【隔離・孤立スレ】専門的すぎる書き込みを歓迎at ENGLISH
【隔離・孤立スレ】専門的すぎる書き込みを歓迎 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@英語勉強中
14/02/12 19:55:19.53 .net
"Notre-Dames de Paris" (The Hunchback of Notre-Dame, by Victor Hugo)
を英訳で読むのは邪道だろうけど、すでに読んだことのあるこの小説のうちの気に入ったところを
拾い読みしてみた。Victor Hugo は、やはり天才だと再認識した。

Then frightful ideas thronged his mind. Once more he could see clearly
into his soul, and he shuddered. He thought of that unhappy
girl who had destroyed him, and whom he had destroyed. He cast a haggard
eye over the double, tortuous way which fate had caused
their two destinies to pursue up to their point of intersection, where it
had dashed them against each other without mercy. He
meditated on the folly of eternal vows, on the vanity of chastity, of science,
of religion, of virtue, on the uselessness of God.
He plunged to his heart's content in evil thoughts, and in proportion as he sank
deeper, he felt a Satanic laugh burst forth within


("Notre-Dame de Paris" by Victor Hugo, 1831)
URLリンク(www.gutenberg.org)
him.
And as he thus sifted his soul to the bottom, when he perceived how large a space nature
had prepared there for the passions, he sneered still more bitterly. He stirred up in the
depths of his heart all his hatred, all his malevolence; and, with the cold glance of a physician
who examines a patient, he recognized the fact that this malevolence was nothing but vitiated love;
that love, that source of every virtue in man, turned to horrible things in the heart of a priest,
and that a man constituted like himself, in making himself a priest, made himself a demon. Then he
laughed frightfully, and suddenly became pale again, when he considered the most sinister side of
his fatal passion, of that corrosive, venomous malignant, implacable love, which had ended only in the
gibbet for one of them and in hell for the other; condemnation for her, damnation for him.

101:名無しさん@英語勉強中
14/02/15 17:39:13.31 .net
【My Mind to me a Kingdom is】

My mind to me a kingdom is;
Such perfect joy therein I find
That it excels all other bliss
Which God or nature hath assign'd.
Though much I want that most would have,
Yet still my mind forbids to crave.

No princely port, nor wealthy store,
No force to win a victory,
No wily wit to salve a sore,
No shape to win a loving eye;
To none of these I yield as thrall,--
For why? my mind despise them all.

I see that plenty surfeit oft,
And hasty climbers soonest fall;
I see that such as are aloft
Mishap doth threaten most of all.
These get with toil and keep with fear;
Such cares my mind can never bear.

(続く)

102:名無しさん@英語勉強中
14/02/15 17:40:45.41 .net
(続き)
I press to bear no haughty sway,
I wish no more than may suffice,
I do no more than well I may,
Look, what I want my mind supplies.
Lo ! thus I triumph like a king,
My mind content with anything.

I laugh not at another's loss,
Nor grudge not at another's gain;
No worldly waves my mind can toss;
I brook that is another's bane.
I fear no foe, nor fawn on friend,
I loathe not life, nor dread mine end.

My wealth is health and perfect ease,
And conscience clear my chief defence;
I never seek by bribes to please,
Nor by desert to give offence.
Thus do I live, thus will I die,--
Would all did so as well as I!

Sir Edward Dyer
(1540 - 1607 / England)

この詩の朗読ビデオは、いくつも YouTube 上にあるけど、その中で僕が最も気に入ったものは、
ここにある。宮沢賢治の「雨にも負けず」に少し通じるところがあるかもしれない。いずれにしても、
物に動じない平常心の素晴らしさを歌った詩だ。とてもシンプルな詩だから、平凡で単調になっても
おかしくなさそうだけど、見事に歌ってくれている。

URLリンク(www.youtube.com)
"In Praise of a Contented Mind" by Edward De Vere (poetry reading)

103:名無しさん@英語勉強中
14/02/19 13:41:10.85 .net
【a spar, spars, sparring】

茅葺(かやぶき)屋根つまり thatched roof の茅(かや)を固定するために突き刺すための
棒のようなものを spar と言い、それを茅(かや)の束に突き刺すことを sparring と
言うらしい。

この言葉は、Thomas Hardy の小説にはあちこちに出てくる。"Far from the Madding Crowd"
にも何度か出てきたけど、いま読んでいる "Woodlanders" にも冒頭にさっそく出てきた。
通常の辞書を読んで訳語や解説を読んでもよくわからないけど、Google 検索して画像と共に
ある茅葺(かやぶき)つまり thatching の方法についての解説を読むと、よくわかった。

(1) spar という言葉の出てくる小説の一節

With a bill-hook in one hand and a leather glove, much too large
for her, on the other, she was making 【spars】, such as are used by
【thatchers】, with great rapidity.
("Woodlanders" by Thomas Hardy, 1887)

(2) spar を thatch(茅、かや)に突き刺して固定するプロセスについて
解説と写真を紹介しているBBCのサイト

BBC News: The Art of Thatching
URLリンク(news.bbc.co.uk)

上記の写真は一枚だけだけど、クリックしていって別の写真も見ていくと、昔はどのように
屋根の茅葺(かやぶき)を行っていたかがはっきりとわかる。とても面白いだけでなく、
昔の小説の内容を深く理解するためにもとても役立つ。

昔の小説(つまり古典)を読むことはいろんな意味で難しいけど、その一つは、
今はないような風俗習慣・風物について書いてあるときに、なかなかそのイメージが
つかみにくいことがある。インターネットのおかげで、茅葺(かやぶき)を



104:るときの spar の使い方がはっきりわかって、本当によかった。



105:名無しさん@英語勉強中
14/02/19 19:14:10.08 .net
【hollow-turnery】
「木材をろくろのようなものでぐるぐると回しながら、その中身を掘って器を作る仕事」という意味らしい。
最初にこの言葉が小説に出てきたとき、手元の「リーダーズ英和」を見ても載っていないし、
何のことなのかさっぱり見当もつかなかったが、YouTube で映像を見て、いっぺんに理解した。

(1) 【hollow-turnery】という言葉の出てくる小説の一節

Besides the itinerant journey-workers there were also present
John Upjohn, engaged in the 【hollow-turnery】 trade, who lived hard by;
("The Woodlanders" by Thomas Hardy)
URLリンク(www.gutenberg.org)

(2) 【hollower(s)】という言葉の出てくる YouTube での映像

Easy Hollowers by Easy Wood Tools (hollow turning tools)
URLリンク(www.youtube.com)


本当に、YouTube は英語学習には欠かせない。

106:名無しさん@英語勉強中
14/02/19 19:56:56.73 .net
【pitsawing, pitsaw, top-sawyer, bottom-sawyer, saw pit】

こういう言葉も小説に出てきたけど、さっぱり意味がわからない。あれこれ調べてみてわかった。

(1) 【top sawyer, bottom sawyer, saw pit】という言葉の出てくる小説の一節

old Timothy Tangs and young Timothy Tangs, 【top and bottom sawyers】,
at work in Mr. Melbury's 【pit】 outside;
("The Woodlanders" by Thomas Hardy, 1887)

(2) これらの言葉を理解するための絵

URLリンク(www.dorchesteratheneum.org)

こういう絵やビデオは、ネット上にたくさんある。この絵に出てくるように、大きな木材を切る(挽く)
ために地中に掘った穴のことを saw pit と呼ぶ。日本語では「木挽き穴」と言うらしい。
そして二人の男がペアになって大きなのこぎりを上下に挽くのだが、上にいる男を
top sawyer と言い、下の男を bottom sawyer って言うそうだ。そしてこのような穴を掘って
木を切ることを pitsawing と言うそうだ。

それはともかく、Thomas Hardy のこの "The Woodlanders" という小説は、その題名の示す
通り、森の中で林業に従事する人々を描いた作品だけど、実にこまめに彼らの生活を描いている。
とても面白いんだけど、一つ一つの知らない単語を辞書で引いても、見たことも聞いたこともない
ことが書かれているために辞書を引くだけではイメージがつかめず、あちこちとネット上を
うろつくことになる。さらにこの小説を読み始める前に、YouTube 上で僕はすでに
"The Woodlanders" の映画化作品を見てある。そうでもしないと、とてもじゃないけど
このような作品は読み続けられない。

107:名無しさん@英語勉強中
14/02/20 13:09:40.30 .net
【Young pines are sorry to begin life】

Thomas Hardy は、小説を書くことよりも詩を書くことの方をはるかに大切にしていた。
だから、ある程度まで小説を書いて有名になったあとは、まったく小説を書かなくなり、
あとは死ぬまで詩を書くことに専念した。

それくらいに詩を大切にしていただけあって、彼の書く小説は、実に poetical だ。
どの小説を読んでいてもそれは感じられる。

次に紹介する一節では、森に住む Marty という19歳くらいの女の子が幼友達の Giles という
男と一緒に松の苗を植える作業をしながらつぶやく言葉だ。松の苗を植えた直後に、苗は必ず
ため息をつく、と Marty は言う。もちろん Giles にはそんなため息は聞こえない。
松の苗がため息をつくのは、これから生きていかないといけないのが悲しくてたまらないからだ、
と Marty は言う。そのような松の苗の思いは、人間の思いと同じだという。

"It seems to me," the girl continued, "as if they sigh because
they are very sorry to begin life in earnest―just as we be."

("The Woodlanders" by Thomas Hardy, 1887)
URLリンク(www.gutenberg.org)

108:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 1


109:0:20:54.14 .net



110:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 11:41:45.97 .net
【hang-fair】(公開処刑)

hang-fair っていう単語が小説に出てきた。もしかして「何かをぶら下げて見せる fair」だから、
食肉をぶら下げて販売する fair のことかな、と思ったら、実は方言で、むかし行われていた「公開処刑」のこと
らしい。

Ancient days, when there was battles and famines and 【hang-fairs】
and other pomps, seem to me as yesterday.

("The Woodlanders" by Thomas Hardy, 1887)
URLリンク(www.gutenberg.org)

【hang-fair】
now dialectal, England
: a public execution
<come to attend the hang-fair next day ― Thomas Hardy>
(Merriam-Webster Unabridged)

111:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 11:52:08.86 .net
【hang-fair】という単語を OED で確かめてみる。それにしても、たかが19世紀後半の文学小説
を読んでいるだけなのに、僕にわからない単語がじゃんじゃん出てくるので、現代の軽いアメリカ小説
を読んでいるときのようにスイスイと読もうとすると途端にストーリーさえつかめなくなる。
確かに方言が頻発するし、話題も 150年前のイギリスの田舎特有のものなので馴染みにくいとはいえ、
この程度の英語さえ読むのに苦労するとは、本当に情けない。こんな調子では、Shakespeare だったら、
一行一行を熟読しようとしたらどれくらい時間がかかるだろうか。一冊一冊をじっくり読んでいる暇などない。
19世紀から昔にさかのぼって、18世紀、17世紀、そして Shakespeare や Chaucer、そして
できれば Old English の時代にまでさかのぼって、日本語訳の助けを借りないで1,000冊から
2,000冊くらいの古典を読破したいという野望を果たすことなんて、頭の悪い僕などに果たしてできるのだろうか、
と思いながらも、ささやかな(無駄とも思える)努力を続けるのである。

きわめて残念なことに、【hang-fair】については、OED にさえわずかしか載っていない。

【hang-fair】 n. (see quot. 1811).
1811 Southey in Q. Rev. 6 283 Regarding an execution as a holiday,
which..they call 【hang-fair】.

(OED Online)

112:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 12:17:06.73 .net
【hang-fair】が「公開処刑」という意味だと思ってたけど、違ってた。正確には、
「公開処刑のときに、その脇で開かれる fair」のことだった。

hang-fair については、OED にさえあまり詳しい解説はなく、さらには Wikipedia にも
解説はまったくなく、ネット上にもわずかにしか情報がない。そのわずかな情報のうちの一部を
ここに書き出してみる。(コピーペーストできないので、いちいちタイピングしてみる。)

87c
【Going to Hang-fair】 --- Three young men of Bridport walk to
Dor. (= Dorset?) to see man hanged, & steal money from warehouse of sack
manuf*** (字が小さくて読めないが、たぶん manufacturers と書いてあるのだろう) to
pay expenses. A great deal of it is in copper, & they bury it.

