11/04/10 01:01:46.02 Ft4QUdRf.net
具体例を挙げよう。
エッジワースボックスで、経済主体AとBがいて、財aとbがあったとする。
財の初期配分を所与として、財の交換を行った結果、両経済主体ともに
効用を増加させ、いわゆるパレート効率的な配分が達成された。
さて、ここで経済主体Aを日本、経済主体Bをアメリカとする。
財aを自動車、財bを米とする。ここで自由交換が両国において
為されれば、現時点での財の配分よりもパレート効率的な配分を
達成できると思われるが、実際には自由交換(自由貿易)とは
なっていない。つまり、両国間でFTAは達成されていない。
これをどう見るか。両国間でFTAを締結できないということは、
これは両国民において望ましいことであろうか、否か。あるいは、
何がFTA締結を阻む要因となっており、これは一般均衡分析のモデル
(エッジワースボックス)でどう考えればいいのか。
と、まぁ、一般均衡分析の道具としてのエッジワースボックスを
FTA締結の是非について思考するツールとしても利用が可能なはず。
無用ではない。ただ、必要となるケースは霞が関の官庁エコノミスト等
に限られるというだけ。