pen = to confine, to shut up (Alexander Schmidt の Shakespeare Lexicon)
この pen という言葉の意味は、現代も昔も、あまり変わっていないようだ。

131:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 20:31:33.27 vHjwtE8Z00202.net
>>129
(11) Black and ★portentous★ must this humour prove,
この portentous という言葉の意味も、400年前と現代ではあまり意味が
変わっていないようだ。
portentous = ominous
portent = omen of ill
portend = to signify, to foreshow (as a bad omen)
(Source: Alexander Schmidt "Shakespeare Lexicon")

132:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 20:36:51.48 vHjwtE8Z00202.net
>>131
portend (= to signify, to foreshow as a bad omen) という単語の
語源については、研究社「英語語源辞典」には次のように書いてある。
Middle English --- portende(n)
Latin --- portendere (to foretell)
<--- por- (pro-, forth) + tendere (to streth, to tend)
上記の portendere は、protendere (= to stretch forth) に対応する
古い単語で、占い用語。
(以上は、研究社「語源大辞典」に書いてあることを抜粋したり、
わかりやすく書き直したりした。)

133:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 20:59:13.58 vHjwtE8Z00202.net
>>129 にて Montague 家の主人が息子 Romeo が哀しみに打ち沈んでいる様子
なので心配している。それを受けて、Benvolio が話しかける。
BENVOLIO
(1) My noble uncle, do you know the cause?
MONTAGUE
(2) I neither know it nor can learn of him.
BENVOLIO
(3) Have you importuned him by any means?
MONTAGUE
(4) Both by myself and many other friends:
(5) But he, his own affections' counsellor,
(6) Is to himself--I will not say how true--
(7) But to himself so secret and so close,
(8) So far from sounding and discovery,
(9) As is the bud bit with an envious worm,
(10) Ere he can spread his sweet leaves to the air,
(11) Or dedicate his beauty to the sun.
(12) Could we but learn from whence his sorrows grow.
(13) We would as willingly give cure as know.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

134:名無しさん@英語勉強中 (アタマイタイー 515e-gmgt)
17/02/02 21:05:51.60 vHjwtE8Z00202.net
>>133
BENVOLIO
(3) Have you ★importuned★ him by any means?
importune
(1) to molest, to trouble
(2) to press, to urge with eager solicitation
(Alexander Schmidt "Shakespeare's Lexicon)
この単語の意味も、400年前と現代とではあまり変わっていないようだ。
importune
to bother someone with persistent requests
(The Pocket Oxford English Dictionary, 11th)

135:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 14:35:04.01 zDyBOYSp0.net
>>133  MONTAGUE
(5) But he (= Romeo), his own affections' counsellor,
(6) Is to himself--I will not say how true--
(7) But to himself so secret and so close,
(8) So far from ★sounding★ and discovery,
ここで Montague 家の主人が一人息子 Romeo のことを心配して、「息子は
誰とも話をせず、何を考えているのかわからない。何を悩んでいるのかと
尋ねてもまったく答えない」というようなことを言っている。
ここで (8) にて (Romeo is) so far from ★sounding★ and discovery.
と言っている。何を悩んでいるのかと探りを入れても、まったく秘密を
明かそうとしないという意味だ。ここの sounding は、「測深のための probe
を使って深さを測ること」という意味だ。この sound はドイツ語の Sonde
(ゾンデ)という言葉と語源が同じだ。この sounding (測深) は、
海面から音を出してその音を海底にぶち当てて、それが戻ってくる時間を
測ることによって海の深さを知るから sound (音) という言葉から来る
言葉を使っているのだと僕は今まで思い込んでいた。
今さっき調べなおしてみて、それが間違いであることを知った。この sounding
(測深) という言葉は、語源的には「音」とはまるで関係がない。あくまで 
フランス語の sonde (= probe) などの単語から来ていて、探りを入れるための
probe という意味でしかなかったのだ。そしてこの言葉は、フランス語などの
ロマンス諸語にもあるが、もともとは古英語や古アイスランド語 (Old Icelandic)
の言葉だったのだろうと思われると OED には書いてある。さすが海に生きていた
民族の言葉だけあって、海に関する言葉は北欧のゲルマン語由来のものが多い。
sound (lead つまり鉛を使った測深) の語源
< sound v.2, or < French sonde (Spanish sonda , Portuguese sonda ) in the same senses,
apparently < ★Old English or Old Norse sund sound★ n.1
Compare Old English sund-gyrd, -líne, -ráp, sounding-pole, -line, -rope.
(OED Online, OED Second Edition)

136:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 18:20:00.18 zDyBOYSp0.net
【John Donne "No Man Is an Island"】
John Donne は400年ほど前に生きた人だが、びっくりするほど現代的な感覚で
詩を書き残している。英語そのものは古いけど、現代人が書いているみたいに見える。
次の詩は "For Whom the Bell Tolls" という Ernest Hemingway の小説の
タイトルの出所になった詩だ。
僕の理解するところでは、この詩はすべての人間が深いところでつながっている
と言っている。Karl Jung の考え方や Upanishad 哲学の梵我一如などを
連想させる。
For whom the bell tolls a poem
(No man is an island) by John Donne
No man is an island,
Entire of itself.
Each is a piece of the continent,
A part of the main.
If a clod be washed away by the sea,
Europe is the less.
As well as if a promontory were.
As well as if a manor of thine own
Or of thine friend's were.
Each man's death diminishes me,
For I am involved in mankind.
Therefore, send not to know
★For whom the bell tolls★,
It tolls for thee.
URLリンク(www.famousliteraryworks.com)

137:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 18:27:43.93 zDyBOYSp0.net
>>133 の次に、いよいよ Romeo が登場する。心配する友人の Benvolio に、
片思いに苦しむ Romeo が悩みを打ち明ける。
(1) BENVOLIO  See, where he comes: so please you, step aside;
(2) I'll know his grievance, or be much denied.
(3) MONTAGUE  I would thou wert so happy by thy stay,
(4) To hear true shrift. Come, madam, let's away.
(5) Exeunt MONTAGUE and LADY MONTAGUE
(6) BENVOLIO  Good-morrow, cousin.
(7) ROMEO  Is the day so young?
(8) BENVOLIO  But new struck nine.
(9) ROMEO  Ay me! sad hours seem long.
(10) Was that my father that went hence so fast?
(11) BENVOLIO  It was. What sadness lengthens Romeo's hours?
(12) ROMEO  Not having that, which, having, makes them short.
(13) BENVOLIO  In love?
(14) ROMEO  Out--
(15) BENVOLIO  Of love?
(16) ROMEO  Out of her favour, where I am in love.
(17) BENVOLIO  Alas, that love, so gentle in his view,
(18) Should be so tyrannous and rough in proof!
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

138:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 20:48:08.62 zDyBOYSp0.net
>>137
このような文章を読んでいると、一応はだいたいの意味はわかるが、一つ一つの
文法事項が細かくわかっていない。まだまだ400年前の Early Modern English
がわかっていないのだ。一応は Abbott という人が書いた有名な Shakespeare
時代の英語の文法を詳しく解説した本など、この時代の文法の解説書は2冊か
3冊くらい持っていて、あちこちを参照することもよくある。しかしもっと
本格的に、重箱の隅をつつくような勉強を長いあいだやらないと、きちんと理解
できるようにはならないようだ。
さしあたって、細かい部分で解説できない部分は、飛ばしておく。何年も何十年も
先には、すべて理解できていることを望む。

139:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 20:58:43.97 zDyBOYSp0.net
>>137
(3) MONTAGUE  I would thou wert so happy by thy stay,
(i) "thou wert" は、現代語で言えば "you were" という意味だ。この
"thou wert" という形をきちんと暗記しておきたい。
(ii) "I would" は、現代語では "I wish" に相当する。Alexander Schmidt
の Shakespearean Lexicon には、次のような例文を載せている。
*** 以下は引用 ***
"I would" optatively, followed by a subjunctive:
I would I knew his mind.
I would to heave I had your potency.
I would to God my heart were flint.
*** 引用おわり *****

140:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 20:59:59.48 zDyBOYSp0.net
>>139 訂正
I would to ★heaven★ I had your potency.

141:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 21:19:12.23 zDyBOYSp0.net
>>137
(4) To hear true shrift. Come, madam, let's away.
Shakespeare の時代には、Let's のあとに助動詞だけをつけてもよかった。
現代ではもちろん、Let's get (OR go) away. というふうに動詞をつけないと
いけない。確かドイツ語では、現代でもこの古い時代の英語と同じように、
動詞を省略できるはずだ。(ドイツ語文法をあまり覚えていない。)
true shrift については、Arden Shakespeare (3rd Edition) には
"true revelation (of what is troubling him so)" という注釈を
つけている。つまり、"to hear true shrift" は、「ロミオから
本当のことを聞き出すこと」という意味だ。
shrift
confession made to a priest, and the absolution consequent upon it
(Alexander Schmidt "Shakespearean Lexicon")
なお、僕は Alexander Schmidt のこの辞書の紙版を使っているが、
ネット上に無料のデジタル版がある。たくさんの hypertext が盛り込んであって、
とても便利みたいだ。もっと Shakespeare に詳しくなったら、僕はデジタル版
も駆使したいと思う。でも最初はなるべく紙版を使いたいと思う。

142:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 21:54:22.71 zDyBOYSp0.net
>>141 の shrift という言葉の意味が覚えにくいので語源を調べてみたら、
何のことはない。ラテン語の scriptum (= something written) とか
ドイツ語の Schrift (= writing) とか schreiben (= to write) と
似てるじゃないかと思った。
解説をさらに読むと、ゲルマン諸語ではこのラテン語の scriptum (= something
written) という言葉から派生して "confession made to a priest" という
意味に変わっていったが、ロマンス諸語ではそんな意味には変わることなく、
現代語でも something written という意味しかないということだ。
shrift
★Old English scrift★ (masculine),
corresponding to Old Frisian skrift (masculine and feminine),
Middle Dutch schrift (schricht ) (feminine and neuter), (●Dutch schrift● ),
Old High German scrift (feminine) (Middle High German, ★German schrift★ ),
Old Norse skript , skrift (feminine) (Swedish, Danish skrift ),
verbal noun < ◆shrive v.◆
上記の説明の最後に、この shrift という名詞の動詞形は shrive と書いてあるので
その単語を調べてみる。ただし、語源欄は充実しすぎていて煩雑になるので、
そのうちのごく一部のみを抜き書きする。実際には、スウェーデン語や
アイスランド語など、実にたくさん出てくる。(続く)

143:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/03 21:54:44.56 zDyBOYSp0.net
>>142 の続き
shrive の語源欄の一部
★Old English★ scrífan (-scráf, scrifon, ge-scrifen),
to allot, assign, decree, adjudge, impose as a sentence,
impose penance, regard, care for,
(Middle) Low German schrîven, schreev, schrêven,
◆Middle Dutch◆ schrîven, screef, ghescrêven to write, paint, describe
(★Dutch★ schrijven, schreef, geschreven),
●Old High German● scrîban, Middle High German scrîben, schreip,
geschriben to write, draw, paint, describe, appoint, prescribe
(★German schreiben, schrieb, geschrieben★),
上記の英文解説の出典: OED Online, OED Second Edition
というわけで、英語の語源を探るにはラテン語やフランス語も大事だが、
その一方では古英語やドイツ語やゲルマン諸語の知識が不可欠だ。

144:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/04 13:12:22.44 I1tnKo2l0.net
>>137
(6) BENVOLIO  Good-morrow, cousin.
Benvolio が Romeo に cousin と呼びかけている。これは現代の cousin と
同じ意味かもしれないが、そうでないかもしれない。
一般的に、Shakespeare の時代には cousin は社会的に同等な立場にいる人に
なら、親しみを込めて誰にでも cousin と呼びかけていたそうだ。そのように
書いてある解説を引用する。
WHO CAN BE YOUR COUSIN?
In Shakespeare's day, you could call almost any relative your cousin,
as well as people who did not belong to your family at all, but who
were your social equals (as long as you were on good terms with
them, or wanted to be).
Oxford Illustrated Shakespeare Dictionary
David and Ben Crystal
ちなみに、上記の Oxford の Shakespeare Dictionary は取っつきやすい。
たったの350ページで、絵もたくさんついている。武器とか服装を表す
名詞を通常の辞書で調べてもよくわからないが、この辞書では絵が書いてあって
わかりやすい。その代り、子供向け辞書と見えて、さほど詳しくはない。
単語数も少ない。だから他の Shakespeare 関係の辞書を補う形でしか使えない。

145:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/04 13:14:36.98 I1tnKo2l0.net
>>137
(12) ROMEO  Not having that, which, having, makes them short.
前後の関係から、このセリフの意味は想像できる。でもこの文を文法的に
どのように分析して理解すればいいのかわからない。これについては
海外フォーラムで質問してもいいけど、しばらく保留にしておく。
いずれ独力で理解できる日が来るだろう。

146:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/04 13:20:42.50 I1tnKo2l0.net
>>137 のあとにも、Benvolio と Romeo とのやり取りが続く。
ROMEO (1) Alas, that love, whose view is muffled still,
(2) Should, without eyes, see pathways to his will!
(3) Where shall we dine? O me! What fray was here?
(4) Yet tell me not, for I have heard it all.
(5) Here's much to do with hate, but more with love.
(6) Why, then, O brawling love! O loving hate!
(7) O any thing, of nothing first create!
(8) O heavy lightness! serious vanity!
(9) Mis-shapen chaos of well-seeming forms!
(10) Feather of lead, bright smoke, cold fire, (11) sick health!
(12) Still-waking sleep, that is not what it is!
(13) This love feel I, that feel no love in this.
(14) Dost thou not laugh?
BENVOLIO (15) No, coz, I rather weep.
ROMEO (16) Good heart, at what?
BENVOLIO (17) At thy good heart's oppression.
ROMEO (18) Why, such is love's transgression.
(19) Griefs of mine own lie heavy in my breast,
(20) Which thou wilt propagate, to have it prest
(21) With more of thine: this love that thou hast shown
(22) Doth add more grief to too much of mine own.
(23) Love is a smoke raised with the fume of sighs;
(24) Being purged, a fire sparkling in lovers' eyes;
(25) Being vex'd a sea nourish'd with lovers' tears:
(26) What is it else? a madness most discreet,
(27) A choking gall and a preserving sweet.
(28) Farewell, my coz.
URLリンク(shakespeare.mit.edu) 

147:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 11:55:08.48 vQymFhR30.net
今さっき、3回目の除名処分を受けた。
   ***************
不死鳥の如く 様
平素よりアルコムワールドをご利用いただきまして
誠にありがとうございます。
アルコムワールド事務局です。
不死鳥の如く様は、アルコムワールド利用規約に則り、
退会いただいたお客様ご本人であると判断いたしましたので、
現在のご登録についても、本日(2/6)退会の措置を取らせていただきます。
お客様が退会したお客様ご本人であると判断した理由は以下の通りです。
・ご登録メールアドレス
ご理解いただきますよう、お願いいたします。

148:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW f13a-4SR0)
17/02/06 12:13:11.22 tcRpkdlq0.net
規約を守らないのだからしょうがないな
さっさと忘れろ

149:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 3937-yene)
17/02/06 12:33:24.42 1bLvBxv+0.net
トランプ並みのいかれっぷりだからな

150:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 12:43:56.18 vQymFhR30.net
Alexander Schmidt による "Shakespeare Lexicon and Quotation Dictionary"
など、合計3つの有名な Shakespeare 用語辞典をまとめた無料のサイトがある。
URLリンク(www.perseus.tufts.edu)
上記のサイトでは、Shakespeare の作品に出てくるあらゆる単語の定義などの
解説をすぐに引き出すことができる。書籍版を僕は今まで少なくとも3か月くらいは
毎日のように使った。
辞書の場合は、OED (例の20巻本) を除けばたいていはデジタル版よりも
書籍版の方がいろんな点で勝るものなのだが、このサイトに限り、書籍版を
上回っている。文字が見やすいし検索しやすいし、実に使いやすい。

151:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 13:17:59.33 vQymFhR30.net
>>146 の続き
僕にとってはもうわかりきったことを書く気にはなれないので、語彙や文法について
コメントを書きたくなる時が少ないが、ともかく前に進もう。
BENVOLIO (1) Soft! I will go along;
(2) An if you leave me so, you do me wrong.
ROMEO (3) Tut, I have lost myself; I am not here;
(3) This is not Romeo, he's some other where.
BENVOLIO (4) Tell me in sadness, who is that you love.
ROMEO (5) What, shall I groan and tell thee?
BENVOLIO (6) Groan! why, no.
(7) But sadly tell me who.
ROMEO (8) Bid a sick man in sadness make his will:
(9) Ah, word ill urged to one that is so ill!
(10) In sadness, cousin, I do love a woman.
BENVOLIO (11) I aim'd so near, when I supposed you loved.
ROMEO (12) A right good mark-man! And she's fair I love.
BENVOLIO (13) A right fair mark, fair coz, is soonest hit.
ROMEO (14) Well, in that hit you miss: she'll not be hit
(15) With Cupid's arrow; she hath Dian's wit;
(16) And, in strong proof of chastity well arm'd,
(17) From love's weak childish bow she lives unharm'd.
(18) She will not stay the siege of loving terms,
(19) Nor bide the encounter of assailing eyes,
(20) Nor ope her lap to saint-seducing gold:
(21) O, she is rich in beauty, only poor,
(22) That when she dies with beauty dies her store.
URLリンク(shakespeare.mit.edu)

152:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 13:23:57.02 vQymFhR30.net
>>151
Romeo の言葉を受けて友人の Benvolio が Soft! と言っている。この単語の
使い方は現代と違っているので、面白い。Wait a minute! というような
意味だろうと思っていたが、ネット上にある Shakespeare 辞典には、
下記のリンク先のようなことが書いてある。
Soft = Stay! Stop!
URLリンク(www.perseus.tufts.edu)

153:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 19:11:49.17 vQymFhR30.net
>>151
ROMEO (3) ★Tut★, I have lost myself; I am not here;
Tut は、相手を軽くたしなめるときの間投詞なんだろうが、今までに二回ほど
見聞きしたことがある。
... my mother, after vainly trying to restrain herself, began to cry.
‘Oh ★tut, tut, tut!★’ said Miss Betsey, in a hurry. ‘Don’t do that!
Come, come!’
(Charles Dickens "David Copperfield")
URLリンク(www.gutenberg.org)
上記の小説では、主人公の David Copperfield が、自分を身ごもった母親が
困り果てて泣き始めたときに、主人公の叔母が Tut と3度、言っている。
なお、この小説の映画版でも、同じ場面でやはり Tut を繰り返している。

154:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 19:27:55.49 vQymFhR30.net
>>151
BENVOLIO (4) Tell me ★in sadness★, who is that you love.
ROMEO (5) What, shall I groan and tell thee?
BENVOLIO (6) Groan! why, no.
(7) But ★sadly★ tell me who.
ここでの sad は、
(1) sorry, sorrow, melancholy
(2) grave, serious
URLリンク(www.perseus.tufts.edu)
という二重の意味がある。だからこそ上記 (4) から (7) までのような
言葉遊びができる。Benvolio は "誰を愛してるのか、in sadness (真面目に)
教えてくれ" と言っているのに、Romeo はそれをわざと別の意味である
"悲しく" という意味に捉えて「うめいてほしいのかい?」と冗談を言う。
Shakespeare の作品は、どれを取ってみても言葉遊びが満載しているだろうが、
この "Romeo and Juliet" ではそれがピークに達しているようだ。
この時代には、公開の席で下ネタを大っぴらに言ってもよかったらしく、
Shakespeare の作品でも下ネタが連発される。"Romeo and Juliet" において
それは顕著だ。だからこそ、Shakespeare の下ネタ用語集の分厚いものが
売られているくらいだ。僕もそのうちの一冊を買ったが、一応は専門書の
類になるようで、洋書だから余計にものすごく高かった。洋書の専門書は
実に高いのだ。

155:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/06 20:29:27.27 vQymFhR30.net
>>151
ROMEO (10) In sadness, cousin, ★I do love a woman.★
BENVOLIO (11) I aim'd so near, when I supposed you loved.
(10) での "do love" は love の強調のために do をつけているのではなく、
この時代によくあった、意味のない do かもしれない。強調している
わけではなくても、このように動詞の前に do をやたらにこの時代には
つけていたそうだ。
ただし Shakespeare の戯曲においては、語呂を合わせるために do を
付けていたという可能性はある。
さて、(10) で I do love a woman. と Romeo は言っているが、
Romeo はこの前にすでに恋に悩んでいるということをしきりに言っている。
だから I do love a woman. といえば、当たり前じゃないかということになる。
これはもしかして、観衆を笑わすためのセリフだったのだろうか?つまり、
この前に Benvolio が Tell me in sadness who is that you love.
と言っている。「誰に恋しているのか教えてくれ」というわけだ。
それに対して Romeo が口を開いて I do love.... とまで言ったときに、
観衆はそのあとに女性の名前を言うだろうと期待する。ところが
"a woman" としか言わない。拍子抜けして観衆はここで笑ったのではないか?
同時に Romeo は I'm not in love with a man, but with a woman.
というようなことを言ったことにもなるから、これもまた笑いの種だった
かもしれないと僕は推測している。

156:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/07 10:56:36.69 QcDgDUga0.net
>>151
ROMEO (10) In sadness, cousin, I do love a woman.
BENVOLIO (11) I aim'd so near, when I supposed you loved.
ROMEO (12) A right good mark-man!
(10) よりもずっと前に Romeo が in love の状態にあるということが
言われているから、(10) の I do love a woman. は言わなくてもわかる
当たり前のことだと考えられるけど、(11) では Benvolio が、
「君が恋に悩んでいるっていうから、そうだとは思ってたけど」と
言っているのも、これもまた当たり前のことに過ぎない。さらには
これを畳みかけるように、(12) では Romeo が、「よくわかったな」
などと言っている。
現代で言えば、皮肉とも取れる。まるで、「150円と300円を足したら
450円だよな」というセリフに対して、「おお、よくそんな難しい計算が
できたな。天才だな」と言っているようなものだ。この3行は、当たり前のことを
言い続け、さらにはその当たり前のことに驚いたふりをすることによって、
皮肉な笑いを観衆から誘っていたのではないかと僕は思う。
(僕のこの指摘も、いちいち言わなくてもいい当たり前のことかもしれないが、
なんせ僕にとって Shakespeare は、文字面を追っかけるだけでも大変だし、
時代背景がまるで違うので、もしかしたらユーモア感覚なども今とはまるで
違うかもしれないと思ったりもするから、当たり前かもしれないことでも
いちいち書いていくので、読者(読者がまったくいないかもしれないが)
は我慢してほしい。

157:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-gmgt)
17/02/07 14:42:30.56 QcDgDUga0.net
われ潜入に成功せり
自己紹介 我ガ敵地ニ潜入セシ時ハ、平成廿九年弐月七日也(敵国ノ暦デハ2017年2月7日也)。
我、何時ノ日迄生キ永ラフル能(アタ)フ乎(カ)ト問ハレテモ、応答ス可(ベ)
カラザル也。其(ソ)ハ、我神ニ非ザレバ、未来ヲ予見スル能(アタ)ハザレバ也。
我、敵地ニ侵入シ、大日本帝國ノ御(オン)為ニ如何(イカ)ナル貢献ヲ成シ
遂ゲル事能(アタ)フルカヲ、シカト見届ケテ戴キ度(タク)存ズル次第也。

158:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-w8tn)
17/02/08 06:50:50.14 VEB/pxH50.net
(1) 一万年の慟哭
僕は、一万年も慟哭し続けることができるだろうと思うほどに、底知れぬ哀しみを
常に抱えてきた。なんでこんなに悲しいのか?どうしようもない。どれだけ涙を
したことか?そして、哀しみ苦しむ僕は、どれほどまでに揶揄され、嘲笑され
続けてきたことか?
遅くとも10歳の時には、その悲しみが始まった。10歳じゃなくて、もしかしたら
5歳か、あるいは1歳の時に始まったのかもしれない。いやいや、生後1か月の時から
始まっていたかもしれない。きっとそうだ。
ともかく僕がはっきり覚えている底知れぬ哀しみが始まった時は、10歳のとき
だった。それについては、かつて英文でたくさん書いたことがある。いずれまた
日本語でも書くかもしれない。
遅くとも10歳のときから、僕には地球上の何万、何億、何十億という人々の懊悩と
絶叫と慟哭が一斉に轟音を成して、僕の鼓膜と胸を突き破ってきた。
その重圧に僕は耐えられなかった。誰にもそのことは打ち明けられなかった。いや、
打ち明けたことはあった。しかし打ち明け始めて10秒以内に、激しく罵倒された。
まずは親から罵倒された。誰も僕の胸を突き破る慟哭のうちの、一万分の一にさえ
耳を傾けようとはしなかった。
僕は何十年も子供のままでいた。成長できなかった。成長できるはずがない。僕は
誰からも育てられたり、学問を教えてもらったこともないのだ。僕は親を育てなければならなかった。僕は親や兄弟や友人たちの愚痴と泣き言を聞いてやり、彼らに学問を教えてやらねばならなかった。
誰も僕には何も教えることができなかった。誰も僕の弱さを受け入れる余裕など
持っていなかった。みんなは、育てられたがっていた。みんなが何かを教えて
もらいたがった。自分から他人に教えたり、自分が他人の弱さを受け入れて
あげようとなどしなかった。
(続く)

159:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-w8tn)
17/02/08 06:52:39.41 VEB/pxH50.net
>>158 の続き
僕が喉から手が出るほどにほしかった教育は受けられなかった。常に学問に飢えて
いた。少なくともあと20年くらいは学校に通わないといけないくらいに、僕は
学問に飢え渇いていた。精神が枯渇しきっていた。真実と美とをあまりに深く
愛していた。
僕ほど学者に向いている人間はいなかった。僕ほど教育者に向いている人間は
いなかった。それが無残にも、幼少時代に時代の波と親族間の闘争の波に巻き
込まれて、僕は溺死しかかった。

誰も僕を救えなかったので、溺れかかった僕がふと気づくと、岸に乗り上げて息を
吹き返していた。おもむろに起き上がり、疲れ切った手足を引きずりながら僕は
歩き始めた。
僕は一人で学んだ。一人で自分を育てた。学問と芸術へのあまりの深い僕の愛。
それを満たすには、すでにボロボロになった僕の精神をもってしては、80年や
90年の人生ではあまりにも短すぎ、あまりにもその密度が薄すぎた。持って生まれ
た頭も悪すぎた。何よりも、ひどいトラウマのゆえに人間存在の根本的な罪悪に
気づいてしまっていた僕にとって、通常の生活なんてものはとうてい不可能だった。
ともかく、精神障碍者の如く僕は生き続けるよりほかはなかった。生まれてきたが
ゆえの二重の僕の罪悪を、何十年もかけて僕は贖(あがな)った。まるでキリスト
でもあるかのごとく、この矮小にして弱きこと極まりない僕が、全世界の慟哭を
双肩に背負って、少なくとも45年もかけて生き抜いた。その途中で、その自己犠牲の
さなかに、僕は少なくとも2回は、自分が最も信頼すべきはずの2人の人から、
死ぬよりもつらい目に会わされた。
(さらに続く)

160:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-w8tn)
17/02/08 06:53:02.77 VEB/pxH50.net
>>159 の続き
ともかく生きた。生きる以外になかった。そして砂をかむような思いで、僕は
学問らしきものを追い求めた。真実と美とを希求し続けた。
僕は常に疲れ切っている。誰かに頼りたくても頼れず、誰かに何かを教えてもらい
たくても、誰もそんな人のいない中で、たった一人で、僕が最も信頼する人々から
力づけられるどころか、徹底的に邪魔されながら、僕は学問し続けた。
そして今に至るのだ。僕は、一万年の慟哭を胸に秘めている。

161:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-w8tn)
17/02/08 13:42:41.40 VEB/pxH50.net
(2) 人間とは何なのか
というわけで、またもや振出しに戻るのだ。いったい何度にわたってこの問いを
発するのだ?千回か?一万回か?人間とは何なのか?人生とは何なのか?自分は
どういう人間なのか?他の人とはどのように違っているのか?他の人は何を
考えているのか?人間は、何を感じて何を考えて、何のために生き、そして
どこへ行こうとしているのか?
人間は、原生動物とほとんど違わないのではないか?光のある方へ、あるいは
水のある方へ、あるいは栄養のあるもの、匂いのある方へと自動的に向かう
機械みたいなものではないか?人間は、プログラムされた単純な機械でしかない
のではないか?
誰がどのようにこんなふうにプログラムしたのか?それには目的があるのか?
目的があるとしたら、あまりにその目的は単純で原始的なものでしかないのでは
ないか?

人間は、生きようという単に盲目的かつ原始的な意思に突き動かされているだけの
ことであって、それには何の意味も目的も価値もないのではないか?
人間は、急峻な崖っぷちの中央にある猫の額ほどの平らな場所に永遠に立たされて
いるのではないか?たった一人でそこにいて、他人を呼べど叫べど泣けど、永遠に誰も答えない場所で、一人ぼっちで立たされているのではないか?
(続く)

162:名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 515e-w8tn)
17/02/08 13:43:06.51 VEB/pxH50.net
>>161 の続き

下を向くと、底知れぬ下の下の方に、ぽつりと黒い点が見える。その黒い点は、
谷なのかもしれないし、地獄かもしれないし、あるいはあらゆるものを急速に
飲み込む大蛇の口かもしれない。
上を向くと、今度は空のそのまた上の、またもやその上に、青い点がポツリと
見える。それは天国なのか?あるいは別の地獄なのか?
ふと右を見ると、そこには一本だけやせこけた木が生えている。よく見ると、
一個だけ果物がなっているではないか。これを食べろというのか?うん、おいしいことはおいしい。しかし、こんなもので騙されてたまるか。
誰の陰謀なのかしらんが、ともかく僕はこの絶壁に立たされている。果物でこの
永遠の空虚を忘れろと言いたいのだろうが、そうはいくか。僕はこの永久かつ
絶対的な孤独と虚無とを凝視し続けてやる。
人間とは何なのか?なんでこんなところに永遠に立っていないといけないのだ?
何のために?他の連中はどこにいるのだ?よく耳を澄ますと、かすかに他の連中の
声が聞こえる。うめいているようにも聞こえるが、笑っているようにも聞こえなくも
ない。他の連中は、自分がどういう目に会っているのか、わかっているのだろうか?
人間とは何なのだ?


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