Source: DCC, 31 July 1828, p.3, col. 2
Note: 【Hang-fair】: a fair held at a time of a public execution.
in 'The Withered Arm', Gertrude Lodge is thought to come to Caserbridge
for 'hang-fair' (CS, 66), see also 'The Woodlanders (Woodlanders, 1985, 57).
Three young men. . . steal money: one man was given 14 years, the other
two were given seven years' transportation each.

(Thomas Hardy's "Facts" Notebook)
URLリンク(books.google.co.jp)

上記に引用した一節は、"hang-fair" についての情報だけど、Thomas Hardy 自身が
小説(特に "The Mayor of Casterbridge")を書くにあたって必要な情報を
地元(Dorset, England)で発行されているローカルな新聞などから集めてコマメに
書き込んで作った notebook を、のちに出版したものからの引用だ。

113:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 12:58:57.03 .net
>>103 で引用した一節は、Thomas Hardy’s ‘Facts’ Notebook という本からの引用だけど、
すでに言ったようにこれは、Thomas Hardy 自身が古い新聞をこまめに読んで、そこから地元の
昔の事件について細かく取材したものだ。彼自身は 1840年生まれだけど、>>103 で引用した
新聞は 1828年のものだと書いてある。つまり、彼が生まれる12年前の古いものだ。

さらに、ここに書いてある事件そのものはたわいないものだけど、その時代背景を紐解くと、とても
面白い。まずこの 1828年に、若者たちが Dorset の Bridport という market town に
行き、そこで hang-fair つまり「公開処刑が行われたときに、その脇で開かれた fair」で
いろんなものを買うための金を盗んだということだ。

つまり、1828年のイギリスでは、まだ「公開処刑」(a public execution) が行われていたということだ。
さらに、若者たちが見物したこの公開処刑の開催地は Bridport, Dorset だけど、Bridport
というのは、中世からずっと縄や網を生産する有名な土地柄だったそうだ。公開処刑を行うにあたっては、
絞首刑のための縄が欠かせないので、そういう縄を線産する土地を公開処刑の場所として選んで
いるところも面白い。
[
ともかく、Thomas Hardy の小説を読んでいると、中世にまでさかのぼれるような
イギリスの田舎の昔の風物について思いを馳せることができるので、とても面白い。しかし、
小説を読みながら、一つ一つの単語が意味する 150年前あるいはそれ以上も前のイギリスの
田舎の風物や歴史をたどらないといけないので、難しくて面倒だともいえる。

114:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 13:04:24.27 .net
>>103 で引用した本については、
URLリンク(www.ashgate.com)
にて詳しく紹介されている。その中で特に面白い部分を引用する。特に僕の注意を強く引きつけた
語句には【 】というマークをつけておく。

From his intensive study of the 【Dorset County Chronicle for 1826-1830】,
he noted and summarised into 'Facts' (with the help of his first wife, Emma)
hundreds of reports, many of them suggestive 'satires of
circumstance', for possible use in his fiction and poems.

Along with extensive reading in memoirs and local histories, this
immersion in the files of the old newspaper involved him in a wider
experience - the recovery and recognition of 【the unstable culture of
the local past in the post-Napoleonic war years】 before his birth in
1840, and 【before the impact of the modernising of the Victorian era】.

(Thomas Hardy’s ‘Facts’ Notebook についての紹介文)
URLリンク(www.ashgate.com)

115:名無しさん@英語勉強中
14/02/22 13:10:16.67 .net
>>103 で引用した新聞記事に出てくる【Bridport, Dorset】という町は、England の
Dorset の南西の端にある。この町についての Wikipedia の記事も面白い。特に面白かった
部分を引用する。下に引用する文章にもあるとおり、Dorset という地域は、古代から中世、そして
現代へとつながる歴史の香りを感じさせるとても面白い地域だ。そういう歴史性や地域性を深く
Thomas Hardy は愛して、地元の独自性を強く感じさせる小説群を書きつづけたのだ。

Bridport's origins are Saxon. During the reign of King Alfred it
became one of the four most important settlements in Dorset―the other
three being Dorchester, Shaftesbury and Wareham―with the construction
of fortifications and establishment of a mint.[1] In 1086 the
Domesday Book recorded that the town had 120 houses during Edward
the Confessor's reign. In 1253 the town was awarded its first Charter
by Henry III.[2]

Since the Middle Ages Bridport has been associated with the production
of rope and nets.[3] The raw materials for this industry, flax and
hemp, used to be grown in the surrounding countryside, though they
were superseded in modern times by artificial fibres such as nylon.[4]
Bridport's main street is particularly wide due to it previously
having been used to dry the ropes, after they had been spun in long
gardens behind the houses.[3] Ropes for gallows used to be made in
the town, hence the phrase "stabbed with a Bridport dagger" being
used to describe a hanging.[5][6]

(England の Dorset にある Bridport という町の歴史についての Wikipedia の記事より)
URLリンク(en.wikipedia.org)

116:名無しさん@英語勉強中
14/02/26 06:45:13.81 .net
【on tenterhooks】(やきもきして)

"on tenterhooks" というのは「やきもきして」という意味だそうだけど、これをこのまま暗記しようとしても、
僕にはなかなか覚えられない。覚えてもすぐに忘れる。だから仕方なく語源を探る。すると、
歴史の中で言葉が形成される過程が伺えて、とても面白い。

URLリンク(www.phrases.org.uk)

上記のページにある解説を読むと、図までついていて、すぐにこの言葉の語源がわかる。
簡単にいうと、100年前までは、(たとえばイギリス北部では)織物を製造したあとに
それを乾かすときに、そのまま乾かすと縮んでしまうので、木でできた枠のようなものに
釘をたくさん打ち付けてある tenter というものに張り付けていた。この tenter
という木製の枠組みの上に打ち付けてある釘のことを tenterhook(s) と言っていた
のだそうだ。そしてこのような tenter を置いてある場所のことを tenter field
と言っていたとのことだ。昔のイギリスにとっては繊維や織物や畜産や農業は欠かせないものだ
ったから、そういう産業から派生した単語を使った日常的な慣用句はたくさん生まれたに違いない。

117:名無しさん@英語勉強中
14/02/26 06:51:53.93 .net
【on tenterhooks】(やきもきして)という言葉をさっき取り上げたけど、この熟語に出っくわしたのは、
いま読んでいる小説の中の次のような一節の中でのことだ。この小説は19世紀後半に書かれたものな
ので、そのころはまだ tenterhooks に織物をかけて


118:乾かす光景はごくありふれたものだったのだろう。 He felt quite sure that his old friend was simply 【on tenterhooks】 of anxiety to repair the almost irreparable error of dividing two whom Nature had striven to join together in earlier days, and that in his ardor to do this he was oblivious of formalities. ("The Woodlanders" by Thomas Hardy, 1887) http://www.gutenberg.org/files/482/482-h/482-h.htm



119:名無しさん@英語勉強中
14/02/27 16:36:58.49 .net
Thomas Hardy の "The Woodlanders"(森の住民)を、たった今、読み終わった。
1887年の作品。Hardy の文章は、読みやすくて辞書なしにすいすい読めるところも
たくさんある。たとえば、"Tess of the d'Urbervilles"(テス)は、けっこう読みやすかった
ように思う。"Jude the Obscure"(日陰者ジュード)もけっこう読みやすかった。

でも、19世紀のイギリスの田舎の農民の生活を細かく描いていて、その当時の社会の情勢を
織り交ぜていて、そういう解説の部分をきちんと理解して味わおうと思ったら、その時代背景を
歴史の本などを参照しないといけなかったし、農機具の細かい説明や農業や牧畜の仕方などに
ついての単語についても、一つ一つ辞書で確かめ、YouTube でのビデオや写真を活用したり
してじっくり調べていくのは楽しかったとはいえ、そんなことばかりしていると小説を読むスピードが
ものすごく遅くなり、なかなか一つの長編作品を最後まで読むのは大変だと感じた。

もちろん、そういう農業や畜産や歴史事情などはすっ飛ばして読んでもよかったのだろうが、
そうすると古典を読む楽しみが半減どころか4分の1くらいに減ってしまう。さらには、わからない
単語を飛ばしながら読んでいくと、ついには荒筋さえわからなくなってしまう。
(あくまで俺の場合はそうだった、ということだけど。)

というわけで、現代のアメリカ小説(特に娯楽小説)を読むときとはまるで違って、
辞書、Wikipedia、百科事典、OED、YouTube、語源辞典などを引きまくりながら
Thomas Hardy の主要な長編小説として、この数か月のあいだに、次に掲げる6作品を読み終わった。

(1) Far from the Madding Crowd(狂った群衆を離れて)
(2) The Mayor of Casterbridge
(3) Tess of the d'Urbervilles(テス)
(4) Jude the Obscure(日陰者ジュード)
(5) The Woodlanders(森の住民)
(6) The Return of the Native(帰郷)

120:名無しさん@英語勉強中
14/02/27 17:01:46.53 .net
アマゾンで調べてみると、Thomas Hardy って、かなり邦訳が出回っている。特に最近、
「ハーディ全集」がどんどん刊行されつつある。ただし、一冊一冊がものすごく高い。
たったの400ページほどの本が、一冊当たり 7,500円ほどもする。
原書ならば著作権が切れているので、ネット上では無料。さらに、ペンギンブックスなどでは
一作品が(分厚いものでも)1,000円から1,300円くらいで買える。さらには、僕が
愛用している Everyman's Library という布のハードカバーによる本でも、一作品が
500ページ前後もあって、紙の質もかなりいいのに、1,600円くらいで買えた。
布で覆われた「ハードカバー」の本で、しかも中の紙の束が糸で縫ってある。
それなのに2,000円以下とは、本当に安い。僕はこの Everyman's Library のシリーズが
大好きで、ついつい買いだめしてしまう。読めもしない本もどんどん買ってしまう。
古典作品ばかりだ。

Everyman's Library のウェブサイト
URLリンク(www.randomhouse.com)

121:名無しさん@英語勉強中
14/02/27 17:02:18.34 .net
(続き)
(1) Far from the Madding Crowd(狂った群衆を離れて)
Everyman's Library では 434 ページ。

(2) The Mayor of Casterbridge (キャスタブリッジの町長)
Everyman 354 pages。
和訳ハーディ全集では、429ページ。

(3) Tess of the d'Urbervilles(テス)
Everyman 46


122:4 pages。 岩波では 395 ページ + 300 ページ = 695 ページ 和訳のハーディ全集では、447ページ。 (4) Jude the Obscure(日陰者ジュード) Everyman 510 pages。 岩波では 228 + 235 + 299 = 762 ページ ハーディ全集(和訳)では、456ページ。 (5) The Woodlanders(森の住民) Everyman 411 pages。 (6) The Return of the Native(帰郷) Everyman 489 pages。 和訳のハーディ全集では、423ページ。



123:名無しさん@英語勉強中
14/02/27 17:32:06.57 .net
【Thomas Hardy】

長編6本を読み終わった感想。Thomas Hardy は、薬でたとえれば漢方薬みたいな感じ。最初は、なんとなくパッとしない
感じの、淡々とした語り口で、平凡な出来事が続く。Dostoevsky みたいにドアアッと
来るような激しい大事件が起こるわけでもなく、登場人物が饒舌に大思想を語るわけでもなく、
激しく熱烈な感情を打ちふるわせるわけでもない。微妙な感情を長いあいだくすぶらせて、
しっとりと落ち着いた文体で淡々と語っていくというタイプの作家だという感じがする。

たったいま "The Woodlanders"(森の住民)を読み終わったのだが、大事件がちっとも
起こらないし、苦悩や悲哀もほどほどで、さほど激烈なわけでもないので、僕としては
英文で読むのは苦しいのに無理やりに長編を最後まで読み通すのは苦労したのだけど、
最後まで読み終えて、本当によかった。

この物語の中ではまるで目立たない Marty South という
18歳から20歳くらいまでの女性が、最終幕の主役となる。容姿もパッとしない、大した教育も受けていない
田舎者の林業従事者で、片思いの相手の男性 (Giles) をいつまでも想い続ける。
Giles は Grace と愛し合う。Grace の父親は、教養のない田舎者の自分をいつも恥じていて、
娘の Grace にはそんな思いをさせたくない。だから娘を遠くの町の上品な寄宿学校に入れて、
何年ものあいだ、莫大な金を費やして高い教育と高い気品を身に付けさせる。父親の
意向に合わせて、貴族出身の医者である Fitzpiers と結婚してしまう。しかし、
皮肉なことに、Fitzpiers は、ドイツで医学生だったころに知り合って深く愛した
女性である Charmond に出会ってしまう。そして二人は、不倫の恋に走らざるを得なくなる。

124:名無しさん@英語勉強中
14/02/27 17:34:49.98 .net
(続き)

いろいろと紆余曲折して、いろんなことが起こるが、ともかく Giles は Grace のために、
あるとき命を賭ける。その結果、Giles は病死してしまう。悲嘆に暮れる Grace は
Giles こそ本当に自分を愛してくれた大事な人だったと悟る。

しかし、医学生のときに深く愛してしまったけれども相手との間を引き裂かれて音信不通に
なってしまった相手の女性である Charmond を殺されてしまったあと、
Grace の法律上の夫である Fitzpiers が改心して、Grace のもとに戻ってきて、
寄りを戻したいと申し出る。

Grace はついに夫を受け入れる。その結果、Grace は Giles から少し心が離れることになる。
そんな Grace を見ながら、死んだ Giles の墓に忠実に通い続ける Marty は、
最終幕にて、「私はあなた (Giles) に片思いしてるだけだけど、私はどんなことがあっても
あなたを忘れないわよ」というような意味のことを言う。最終幕で Marty が片思いの相手である
Giles の墓の前でつぶやくのが、次の言葉だ。

"Now, my own, own love," she whisp


125:ered, "you are mine, and on'y mine; for she has forgot 'ee at last, although for her you died. But I―whenever I get up I'll think of 'ee, and whenever I lie down I'll think of 'ee. Whenever I plant the young larches I'll think that none can plant as you planted; and whenever I split a gad, and whenever I turn the cider-wring, I'll say none could do it like you. If ever I forget your name, let me forget home and Heaven!―But no, no, my love, I never can forget 'ee; for you was a GOOD man, and did good things!" ("The Woodlanders" by Thomas Hardy, 1887)



126:名無しさん@英語勉強中
14/02/28 07:12:15.69 .net
【Wuthering Heights の冒頭付近】

"Wuthering Heights" の冒頭付近を、いま読んでいる。小説の舞台は 1801年。このころの
イギリスでの初対面の挨拶の文面を読んでいると、現代に比べてかなり回りくどい言い方をして
いるんだろうな、と感じる。日本人の表現はきわめて回りくどく遠慮し過ぎだと言われるけど、
少なくともこの時代のこの小説での登場人物の物の言い方を読んでいる限りでは、現代の日本人と
それほど違いはないと感じる。

この小説の冒頭付近では、小説の語り手である人間嫌いの Mr. Lockwood が1801年にロンドンから
イングランド北部の(おそらくは Yorkshire の)heather の生えた荒野(moor)のすぐ
脇にある家を借りて住むことにした。そしてこの Lockwood が、家主である(そしてこの
小説の主人公である)Heathcliff の家に行って挨拶するところである。

I do myself the honour of calling as soon as possible after my arrival,
to express the hope that I have not inconvenienced you by my perseverance
in soliciting the occupation of Thrushcross Grange:

("Wuthering Heights", 冒頭付近)
URLリンク(www.gutenberg.org)

127:名無しさん@英語勉強中
14/02/28 11:09:03.88 .net
【likeness】(「写真」や「肖像画」という意味での likeness)

likeness という言葉は、19世紀までは「肖像画」という意味で大いに使われていたように
思える。僕はまだ古い小説をたくさん読んできたわけではないけど、19世紀の小説を読んでると、
そんな感じがしてくる。Jane Austen の "Emma" に「肖像画」という意味での likeness
が頻繁に出てくるので、ここにその例文を列挙してみる。

(1) "Did you ever have your 【likeness】 taken, Harriet?" said she: "did you ever sit for your picture?"
(2) What an exquisite possession a good picture of her would be!
I would give any money for it. I almost long to attempt her 【likeness】 myself.
(3) (上記の2の直後に来る文章)You do not know it I dare say, but two or
three years ago I had a great passion for taking 【likenesses】,
and attempted several of my friends,
(4) Yes, good man!―thought Emma―but what has all that to do with taking 【likenesses】?
(5) Harriet's features are very delicate, which makes a 【likeness】 difficult;
(6) 【A likeness】 pleases every body;
(7) I should have made a good 【likeness】 of her, if she would have sat
longer, but she was in such a hurry to have me draw her four children that she would not be quiet.
(8) but there is no making children of three or four years old stand
still you know; nor can it be very easy to take any 【likeness】 of them,
(9) I took him as he was sleeping on the sofa


128:, and it is as strong a 【likeness】 of his cockade as you would wish to see. (10) This did not want much of being finished, when I put it away in a pet, and vowed I would never take another 【likeness】. (11) for after all my pains, and when I had really made a very good 【likeness】 of it



129:名無しさん@英語勉強中
14/02/28 11:10:54.33 .net
(12) and so I never would finish it, to have it apologised over as
an unfavourable 【likeness】, to every morning visitor in Brunswick Square;
(13) There was no being displeased with such an encourager, for his
admiration made him discern a 【likeness】 almost before it was possible.
(14) There was no want of 【likeness】,
(15) It appears to me a most perfect resemblance in every feature.
I never saw such a 【likeness】 in my life.
(16) Oh, it is most admirable! I cannot keep my eyes from it.
I never saw such a 【likeness】.
(17) But between us, I am convinced there never can be any 【likeness】, except in being unmarried.
(この17だけは、「肖像画」という意味ではなく、「類似点」という意味みたいだ。)
(18) Jane, do you know I always fancy Mr. Dixon like Mr. John
Knightley. I mean in person―tall, and with that sort of look―and not
very talkative." "Quite wrong, my dear aunt; there is no 【likeness】 at all."
(この18も、「類似点」という意味。)

130:名無しさん@英語勉強中
14/02/28 11:12:05.93 .net
(19) The very first subject after being seated was Maple Grove,
"My brother Mr. Suckling's seat;"―a comparison of Hartfield
to Maple Grove. The grounds of Hartfield were small, but neat and
pretty; and the house was modern and well-built. Mrs. Elton seemed
most favourably impressed by the size of the room, the entrance,
and all that she could see or imagine. "Very like Maple Grove indeed!
―She was quite struck by the 【likeness】!―That room was the very shape
and size of the morning-room at Maple Grove;
(この19も、「類似点」。)
(20) But for that reason, I should imagine the 【likeness】 must be
chiefly confined to the females, for boys have very little teaching
after an early age, and scramble into any hand they can get.
(この20も、「類似点」。)
(21) "Yes," said his brother hesitatingly, "there is a 【likeness】. I know what you mean―but Emma's hand is the strongest."
(22) I think there is a little 【likeness】 between us.(22も、「類似点」。)
(23) "there is a 【likeness】 in our destiny; the destiny which bids
fair to connect us with two characters so much superior to our own."

("Emma" by Jane Austen, 1815)
URLリンク(www.gutenberg.org)

上に挙げたように、"Emma" という作品には likeness という言葉が23回出てくるが、
その約半分は「肖像画」という意味で、それからあとの半分は「類似点」という意味で使っている。

131:名無しさん@英語勉強中
14/02/28 21:20:49.06 .net
【sunset-gun】

まったく知らなかったが、昔のイギリスでは、日没のときに銃を撃つという習慣があったらしい。

sunset-gun n. a gun fired at sunset.

1840 H. D. Thoreau Jrnl. 16 June (1981) I. 129
To hear..the bittern begin to boom from his concealed fort―like a 【sunset gun】!

1861 Dickens Great Expectations I. ii. 25
There was a conwict off last night..after 【sunset-gun】.

(OED Online)

このような【sunset-gun】という言葉は、Charles Dickens の本を読んでいて知った。

"There was a conwict off last night," said Joe, aloud,
"after 【sunset-gun】. A


132:nd they fired warning of him. And now it appears they're firing warning of another." ("Great Expectations" by Charles Dickens, 1861) http://www.gutenberg.org/files/1400/1400-h/1400-h.htm



133:名無しさん@英語勉強中
14/03/04 11:22:36.29 .net
Charles Dickens の "Great Expectations"(大いなる遺産)を原文で読むスレ
スレリンク(book板)l50

134:名無しさん@英語勉強中
14/03/05 11:29:49.76 .net
【preposterous】(非常識な、不合理な、ばかげた)

この言葉は何度も出てくるので、文脈から考えれば悪い意味だということはわかってきたとはいえ、
いまだに正確な意味が覚えられない。何度も辞書を引いて意味を確かめたのに、それでも忘れ
続ける。僕はかなりの歳なので、記憶力がガクンと落ちている。第一、中学生のときでさえ僕は
記憶力がさほどよくはなかった。英単語を一つ覚えるために、100回から200回くらい、
大声で読みながら書かねば覚えられなかった。teacher とか student などという、中学1年生
のときの単語も、そのようにして覚えた。

中学生のときでさえその有様だから、高齢者一歩手前の今は、悲惨だ。でも負けるわけにはいかぬ。
preposterous という単語の意味を、何度も辞書を引いたのに、それでも忘れている。今度こそ
覚えねばならぬ。だから、OED などから助けてもらいながら、今日こそこの単語の意味を正確に
覚えることにする。なお、この単語も Charles Dickens の "Great Expectations"
(大いなる遺産)を読んでいるときに出てきたものだ。

【preposterous】
a : contrary to nature, reason, or common sense : absurd, nonsensical
<so many seemingly incredible and 【preposterous】 things were true nevertheless ― Ellen Glasgow>
b : ridiculous in appearance or manner : grotesque
<false nose and 【preposterous】 spectacles ― Eric Keown>
<uses its 【preposterous】 Elizabethan collar as a storehouse for food ― Bill Beatty>
2
: having or placing something first that should be last
<an infuriating book … a 【preposterous】 one in inverting with absolute conviction a comfortable and rarely questioned order of values ― Times Literary Supplement>

(Webster Unabridged Online より)

135:名無しさん@英語勉強中
14/03/05 11:43:21.82 .net
【preposterous の語源】

Etymology: < classical Latin 【praeposterus】 placed in the wrong order,
inverted, unseasonable, wrong-headed, perverse
( < 【prae- pre-】 prefix + 【posterus】 later, next: see postero- comb. form)
+ -ous suffix. Compare Middle French prepostere placed in a wrong
and unjust order (1462; French †prépostère disordered
(1611 in Cotgrave)), Italian prepostero placed in the wrong order (a1498).

(OED Online)

というわけで、preposterous(ばかげた、不合理な)という単語は、もともとラテン語では
praeposterus と言っており、この単語はさらに、prae + posterus と分解でき、
prae (pre) は before という意味であり、posterus は following(そのあとの、という意味)
という意味である。だから、この二つをくっつけた praeposterus は「前と後ろ」とでも言えそうな意味に
なるけど、そこから「前後を逆にした、あべこべの」という意味になったらしい。そのようなラテン語を
そのまま preposterous という英単語としてイギリス人は導入したが、本来の「あべこべの」という
意味はほとんどすたれて、今ではそこから派生した「ばかげた、不合理な」という意味だけが残った。

以上のような、実に回りくどい語源探索と意味の変遷についての推察をしてはじめて、僕はこの
preposterous(ばかげた、不合理な)という単語を、今こそ覚えることができたと思う。

136:名無しさん@英語勉強中
14/03/08 17:27:15.53 .net
【There was Convict】(本来なら countable noun である Convict が無冠詞)

Charles Dickens の "Great Expectations" に出てくる一節で、文法的に面白いところが
あったので、ここで覚え書きとしてメモしておこう。

. . . from head to foot 【there was Convict】 in the very grain of the man.

["Great Expectations," Charles Dickens, Chapter XL (40), 1861]

この一節の背後にある文脈を説明すると、ロンドンにて gentleman になるための修業を
している主人公の Pip のところに、少年時代に出会った例の convict である男が
訪ねてきたときのこと。その男が警察につかまってしまうと死刑になるので、Pip は
一生懸命に男に仮装させようとするのだが、どうやっても男は例の囚人にしか見えない。
そこでこの一節では、
「頭からつま先に至るまで、男の筋そのものに囚人の雰囲気が染みついているのだ」
というような意味のことが書かれている。この「囚人の雰囲気」とでも訳せそうな言葉として
Convict という無冠詞の名詞が使われているのだ。

このような無冠詞の Convict は、無冠詞の材料名詞とよく似た使われ方をしている、という
ような説明を文法家はしているはずだ。たとえば
The desk is made of wood.
という場合の wood とよく似た使い方だ。このような "There was Convict. . . ." という
言い回しによく似た例として、他にはたとえば、次のようなものがある。

There was cat all over in the room.
(部屋じゅう、猫の気配がたちこめていた)

確かそのような無冠詞の cat を使った例文が、Mark Petersen の書いた岩波文庫の
「日本人の英語」という本の中にあったと思う。

137:名無しさん@英語勉強中
14/03/09 06:06:14.67 .net
【David Copperfield】

My meaning simply is,
that whatever I have tried to do in life,
I have tried with all my heart to do well;
that whatever I have devoted myself to,
I have devoted myself to completely;

["David Copperfield," Charles Dickens, Chapter XLII (42), 1850]

"David Copperfield" のこの Chapter 42 の冒頭の1ページほどでは、愛する Dora や
その叔母たちのために真剣に働く主人公 David の意気込みを描いているが、いま読んでみても
やはり感動する。

この小説は Everyman's Library で 900ページほどもあり、日本語版の
文庫版だと 2,000ページくらいある長大な作品だけど、Charles Dickens の作品の中では
実に読みやすい方だろうと思う。Charles Dickens の作品と彼自身の生きざまに、僕は
ますます引かれていく。彼の作品をすべて読み、伝記も読んでいきたいと思っている。

138:名無しさん@英語勉強中
14/03/09 06:18:33.78 .net
【What wind blows you here?】(どういう風の吹き回しで、ここに来たの?)

びっくりした。日本語の「どういう風の吹き回し?」とそっくりな言い回しが英文小説の中に
出てきた。この英語表現こそが起源であり、日本語の言い回しはそれを真似てできたのだろうけど、
もしそうだとしたら、実にうまい日本語訳だし、日本人はそれを翻訳後の表現だと意識しないで
日本語の中に完全に定着してしまっているではないか。全20巻の小学館「日本語大辞典」には
語源についてどう書いてるのか僕は知らないけど。

【"And what wind," said Miss Havisham, "blows you here, Pip?"】

["Great Expectations," Charles Dickens, Chapter XLIV (44)の冒頭付近, 1861]

139:名無しさん@英語勉強中
14/03/09 18:47:31.84 .net
【David Copperfield の恋】

She was more than human to me. 【She was a Fairy, a Sylph,】
I don't know what she was―anything that no one ever saw,
and everything that everybody ever wanted. I was swallowed up
in an abyss of love in an instant. There was no pausing on the brink;
no looking down, or looking back; I was gone, headlong,
before I had sense to say a word to her.

("David Copperfield," Charles Dickens)

140:名無しさん@英語勉強中
14/03/09 19:30:46.35 .net
【be warm for [something]】(~に熱心である)
(17、18世紀においてよく使われた表現、現代では稀)

上記のような意味での warm が、19世紀あたりの小説にはよく出てくる。Charles Dickens も
よくこういう表現を使っている。

My father (Charles Dickens の父親) said I (Charles Dickens 自身のこと)
should go back no more, and should go to school.
I do not write resentfully or angrily; for I know how all these
things have worked together to make me what I am; but I never
afterwards forgot, I never shall forget,[69] I never can forget,
that my mother 【was warm for】 my being sent back.

("The Life of Charles Dickens," John Forster, 1874)
URLリンク(www.gutenberg.org)

上記の一節は、次のような状況のことを言っている。つまり、Dickens が12歳くらいのときに、
父親が借金のせいで投獄されたが、
それに伴って母親やきょうだいたちも父親と共に牢屋で暮らしたのだが、Charles だけは
稼ぎ手として大切だというわけで、一人住まいしながら靴墨工場で2年近く働かされた。

父親が何とか金をかき集めて借金を返せることになったので、家族みんなは出獄できることになった。
父親は Charles が工場での労働をやめて学校に行くことを奨めたが、母親は、家族みんなのために
金が必要なので Charles には工場での仕事をやめてほしくないと言った。母親の意向により、
Charles はそのあとさらに10か月も工場で働くことになったのだ。これは、彼が12歳のときの
ことだ。

上記の Charles 自身の回想文では、
「親に恨みはない。あの工場労働のおかげで今の私があるのだ。しかし母親が私を工場に戻す
ことに熱心だった (was warm for) ということは、そのあとも決して忘れることはなかった」
と書いている。

141:名無しさん@英語勉強中
14/03/09 19:35:49.61 .net
>>126 で紹介した「熱心な」という意味での warm については、OED にも詳しく書いているが、
例文は煩雑なのでここでは列挙せず、OED による定義文だけをここに引用する。

【warm】
10.
a. Of persons, party-feeling, controversy, etc.:
Ardent, zealous, keen; eager, excited, heated. 【Const. for, upon.】
Very common in the 17th and 18th c.; now somewhat rare.

(OED Online)

142:名無しさん@英語勉強中
14/03/10 10:41:57.77 .net
【nigh】(= near, almost という意味の古語、詩的な単語、方言)

Charles Dickens を読んでると、"near, almost" という意味での nigh という単語が
頻繁に出てくる。ここで、この言葉の意味と語源をしっかり覚えておきたいと思う。

***************
【nigh】
比較級 nigher, 最上級 nighest; 古語では比較級が near、最上級が next
nigh on perfect (= almost perfect)
nigh on ten years (- about ten years)
[Old English, ne(a)h; cf. near, next, neighbor, German (nahe)]

(リーダーズ英和、第3版の解説をアレンジした。)

143:名無しさん@英語勉強中
14/03/10 10:48:44.22 .net
【nigh】(= near, almost)
次は、OED による、nigh という単語が歴史的にどのように形態変化してきたかについてのデータ
(Forms) を示す。きわめて煩雑だけど、ざあっと見て、「ああ、いろんなふうに変化してきたんだな」
と思えばいいと、今の段階では考えている。

Forms:
α. OE neag (rare), OE–eME neah, OE (Anglian)–eME neh, eME næh, eME næhi (transmission error),
eME naȝen (rare: see note below), eME nech, eME neg, eME neȝen (rare: see note below), eME negȝ,
eME negȝene (rare: see note below), eME nehg, eME nehh ( Ormulum), eME nehi (transmission error),
eME neþ, ME ne, ME neeȝ, ME neegh, ME neeȝh, ME neȝ, ME neȝe, ME neȝgh, ME negh, ME neȝh, ME neghe,
ME neght, ME–15 nee, 17–18 neeghe (Irish English); Sc. pre-17 na (transmission error), pre-17 ne;
Eng. regional (north. and midl.) 18– nee, 18– neegh; N.E.D. (1907) also records forms eME neȝt, eME neoh.

(続く)

144:名無しさん@英語勉強中
14/03/10 10:49:29.05 .net
【nigh という単語の、歴史的な形態的変化】(続き)

β. OE (rare)–ME nih, lOE nihg (rare), eME nieh, ME nieȝ, ME niegh, ME niȝ, ME niȝe, ME nught, ME nyeȝ, ME nyegh,
ME nyeghe, ME nyȝ, ME nyȝe, ME nyȝgh, ME nyȝghe, ME nyȝh, ME nyȝhe, ME nyȝht, ME nyh, ME nyhe, ME nyhgh, ME nyth,
ME–15 nighe, ME–15 nyghe, ME–15 nyght, ME–15 nythe, ME–16 ny, ME–16 nye, ME–16 nygh, ME– nigh, 15 nige, 15 nygghe,
15–16 nie, 18 ni (U.S. regional); Eng. regional (south. and midl.) 18 nye, 18– nier (comparative), 18– nire (comparative);
Sc. pre-17 nie, pre-17 nye, pre-17 nyghe, pre-17 17– nigh.

γ. ME nei, ME neich, ME neiȝ, ME neiȝe, ME neiȝh, ME neighe, ME neiȝhe, ME neih, ME neiþ, ME neith, ME neyȝ, ME neyȝe,
ME neyȝghe, ME neygh, ME neyght, ME neyȝt, ME neyh, ME (17 N. Amer.) neigh, ME–15 ney, ME–15 neye, ME–15 neyhe, 15 neight;
Sc. pre-17 ney, pre-17 neye, pre-17 17–18 nei; Eng. regional 17–18 neigh, 17– nei; N.E.D. (1907) also records forms ME neie, ME neythe.

δ. Eng. regional 18 naigh (Devon), 18– noigh (Leics.).

(OED Online)

145:名無しさん@英語勉強中
14/03/10 10:56:22.88 .net
【nigh】の語源(OEDの語源欄)

nigh というような、英語の中に古くからある言葉については、さすがに印欧祖語にまで遡れるので、
OED においては実にたくさんの語源情報が盛り込まれている。あまりに膨大なので、ここでは
そのうちのごく一部だけを引用する。

Etymology: Cognate with Old Frisian nēi , nī (West Frisian nei ),
Middle Dutch nā (Dutch na ), Old Saxon nāh , nā (Middle Low German nā , nae , nāch ),
【Old High German nāh , nā】 (Middle High German nāch , nā , nāhe ,
【German (adjective) nah , nahe】 , (adverb and preposition) nach , now only in sense ‘after, to, towards’),
Old Icelandic ná- (only in compounds, as nábúi neighbour, nákominn closely related, etc.),
Old Swedish naa- (Swedish †nå- ), only in compounds, Danish na- (only in nabo neighbour),
Gothic nehw , nehwa ; further etymology uncertain and disputed:
perhaps < the same Indo-European base as enough adj.,
or perhaps < an extended form of the Indo-European base of 【Old Church Slavonic na on, at, Russian na on, at,】 or perhaps a Germanic innovation.

(OED Online)

146:名無しさん@英語勉強中
14/03/10 11:04:14.97 .net
>>131 で引用した、【nigh】という単語についての OED の語源欄の解説については、
Old High German, Gothic, Old Swedish などのゲルマン諸語との関連については
まるで不思議でも何でもないんだけど、意外だったのは、語源欄の最後の方の、次に示す部分だ。

perhaps < the same Indo-European base as 【enough】 adj.,
or perhaps < an extended form of the Indo-European base of 【Old Church Slavonic na on, at, Russian na on, at,】

上記のように、nigh という単語の印欧祖語 (Proto-Indo-European, PIE) における基語 (base)
が enough という単語のそれと共通しているかもしれない、という点が一つ。
もう一つは、nigh という単語がもしかしたら、ロシア語や古代教会スラブ語 (Old Church Slavonic)
における na (= on, at) と語源が共通しているかもしれないという点が二つ目だ。

このように、英語の単語のうち、ゲルマン語を語源としていると思われるものは楽に Old High German
に遡れるけど、スラブ語などにまで関連しているというような英単語はそんなにたくさんはないので、
面白い。古くからある英単語は、これだから面白い。

147:名無しさん@英語勉強中
14/03/15 08:59:34.06 .net
Thomas Hardy を初めとして、いろいろなイギリス小説を読んでいるうちに、イギリスの田舎について
の興味が深まってきたところを、George Eliot(実は女性作家)の作品についての解説を
読んでいて、彼女が田舎の生活を前面に出した作品をたくさん書いているらしいことに気づき、読もう
という気になった。

彼女の作品を紙版の本で、しかも僕の大好きな Everyman's Library のシリーズで5冊も
買ってしまった。買った限りはちゃんと読まないといけない。それにしても、ネット上で無料で手に
入るこれらの古典だけど、やはり Everyman's Library で読むのは本当に気分がいい。
安い割にはハードカバーで、布がかぶせてあり、ページを糸で縫ってあるし、字も適度に
大きい。

George Eliot の作品は、まだ拾い読みしかしていないけど、届いた最初の本の冒頭が
さっそく気に入ってしまった。素朴で、どこにでもありそうな文章だけど、何の変哲もない
田舎の川を深く愛している主人公の台詞であるらしい。(まだ拾い読みしかしていないので、
「らしい」としか言えない。)

How lovely the little river ("the Floss" という名前の川) is, with its
dark changing wavelets! It seems to me like a living companion
while I wander along the bank, and listen to its low, placid voice,
as to the voice of one who is deaf and loving. I remember those large
dipping willows. I remember the stone bridge.

("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860)
URLリンク(www.gutenberg.org)

148:名無しさん@英語勉強中
14/03/17 06:22:08.47 .net
【George Eliot の "The Mill on the Floss" に基づく BBC映画】

夕べ、YouTube でその映画を見た。全部で3時間30分くらいだったと思う。英語がすべて聴き取れた
わけではないけど、だいたいの意味はわかったつもり。もし隅々まで英語が理解できたら、さぞかし
深く味わえるだろうに。ともかく、僕くらいの低い英語力でも、この映画は本当に素晴らしいと感じられた。

まだ原作の小説は読んでいないけど、この映画のおかげで、何が何でも原作を読もうという気になった。
George Eliot の生涯についてきちんと知っているわけではないけど、どうやら彼女自身の体験
に基づく小説であるらしく、兄と妹との愛情と確執とを描いている。最後に、この兄妹は、事故に
巻き込まれて、二人でより添うようにしながら死んでしまう。

The Mill On The Floss (BBC Mini Series 1978) EPISODE 1
URLリンク(www.youtube.com)

149:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 07:34:30.34 .net
【George Eliot】

George Eliot の本を少しずつ読み始めている。彼女が男性の名前を使って自分が女性であることを
隠さざるを得なかった当時の社会情勢や彼女の置かれた家族関係の悲哀などを少しずつ知るにつれ、
彼女がいかに繊細で聡明で誠実で、そしてそれであるがゆえに深く傷つきながら生きていかねば
ならなかったかが伝わってきて、何とも言えない気持ちになる。George Eliot については、
深く知りたい。

But there is no tyranny more complete than that which a self-centred
negative nature exercises over a morbidly sensitive nature perpetually
craving sympathy and support.

("The Lifted Veil," George Eliot, 1859)
URLリンク(www.gutenberg.org)

上記の一節は、彼女のこの短編小説の中の一節だ


150:そうだけど、彼女に対してあまりにも 厳格なその兄 Isaac との関係を深く悲しむ妹である彼女自身の気持ちを述べているそうだ。



151:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 16:32:08.26 .net
【Warrickshire の方言?】

George Eliot は、その小説の中で盛んに方言を導入している。彼女自身が England の
Midlands 地方の Warrickshire で生まれ育ったので、たぶんその小説の中に出てくる言葉も、
その地域の方言だろうと思う。いま読み始めたばかりの小説でも、冒頭からいきなり方言まるだしの
台詞が出てくる。その方言には、いろんな特徴がある。

(1) in の代わりに i'
例:i' the road

(2) with の代わりに wi'
例:wi' you

(3) upon の代わりに upo'
例:upo' me

(4) the の代わりに th'
died o' th' inflammation

(5) w の音の消滅
allways ---> allays
例:you're allays thinkin'
この他にも、いろんな単語の中で、w の音が消滅している。そもそも George Eliot が生まれ育った
地域である Warwickshire の二つ目の w の発音も消して発音するのが自然らしく、辞書を見ると
warrickshire のような発音をすべきだという意味のことが書いてある。

152:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 16:50:24.67 .net
>>136
最後の項目で「w が消失する」という現象について述べたが、それを示す別の例。

(1) backwards の代わりに backards
(2) forwards の代わりに forrards
(3) somewhat の代わりに somewhat

さらに、e が i となりやすい。
(4) however の代わりに howiver
(5) never の代わりに niver

そして、Shakespeare の戯曲によく出てくる taken という意味での ta'en は、
イギリスのあちこちの方言に見られるけど、この小説にもやはり出てくる。

(6) I might be ta'en in again (ta'en = taken)

153:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 16:52:55.41 .net
>>137
訂正
誤: (3) somewhat の代わりに somewhat
正: (3) somewhat の代わりに summat

このような summat というような発音は、他の方言にもよく見られるようだ。確か Thomas Hardy
の小説にもよく出てきたような気がする。

154:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 17:51:12.84 .net
【yu が i になる現象 --- George Eliot の小説に出てくる方言において】

George Eliot の "The Mill on the Floss" に出てくる方言(たぶん Midlands の
Warwickshire 方言)においては、yu(ユ)の発音が i になりやすいらしい。

(1) calculation の代わりに calkilate
例:you can never justly calkilate what'll come on't.

(2) education の代わりに eddication
例:what I want is to give Tom a good eddication

さらに別の特徴としては、of の代わりに on がよく使われる。しかしこれは、別にこの地域の
方言に留まらず、Thomas Hardy の小説(イングランドの西南部の Dorsetshire を舞台とする)
にも頻繁に出てくるし、さらには、Shakespeare にもよく出てくる。

例文
That's the worst 【on't】 wi' crossing o' breeds:
you can never justly calkilate what'll come 【on't】.

("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860)
URLリンク(www.gutenberg.org)

155:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 20:20:06.70 .net
【I'n = I have という意味の方言】

"I have" という意味だと思われるが、I'n という形が出てきた。こんな方言は、初めて見た。
これもやはり England の Midlands の方言なんだろうか?

(1) Nay, Miss, I'n no opinion o' Dutchmen.
(2) Nay, Miss, I'n got to keep count o' the flour an' corn;
(3) An' I'n gi'en you everything,
(4) I'n seen chaps as 'ud stand starin' at a bough till their eyes
shot out, afore they'd see as a bird's tail warn't a leaf. It's poor work goin' wi' such raff.
(5) I'n been with a barge this two 'ear;
(6) that's how I'n been gettin' my livin',
(7) for I'n seen to the bottom o' rat-catching;
(8) An' I'n changed one o' the suvreigns to buy my mother a goose for dinner,
(9) an' I'n bought a blue plush wescoat,
(10) I'n been wi' you twenty year,
(11) I'n got my head under the yoke.
(12) I'n seen get out o' the carriages at the balls in th' Old Hall there.

156:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 20:25:50.48 .net
>>140 の続き
【I'n = I have という意味の方言】 (続き)

(13) For I'n niver forgot how you looked when you fretted about the books bein' gone;
(14) Mumps is as fine a cross as you'll see anywhere along the Floss, an' I'n been up it wi' the barge times enow.
(15) and if I'n done a bit o' mischief, I allays tell him.
(16) I'n got no secrets but what Mumps knows 'em.
(17) only I must hev a bit o' sport, an' now I don't go wi' th' ferrets, I'n got no varmint to come over but them haggling women.
(18) I got my bit of a nest-egg, as the master calls it,
all by my own sharpness,–ten suvreigns it was,–wi' dousing the fire
at Torry's mill, an' it's growed an' growed by a bit an' a bit, till I'n got a matter o' thirty pound to lay out, besides makin' my mother comfor'ble.

("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860)
URLリンク(www.gutenberg.org)

というわけで、この小説では I'n という形が18回も出てきた。他に、
you'n
she'n
he'n
we'n
they'n
などという形もあるかもしれない。

157:名無しさん@英語勉強中
14/03/18 20:33:37.12 .net
【they'n = they have という意味の方言】

他に they'n とか we'n とか he'n という形もあるのだろうと思って、同じ小説の中で検索して
みたら、I'n 以外の例としては1つだけ見つかった。

(19) That's what brings folks to the gallows,–knowin' everything
but what 【they'n】 got to get their bread by.

この他に 語尾が -n となる例がある。

An' when I see'd the book open upo' the stall, wi' the lady lookin'
out of it wi' eyes a bit like 【your'n】 when you was frettin',
(your'n = yours)

Why, what are you 【yoursen】 but a mongrel?
(yoursen = yourself)

I can't stop 【mysen】 when once I begin.
(mysen = myself)

("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860)
URLリンク(www.gutenberg.org)

158:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 07:26:20.10 .net
【幼年時代についての追憶(George Eliot)】

"The Mill on the Floss" の Book 1, Chapter 5 の最後。兄の Tom も妹の Maggie も
共に頑固な性格だが、何かと相性が悪い。とはいえ、二人は深い兄弟愛で結ばれている。Tom が
大事にしているウサギに餌をやるのを忘れて死なせてしまったことを理由に、Tom は妹をどうしても
許せない。とはいえ、ついには妹を許し、翌日には兄妹は一緒に池で釣りをする。Tom は13歳。
Maggie は何歳だろうか?今のところ僕にはわからない。たぶん8歳から11歳くらいのあいだだろうと
想像する。二人の仕草、考え方・感じ方・性格の食い違いがとても面白いし可愛らしいし、美しいし、
同時にその食い違いが哀しくもある。

食い違いながらも互いを大事に思う兄妹が共に池で釣りをしている様子を描き、幼年時代の追憶という
ものの大切さを綴った George Eliot の文章が秀逸。

These familiar flowers, these well-remembered bird-notes, this sky,
with its fitful brightness, these furrowed and grassy fields,
each with a sort of personality given to it by the capricious
hedgerows,–such things as these are 【the mother-tongue of our
imagination】, the language that is laden with all the subtle,
inextricable associations the fleeting hours of our childhood
lef


159:t behind them. ("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860) http://www.gutenberg.org/files/6688/6688-h/6688-h.htm



160:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 08:46:58.92 .net
>>143 からの続き
【幼年時代についての追憶(続き)】

さっき引用した一節のすぐ前にある文章の方がはるかにわかりやすい。この文章も僕の心を打った。

Life did change for Tom and Maggie; and yet they were not wrong in
believing that the thoughts and loves of these first years would
always make part of their lives. 【We could never have loved the earth
so well if we had had no childhood in it】,–if it were not the earth
where the same flowers come up again every spring that we used to
gather with our tiny fingers as we sat lisping to ourselves on the
grass; the same hips and haws on the autumn's hedgerows; the same
redbreasts that we used to call "God's birds," because they did no
harm to the precious crops. What novelty is worth that sweet monotony
where everything is known, and loved because it is known?

("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860)
URLリンク(www.gutenberg.org)

161:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 08:59:50.29 .net
【方言:I had lief = I would rather】

また面白い方言が出てきた。"I would rather" という意味での "I had lief" だけど、
この lief はドイツ語の lieben (= to love) という言葉に似ているので、この方言の
意味はすぐに推測できた。

"【I'd as lief】 not invite sister Deane this time," said Mrs. Tulliver,
("The Mill on the Floss")

OED では、これを次のように解説している。

d. In various constructions with have (see have v. 21, and cf. German
lieb haben, Dutch liefhebben): I (etc.) had (occas. have) as lief
as , I had (occas. †have) liefer (than), †liefest , with object a n.
inf. phrase (with or without to), or subordinate clause. †Also in
catachrestic constructions (see have v. 21c).

In I'd, you'd, he'd (etc.) as lief, the ambiguous contraction is
prob. taken to represent would rather than had; the examples are
therefore placed under the adv. Actual instances with had might still
occur, but only as arch. or dial.

(上記は、OED より)

162:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 09:06:23.76 .net
(続き)【I had lief = I would rather】について

lief という方言の単語について、その歴史的な形態変化と語源については、OED では次のように
示している。

Forms: 【OE léof, líof, 】 ME leof (inflected leove, leofve), ME lof,
ME luf, luef, lueve, ME lef (inflected leve), ME–15 lef(f)e, 15–18
leve, (ME levef, lewe), ME–15 leefe, (ME leeff), ME–17 leeve,
15, 18– (chiefly U.S.) leave, 18 leaf, ME–16 leif, ME leyf,
15–16 leife, leiv(e, 【ME Sc. lyfe,】 ME, 15–17 live, ME lyve,
ME–15 lif(e, (ME lijf), 16–17 liff, ME–15 lyefe, ME–16 liefe,
【ME– lief】. Also U.S.17, 18 leaves, lieves, lives. compar.OE léofra,
líofra (fem. and neut. -re), ME leofere, ME leover, ME–15 lever,
ME lefer, (ME Sc. lyfar), ME–15 levir, levyr, (15 leffer, leir),
ME–15 Sc. levar, ME–16 leefer, leefir, leever, 15–16 lieffer,
15 leaver, ME–16 liever, leyf(f)er, 16 leif(f)er, 15, 18 Sc. loor
(17 lure), 15– liefer. Also 17 lieverer. superl.OE léofast, líofast,
líofest, líofust, ME lefest, ME leovest, ME–15 levest, ME–15 lievest,
(15 leifest), 15– liefest. Also 15 leverest.(Show Less)

163:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 09:06:58.00 .net
(続き)

Etymology: Old English léof , líof = Old Frisian liaf , Old Saxon
liob , liof (Dutch lief ), Old High German liub , liup , liob , liab ,
lieb (Middle High German lieb , liep , 【modern German lieb】 ),
Old Norse liúf-r (Swedish ljuf ), Gothic liuf-s (liub- ) <
Old Germanic *leuƀo- < pre-Germanic *leubho- (whence Old Church
Slavonic ljubŭ ), < Aryan root *leubh- (:loubh- : lubh- , whence
believe v., love n.1).

(OED Online)

上記のように見てみると、lief という、現代の標準英語では使われていない方言の単語であっても、
これは実は大昔には大いに標準英語のようにして広く使われていたのであり、さらには印欧祖語に
も深くつながっている単語であることがわかる。方言というものは、何でもそうらしい。

164:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 09:30:07.91 .net
>>137 の続き 【w の消失】

もう一つの例を見つけた。

for my children are so awk'ard wi' their aunts and uncles.
(Mrs Tulliver の台詞、"The Mill on the Floss," George Eliot, 1860)
URLリンク(www.gutenberg.org)

この小説では、上記の他にも、合計で5回もこの awk'ard が出てくる。

165:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 11:51:46.36 .net
【小説 "The Mill on the Floss" において使われる方言】

他の小説だったら、三種類くらいの英語しか出てこないように思う。つまり、まずはその国の標準英語、
つまりイギリスの小説ならば、イングランドの標準英語が一つ目。そして二つ目は、その小説の
舞台となっている地域の方言。そして三つ目は、どこか少し遠いところから来た人の言葉。つまり
たとえば Scottish English。

しかしこの小説 "The Mill on the Floss" では、3種類ではなく4種類も5種類もの英語が
飛び交っているような気がする。

(1) England の標準英語。これは、この小説の narrator の英語である。それから、
女主人公 Maggie のしゃべる英語がかなり標準英語に近い。

(2) この小説の舞台だと思われる Midlands 地方の、そしておそらくは Warwickshire
だと思われる地域の方言。この方言をしゃべっていると思われるのは、女主人公 Maggie
の両親と親戚たち。

(3) 女主人公 Maggie の属する The Tullivers 一家と親密な関係にある Luke の
話す英語。これが3種類目の英語。I'n (= I have) というような表現を初めとする、いろんな
特殊な発音でしゃべる。この方言は、どこの地域で主に話されているのか、今のところ僕は
知らない。

166:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 11:52:42.21 .net
>>149 の続き 【"The Mill on the Floss" における方言(続き)】

(4) 女主人公 Maggie の兄 Tom の遊び友達である Bob Jakin の話す英語。これは、
僕の知る限りでは、どうもイングランド北方の方言であるらしい。そのことを示す例を挙げる。

(4-1) mustn't という意味での mun をよく使う。このような表現は、England の
Yorkshire を舞台にした "Wuthering Heights" の中で盛んに出てくる。

(4-2) rats という意味で rots と言う。
(4-3) "I am not" という意味で "I aren't" と言う。
(4-4) last year という意味で "last 'ear" と言う。
(4-5) "they were" という意味で "they were" と言う。

ただし、上に述べたイングランド北方方言についてだけど、それを示すらしいということがはっきりしている
のは、あくまで (4-1) の mun だけであって、そのあとの (4-2) から (4-5) については、
他の地域の方言にもよく見られるので、これについては北方方言の特徴とは言えない。

167:名無しさん@英語勉強中
14/03/19 14:26:41.99 .net
【gel (gell) = girl (==> gal?)】

"The Mill on the Floss" には、gell(ゲルと発音するらしい)という単語が盛んに出てくる。
「リーダーズ英和」には gel という形で「ゲル」と発音し、それは girl という意味だと書いてある。
そしてそれは、英国の上流階級の発音を真似たものだと書いてある。

このようなイングランドでの gel (gell) がアメリカに伝わり、現在のスラングである gal と
いう言葉に発展していったのだろうと僕は想像する。

the British Isles(ブリテン諸島)のどの地域でどの時代に発生した言葉がどのように
アメリカに伝わってどのように現代アメリカ英語として発展していったかを見ると、本当に面白い。

168:名無しさん@英語勉強中
14/03/21 15:40:47.06 .net
【rether (= rather)】England の Midlands のものと思われる方言

"The Mill on the Floss" という小説の中で、rether という単語が出てきた。前後の



169:絡から考えて、rather という意味らしい。 I'm 【rether】 fond o' the moles; ("The Mill on the Floss," George Eliot, 1860) http://www.gutenberg.org/files/6688/6688-h/6688-h.htm この rether は、おそらくは Ireland から Midlands に入ってきたのではないかと想像したが、 それが本当かどうかは別として、OED の情報によると、確かに Irish English では rather を rether と書くらしい。 rather Forms: eOE hræþor, eOE hræðor, OE hraþor, OE hraðor, OE hraður (rare), OE raþor, OE–eME raðor, OE–ME raþer, OE–ME raðer, OE–ME raþur (rare), eME hraþar, eME ræðer, eME raþeren, jeME reðer, ME radder, ME rader, ME radyr, ME raȝwr (transmission error), ME rapere (transmission error ), ME raþar, ME raþere, ME raþerne, ME rathere, ME rathir, ME rathyr, ME raþir, ME raþre, ME raþure, ME raþyr, ME raye (transmission error), ME rayer, ME reaðere, ME redþer, ME rether, ME rethere, ME– rather, 17 reether, 18 raythur (Canad.), 18– rayther (nonstandard); Eng. regional (north. and midl.) 18– raither, 18– rayder (Cumberland), 18– rayther, 18– rether (Northumberland), 19– raatheh, 19– raather, 19– raayther, 19– raedher; Sc. pre-17 leuir (transmission error), pre-17 raithar, pre-17 rathair, pre-17 rathere, pre-17 rathir, pre-17 raythare, pre-17 rayther, pre-17 raythtair, pre-17 reder, pre-17 redir, pre-17 rethair, pre-17 17 reither, pre-17 17– rather, pre-17 19– rether, 18 rader, 18 raether, 18 reather, 18– raither,



170:名無しさん@英語勉強中
14/03/21 15:44:13.17 .net
>>152 の続き
19– raider (north-east.), 19– redder (north-east. and Shetland);
also 【Irish English 18– rether】, 19– rarr (north.).
See also ruther adv.
(OED Online)

上記のような rather という単語の歴史的な形態変化を見てみると、rather という意味の単語
を rether またはそれに近い綴りで書いていた地域や時代がけっこうある。したがって、
rether という綴り方(そしてそれを読むときに行っていたと思われる発音)は、決して
邪道ではなく、ブリテン諸島において実はきわめて自然で広範囲にわたって行われていたものと
思われる。そしてこのような rether に近い発音が北米に16世紀から17世紀ごろにわたっていき、
今のアメリカ式の発音になったと思われる。

このように、rather という単語の現代のイギリス式の発音とアメリカ式発音(そしてその対比に
似たようなブリテン諸島上の様々な方言の発音)の歴史的な変遷については、OED に次のように
さらに詳しく書いている。

rather の語源についての OED の解説
Etymology: Comparative of rathe adv. (see -er suffix3).
Middle English and early modern English had pronunciations with both
a long and a short vowel. The modern British English pronunciation
with 【/ɑː/】 shows the result of a modern (post-Great Vowel Shift)
lengthening (as also in father n.), while other pronunciations with
a long vowel or diphthong (as 【/ˈreɪðə(r)/ 】, etc., now only found in
regional use) show the operation of the Great Vowel Shift on the
reflex of Middle English long ā . The pronunciation with a short vowel
is common in Scottish English (although not in regional varieties of
Scots) as well as in U.S. English, and was apparently more widespread
in British English in the 18th and 19th centuries, as also were
pronunciations of the type 【/ˈreɪðə/】 .

171:名無しさん@英語勉強中
14/03/21 15:45:18.69 .net
>>153 の続き 【rather という単語の語源や発音の歴史的変遷】



The semantic development of the word (especially in later Middle
English and subsequently) was probably greatly influenced by the
declining frequency of rathe adv., leading eventually to loss of the
senses in branch I. except in regional use. The modifying function
(sense 6) probably arose from the reanalysis of the adverb's syntactic
role in sentences where contrast is anaphorically implied (compare sense 5a


172:). (OED Online)



173:名無しさん@英語勉強中
14/03/21 18:35:49.83 .net
Samuel Beckett の例の3部作の小説は、あまりに絶望的すぎて、僕は読み続けられない。乾ききっていると
でも言おうか。退屈すぎるとでも言おうか。少しばかりあちこち拾い読みしただけだ。そして、それだけでも
十分にこの三部作の絶望的な、圧倒的な、絶対的な孤独と空虚感が伝わってくるような気がする。
もしかしたら、それ以外のもっと深いものを伝えてくれている小説なのかもしれないが、ともかく
それ以上はまだ読んでいないのでわからない。

“Yes, in my life, since we must call it so, there were three things,
the inability to speak, the inability to be silent, and solitude,
that’s what I’ve had to make the best of.”
― Samuel Beckett, The Unnamable
URLリンク(www.goodreads.com)

ただし、彼の2つの戯曲である "Waiting for Godot" と "Endgame" だけは、絶望的ながら
も楽しくおかしな作品なので、僕はかなりこの二つが好きだ。

しかしそれにしても、よくもこんなに絶望的な作品ばかり書きつづけた作家がノーベル賞を取ったもんだ、
と感心する。いくら生きることについての真実を突いているとはいえ、絶望的すぎて、誰も読まない
だろうに、と思ってしまう。

174:名無しさん@英語勉強中
14/03/25 10:19:51.89 .net
【"Crime and Punishment" の朗読】

Fyodor Dostoevsky は、日本語、英語、フランス語で、合計11回くらい読んだと思う。
11回のうち、8回くらいは英語で読んだ。さらに、朗読を何度も聞いた。朗読については、
三種類を聞いてきた。

(1) Blackstone Audio という会社が出している有料の朗読CD
(2) Librivox というボランティア団体が出している朗読
(3) iTunes U が出している無料の朗読

(3) は、淡々とし過ぎていて、僕は少ししか聞く気になれなかった。(2) は、何度も聞いた。
そして、三つの中で最も優れているのは、(1) の Blackstone のもの。これは最初、
お金を払って CD で聴いていたんだけど、そのうち、YouTube 上で無料で公開されるように
なったので、今では YouTube 上で聴いている。役者の朗読が実に素晴らしい。何度聴いても、
ほんとに驚嘆してしまう。Dostoevsky の語り口のすごさと、役者の朗読の素晴らしさとの
両方に、いつも感嘆してしまうのだ。

"Crime and Punishment" by Blackstone Audio
URLリンク(www.youtube.com)

175:名無しさん@英語勉強中
14/03/25 11:29:52.33 .net
【percussion と discussion --- 語源】

percussion と discussion とでは、その後半の -cussion の部分が共通しているとはいえ、
この二つの単語の意味があまりにもかけ離れているので、語源を共有しているとは思わなかった。

(1) percussion - 【percuss】
Etymology: < classical Latin percuss-, past participial stem of
【percutere】 to strike forcibly, hit, to deliver a blow to
< per- per- prefix + 【quatere】 to shake, strike, dash (see quash v.).

(2) discussion -- 【discus】
Etymology: < classical Latin discuss-, past participial stem of
【discutere】 to dash to pieces, to shake violently, to shake off,
to disperse, scatter, (in medical context) to dispel,
in post-classical Latin also to examine, investigate
(Vetus Latina; late 2nd cent. in Tertullian), to explain,
to expound (5th cent.), to try, interrogate (6th cent.),
(of cases) to judge (7th cent.), to debate (8th cent.), to consider,
decide (from 12th cent. in British sources): see discute v.

(OED Online)

上記の語源解説を読んでわかることをごく単純化すると、percuss は "per + quatere"
から出来ていて、per は「きわめて」という意味、quatere は「ぶつける、叩く」という意味。
「きわめて(ひどく)叩く」という意味から、percuss は「叩く」という意味になり、
percussion が「衝撃、爆発(装置)、医学の打診法、打楽器」という意味になった。

discuss は "dis(分離)+ quatere(叩く)" から成り立っており、「ばらばらにする、散らす」
という意味から、「調べる」という意味に発展し、さらには「議論する」という意味に発展していったらしい。

176:名無しさん@英語勉強中
14/03/26 09:11:17.72 .net
>>13-15
【The dress is you. (そのドレス、似合ってるよ、君らしいよ)】

このような "主語 is you (me, them, us, you, her, him)"(君らしい、私向きだ、
俺たちにぴったり、彼の個性を生かしてる)というような意味での「人称代名詞の形容詞的な用法」については、
>>13-15 で示した OED の解説と例文をすべてきちんと読めばかなり詳しく理解できると思うけど、
なんせすべて英語なので読むのが面倒な人もいるだろう。(実際、僕にとってもかなり面倒だった。)
だから、ここで OED の解説と例文に「大まかな」和訳をつけてみたい。

>>13 --- 【you についての OED の解説と例文】
2. In predicative use: suited to or representative of your tastes, personality, etc.; appropriate for you. Cf. me adj.
大意:叙述的な用法で;君の好み・性格などにぴったりだ、君の好みや性格などを表している。君にふさわしい。

(1) 1918年の出版物にて。
I've read your Lucretius... I feel sure it's both immensely 【him】 and also very much 【you】.
君の書いた "Lucretius" を読んだよ。ものすごく彼らしいし、とても君らしいよ。

(2) 1936年の出版物にて
‘I think it's lovely,’ said Jane unkindly, ‘So 【you】, somehow.’
「可愛いと思うわ」とジェインは素っ気なく言った。「すごくあなたらしいわ。何となく」

(3) 1960年 --- The boudoir..had been created by Bertie... ‘Almost indecently 【you】, darling!’ Bertie had told Miss Bellamy.
化粧室(寝室、女性用の私室)は Bertie が作ったものだった。「あまりにもあなたにピッタリで、淫らなくらいだわ」と Bertie は Miss Bellamy に言ったのだった。

(4) 1981 --- I thought your piece was very much 【you】.
作品は、とてもあなたらしいと思ったわ。

(5) 2009 --- Stay away from those fitted shirts. They are so not 【you】.
そういうピチピチの(体にぴったり合う)シャツはやめときたまえ。 ぜんぜん似合わないから。

177:名無しさん@英語勉強中
14/03/26 09:36:22.36 .net
>>14
【me についての OED による解説と例文】

C. adj. (predicative). (形容詞としての me、叙述用法)
Suited to or expressive of the tastes, ability, personality, etc., of the writer or speaker; appropriate for the writer or speaker.
書いている人やしゃべっている人の好み、能力、性格などにぴったり合っている、あるいはそれを表現している。その人に適合している。

(1) 1803年 --- Sloth, carelessness, Resignation is not merely in me; it is 【me】.
怠惰・不注意・無関心・諦めが、私の心に巣食っているだ


178:けではない。そういう悪徳が、私そのものになってしまっている。 (2) 1899 --- This is 【me】 all the time and all over. これは常に、全体的に、私にぴったりだ。 (3) 1905 --- But that poor little book isn't 【me】... I shall never write another like it. でもそのお粗末で小っちゃい本は、私らしくない。そんな本は、もう二度と書かない。 (4) 1925 --- Nothings, just nothings, they didn't count; this is the thing that's 【me】. 下らない、ただの下らないもの。そんなものは意味がない。こっちのものこそ、私らしい。 (5) 1938 --- The house has got to be contemporary, it's got to be art..and it's got to be 【me】. 家は現代的でないといけないし、芸術的でないといけない。それから、僕らしくないといけないんだ。 (6) 1957 --- Cardigans are not..particularly 【me】. カーディガンは. . . 特に私向きというわけじゃない。 (7) 1993 --- It's not really 【me】. I'm not a jeans type of girl, I like a sharper image. ぴったり私向きってわけじゃないわ。ジーンズ派じゃないから、もっとシャープな感じが好きなのよ。



179:名無しさん@英語勉強中
14/03/26 09:57:00.27 .net
>>15 に「大まかな」和訳をつけてみる。

【us についての OED の解説と例文】

2. In predicative use: suited to or representative of our tastes, personality, etc.; appropriate for us. Cf. me adj.
形容詞、叙述用法。「私たち」の好み、性格などにぴったりである。それをよく表している。それに適合している。

(1) 1940 --- ‘How could you know I'd like something like this?’.. ‘It just looked absolutely 【us】, somehow.’
「こういうものが好きってこと、なんでわかったの?」「ともかく俺たちにピッタリだって思ったんだ、何となくね」

(2) 2003 --- And the thing was, we were entranced with how 【us】 it was―quirky, individual, original.
肝心なことは、それがまさに俺たちにピッタリで、奇抜で、個性的で、独自のものだってことに感動していたっていうことだった。

*******************

【them についての OED の解説と例文】

3. In predicative use: suited to or representative of their tastes, personality, etc.; appropriate for them.
形容詞としての them。叙述用法。「彼ら」の好み、性格などに適している。あるいはそれをよく表している。「彼ら」に適合している。

(1) 1989 --- All executive dressing services agree there is no point in pressurising clients into clothes they feel are not really 【‘them’】.
幹部人員の服装を調達するスタッフはみんな、顧客が "自分" に向いていないと思うものを無理に着せることは無駄だという点で意見が一致している。

(2) 2008 --- Trying to please their parents by playing a role that was not really 【them】.
実際には自分らしくないような役割を演じて親を喜ばせようとすること。

(3) 2012 --- The girls' behaviors and mannerisms, even at just days and weeks old, were so completely 【them】.
女の子たちの行動や癖は、まだ生後ほんの数日や数週間のときから、完ぺきに自分らしいのだった。

180:名無しさん@英語勉強中
14/03/27 18:23:16.13 .net
>>160
下手な和訳を載せてしまった。

(3) 2012 --- The girls' behaviors and mannerisms, even at just days and weeks old, were so completely 【them】.
元の和訳: 女の子たちの行動や癖は、まだ生後ほんの数日や数週間のときから、完ぺきに自分らしいのだった。

改訳: 女の子たちの行動や癖は、生後ほんの数日や数週間のときから、もうすっかり自分らしくなっていた。

181:名無しさん@英語勉強中
14/03/30 16:27:01.04 .net
【to cause that he should not die = to prevent him from dying】

上記のような cause の動詞としての使い方が The New Testament の King James Version
に見られるけど、これについてきちんと調べたことはなかったので、ここで確認しておこう。

37 And some of them said, Could not this man, which opened the eyes
of the blind, ★


182:have caused that even this man should not have died★? (The New Testament, John 11, King James Version) http://www.biblegateway.com/passage/?search=John+11 OED で調べてみる。 cause e. with obj. sentence. arch. 1393 J. Gower Confessio Amantis III. 108 That causeth why that some passe Her due cours to-fore another. ?1518 Virgilius sig. aiiij, She..caused that workemen shulde make the walles ageyne. 1611 Bible (A.V.) John xi. 37 ★Could not this man..haue caused that euen this man should not haue died★? 1722 D. Defoe Jrnl. Plague Year 93 This ★caus'd, that many died frequently★h..in the Streets suddainly. (OED Online)



183:名無しさん@英語勉強中
14/04/05 11:04:10.92 .net
【"What's going on here?" という表現は、いつから使われるようになったか?】

19世紀以前の小説を最近はあれこれと読んでいるが、20世紀から現代までの小説に使われる
英語と比べながら読んでいると、いろんな面白いことに気づく。

"Crime and Punishment" (Fyodor Dostoevsky) の英訳としては、今までにたぶん
4種類くらい読んできた。そのうち、1914年に Constance Garnett という人が訳した
ものはいつも YouTube 上で朗読を聞いている。そして傍らで、なるべく新しい英訳を
読んでいる。いま読んでいる英訳は、1992年に訳されたもので、しかもアメリカ人が訳したものだ。

だから、この英訳では、アメリカ英語がよく出てくる。そして使われている表現も新しいので読みやすい。
そこで気づいたのだが、"What's going on here?" は、もしかしたら19世紀には使われておらず、
比較的最近になってから使われるようになったのではないかということだ。

そういえば、19世紀以前に書かれた小説で、"What's going on here?" なんて見たことが
ないような気がする。しかし現代の小説やドラマや映画では、盛んに出てくる。昔はこの表現の
代わりに "What is it?" などと言っていたようだ。

● Constance Garnett 訳(1914年)
"What is it?" cried Razumihin. Raskolnikov was the first to open the
door; he flung it wide and stood still in the doorway, dumbfoundered.

●Pevear and Volokhonsky 訳(1992年)
"What's going on here?" Razumikhin cried out. Raskolnikov took the
door first and flung it wide open, flung it open and stood rooted to the threshold.

184:名無しさん@英語勉強中
14/04/05 11:07:46.73 .net
【Raskolnikov がつぶやく神についての言葉】

"Crime and Punishment" (by Fyodor Dostoevsky) の主人公 Raskolnikov は、
この小説全体を通して無神論者を通している。確かに、幼いときには母親の膝元だったか亡き父親
の膝元でだったか忘れたけど、神に祈りを捧げていた。そして、娼婦 Sonya のところに自分の
犯罪を告白しに行ったときに聖書の中のラザロの復活 (the raising of Lazarus) についての
箇所を朗読してくれと頼む。それから、シベリアで強制労働に服しているときに、Sonya から
受け取った聖書を開くシーンもある。しかし、この小説のどこを見渡しても、神を信じるとか
それに似たことを口走るシーンは一つもなかったように僕は記憶している。

ただ、一か所だけ、彼が図らずも神のことを口にするシーンを、いま見つけた。10回以上も
この小説を読み、しかも英文の朗読は YouTube 上で何十回も聴いたのに、それでも
見過ごしていた。

Away with mirages, away with false fears, away with spectres! . . .
There is life! Was I not alive just now? My life hasn't died with
the old crone! ★May the Lord remember her in His kingdom★, and
--- enough, my dear, it's time to go!

("Crime and Punishment," Fyodor Dostoevsky, Everyman's Library, p. 188)

このシーンの直前で、酔っ払いの Marmeladov が馬車に轢き殺される現場に主人公は
立ち合い、Marmeladov を家族のところに連れ戻してやり、葬式代や医者代などとして
彼の持ち合わせていた金をすべて家族に手渡してやったあと、その家族の一員である
10歳の女の子 Polya から廊下で呼び止められ、名前と住所を教えてくれと言われ、
そのときにその女の子と Raskolnikov は話をする。そのとき、女の子に
「これからは僕のことも祈ってくれるかい?」と頼む。女の子から強く抱きしめられた
主人公は、生き返った心地がする。そのときに口走るひとり言が、上記の言葉だ。

185:名無しさん@英語勉強中
14/04/24 12:13:28.80 .net
【discheveled (= untidy) の語源】

disheveled (dishevelled) という単語の意味が、なかなか覚えられない。小さい時から
すでに暗記が苦手だったが、歳を取るとますます暗記ができなくなる。だから、たとえこじつけでも
いいからともかく覚えるための工夫をしないといけない。そのためにも、語源の知識は役立つ。

disheveled
(of a person's hair, clothes, appearance) untidy

OED の語源欄を見て納得した。簡単にいうと、
disheveled は dis- + cheveu (chevel) (フランス語で hair のこと) から来ているのだ。
せっかくこれを覚えるのだから、ついでにこれと関連して、語源欄に載っているイタリア語やスペイン語や
ラテン語も覚えてしまいたいものだ。

Etymology: < Old French ★deschevelé★ past participle,
< des- , dis- prefix + Old French ●chevel , cheveu● (= hair),
= medieval Latin dis- , ★dēcapillātus★ stripped of hair, shaven,
Spanish ●descabellado● ‘bald, hauing no haire left on his head’:
compare Italian ★(di)scapigliare★ ‘to desheuell, to disorder..ones head or haires’.
In another form of this word, the -é of Old French past participle, became mute in Middle English:
see dishevel adj.

(OED Online)

186:名無しさん@英語勉強中
14/04/29 15:45:37.68 .net
【"at parting"(別れるときに)】

「~のときに」「~のときの」という意味の連語としては、"at the time of (名詞)" とか
"at the time S + V" などがあるけど、単に "at + 動名詞または名詞" という形も
あるということは知ってたけど、このような用法についてきちんと解説した辞書とか文法書などは、
すぐには見つからない。どこかに見事な解説があるかもしれないけど、今のところ、見たことは
ない。

"at power-up" という形で「電源を入れたときに(ときの)」という意味を表す連語は、
技術関係の文書にはよくでてくる。

★At powerup,★ the processor goes to a certain memory address
(put there by the processor designer), reads the content of that
address, and performs a jump to the address stored at that location.
URLリンク(books.google.co.jp)


187:esc=y#v=onepage&q=%22at%20powerup%22&f=false いま読んでいる Jane Austen の小説の中でも、"at parting" という連語を たまたま見つけた。 . . . for as I told Mrs. Morland ★at parting★, I would always do the best for you in my power. ("Northanger Abbey," Jane Austen, Everyman's Library, p. 95) このような "at + 動名詞" の形で「~するときに」という意味を表す連語としては、 どれくらいのバラエティが許されているのだろうか?動詞ならばどんなものであっても、 ともかく動名詞の形にさえすれば、"at + 動名詞" という形で「~するときに」という 意味になるのであろうか?その辺がまだ僕にはわかっていないので、また今度、 再びこのような形の例文が出てきたら、ここにメモとして書きこむことにする。



188:名無しさん@英語勉強中
14/05/03 05:18:00.76 WAmJip6d.net
【スコットランドの詩人 Robert Burns】

Robert Burns の詩のスコットランド方言(Scots)による原文と現代標準英語訳とを対照させた
サイトが見つかった。

Robert Burns: Modern English Translations and Original Poems, Songs, Quotes and Epigrams
URLリンク(www.thehypertexts.com)

あとで時間と気力があれば、少しずつでも Robert Burns の詩を自分なりに原文で
解読していきたい。なお、Robert Burns についてのドキュメンタリーなどについては、
昨日、別のスレで紹介した。

洋書を読んで英語の勉強の >>745-747 あたり
スレリンク(english板)

なお、僕はもう英語板の他のスレはいっさい読まないし書き込みもしない。
ただし、もう一つ別の隔離スレを作ってあるけど、そこには、こことは違った種類のことを書きたいと思っている。
どれほどのことが書けるかわからないけど。

【隔離】【孤立】【メンヘラ】【精神遍歴】【文学】
スレリンク(english板)l50

189:名無しさん@英語勉強中
14/05/03 07:48:16.50 qdj6jbzH.net
>>166
新英和大辞典 at

2a 時の一点、時刻、時節

例文 at parting 別れるときに
partingは名詞として辞書にありますが動名詞とも言えますね。

ODE
parting
[mass noun]
The action of leaving or being separated from someone:
‘they exchanged a few words on parting’

この例文のpartingは動名詞っぽいですね。まあ名詞として分類してるわけですが。
on~ing  ~するとすぐに

動名詞の名詞化の問題ですか?

190:名無しさん@英語勉強中
14/05/03 07:55:30.41 qdj6jbzH.net
すぐにというよりat the time ofですね

191:名無しさん@英語勉強中
14/05/03 15:12:18.40 WAmJip6d.net
>>168-170
いろいろと教えてくれて、ありがとうございます。なるほど、"on (動詞)ing" の形については、
一応は文法書にもありそうですね。でも、"at ~ing" の形や "at (動作や行為を意味する名詞)"
(たとえばすでに出た at power-up, at parting など)は、あまり見ないように思うのです。
このような用例をたくさん覚えておくことができれば、英作文のときのバラエティ(というか表現の
レパートリー)が増えて、以前よりも自在に英文が書けるだろうと思っているのです。

まあ、今回のこの問題に限らず、あまりにも頭の中にある


192:表現のレパートリーが少なすぎて、 まだまだ自由闊達な英文が書ける段階にはいないので、歯がゆいです。 とは言いながらも、もう英作文はさほどうまくならなくてもいいから、僕にとってはるかにもっと 大切なのは、あらゆる種類の英文が楽に読めるようになることですね。特に古典文学と呼ばれるものは、 ヨーロッパ諸国の有名な古典文学を英語版で、できれば 1,000冊くらいは死ぬまでに読み終えたいと 思っています。できないかもしれないけど、まあ、さしあたっての、僕にとってわかりやすい目標です。



193:名無しさん@英語勉強中
14/05/03 21:33:55.77 FKnPgdsX.net
しるか

194:名無しさん@英語勉強中
14/05/03 22:38:12.46 qdj6jbzH.net
>>170
1000冊ですか。仰ぎ見るばかりです。

195:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 05:05:03.47 g2slJfFH.net
評伝とか伝記で名著を教えてください

196:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 05:26:23.49 TzJQApU8.net
>>172
いや、「1,000冊の洋書」というのは、あくまで目標であって、すでに読んできたというわけでは
ないですからね。目標だけなら、誰でも持てますので。ただ、僕はその目標に向かっての努力度
にかけては、たぶん尋常ではないと思います。

>>173
洋書での評伝や伝記での名著ですか?ええっと、すみませんが、母国語でさえ、評伝や伝記に
限ってみると、すごく限られてきて、なかなか思いつきません。

日本語でなら、
「芥川龍之介とその時代」関口安義
という本が、今では気に入っています。ただしこれはまだ、3分の1ほどをあちこち拾い読みして
いるだけです。芥川については、その人の生き様を詳しく知りたいと思っています。

洋書つまり英文でなら、
"Virginia Woolf: A Biography" by Quentin Bell
が今では気に入っています。ただしこれもまた、あちこち拾い読みしているだけです。
Woolf については、その文学も生きざまについても、詳しく知りたいと思っています。

197:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 05:27:02.81 TzJQApU8.net
>>174 の続き
さらに、
The Life of Charles Dickens (Cambridge Library Collection - Literary Studies) (Multiple copy pack)
By (author) John Forster
URLリンク(www.bookdepository.com)

この本は、Charles Dickens が死んだ数年後に出た彼の伝記で、彼を直接によく知っていた
人が書いた立派な 1,500ページにわたる伝記ですが、これもまだまるで読んだことも買ったことさえ
ないのですが、いずれ読みたいのです。でもまずは、Dickens の作品を原文ですべて(あるいは
せめて半分くらい)を読んでしまいたいと思います。今はまだ4冊しか読んでいません。

評伝や伝記については、ちゃんと読了した本があまりないので、ましてや洋書となると余計に知らないので、
ロクなことが書けず、「いずれは読みたい」と思う本ばかりの紹介で、すみません。聞き流してください。
ただ、Dickens, Woolf, Jane Austen, Thomas Hardy, その他ありとあらゆる古典文学
作家の伝記は、いずれ読みたいと思っています。しかしほんと、日本語で読むだけでも僕にとっては
大変で、実に苦しく、ましてや洋書でとなると、1冊を読み通すことさえしんどいことです。

198:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 05:50:28.57 TzJQApU8.net
頭が悪いせいか、あるいは完璧主義だからか、ともかく僕は、本を一回通読しただけでは、
それを理解したとは感じない。少なくとも10回くらい読んだものしか、本当に読んだとは
感じない。となると、僕が今までに「本当に読んだ」と言える本は、5冊か10冊ほどでしか
ないらしい。

(1) 「論語」--- これは、中学3�


199:Nから高校3年のときまで、4年くらいかけて100回くらいは 読んだと思う。まずは概説書みたいなものを読み、そのあとに「論語」の原文と書き下し文と 現代日本語解説をつけた本を、いつもポケットに入れていた。気に入った一節は、 何百回となく日記帳に写し書きしていた。 (2) 「三太郎の日記」(阿部次郎)--- 哲学評論みたいな本。旧制高校生たちの愛読書だった。 (3) 「愛と認識との出発」(倉田百三)--- これも2年間くらにわたり、毎日毎日、ポケットに 入れて歩いていた。高校の授業では、聴いても無駄と思える授業は聞かないで、堂々と これらの本を開いて、読みふけっていた。 (4) 「罪と罰」の日本語版1回。そのあと英語版で8回。フランス語版で2回。合計11回。 それから英語版の朗読は、数十回、聴いた。 10回以上、死に物狂いで読んだという感じのする本は、以上4冊くらいのような気がする。 ただ、15歳から25歳くらいまでのあいだは多感なため、一回か二回しか読まなくても、かなり 深く読み込んだような気のする本があり、そういう本が数十冊あって、僕の心の糧になっている。



200:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 05:51:05.72 TzJQApU8.net
>>176 の続き
残念なことに、洋書がかなり楽に読めるようになったのはずいぶんあとのことなので、
洋書で読んだものでありながら、心の糧になっているもの、そして何度でも読み返し、
暗唱している箇所さえある本となると、ますます限られる。今のところ、上記の
"Crime and Punishment" くらいしか思いつかない。

ビジネス書やベストセラーものの小説なら、かなり初期のころでも割に楽に楽しく読めたけど、
そういうものは、最初のほんの2,3年ほどはとても有益で、その時代の世界や社会の情勢を
伺える本が多く、しかも話題性に富み、さらには仕事(実益性)に直結する部分が多く、
僕もそういう本を英語でたくさん(おそらく200冊くらいか)読んだおかげで、仕事で書かないと
いけない英文を書くときに大いに役立った。しかし、数十年経つと、そういう読書で得たものは
どうでもよくなる。あれは単に実益性というか実際上の役に立ち、楽しいという意味しかない。

無人島に持っていくとしたら、どの本を(そして特に、どの洋書を)持っていくか?それが
問題だ。洋書に限れば、今のところ "Crime and Punishment" だけは持っていくことが
できる。あと、Shakespeare 全集と言いたいところだが、原書でろくに読んでおらず、
読んでも、一行を理解するのにとても時間がかかる。いずれ、本当に Shakespeare 全集を
無人島にでも持っていけると断言できるようになりたい。

そうそう。今の段階でも、The Bible の King James Version は、無人島に持って生きたい。
これをまだ7割くらいしか通読していないけど、これは高校2年のときから今まで、折に触れて
読んできた。クリスチャンじゃないけど、この本はこれからもゆっくり焦らずに読んでいきたい。

201:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 06:15:48.06 g2slJfFH.net
ありがとうございました。

202:名無しさん@英語勉強中
14/05/04 09:24:58.12 p08yDYum.net
【古典文学について】
僕は、必ずしも、現代文学を軽視して古典文学だけを好んでいるわけでもなんでもない。
むしろ、文学全体を眺めたいのだ。そのためには、現代文学だけを読んでいてはダメだと思うのだ。
19世紀どころか、中世とか古代にまでさかのぼっていきたいのだ。ただし英文学に関しては、
Beowulf が最古のものらしいので、そのあたりまで遡りたい。そして英文学を本当に理解するためには、
その近辺のヨーロッパ諸国の文学にもできれば触れたいと思うのだ。いやそれどころか、
特にロシア文学については、どうしても読まないではい�



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