09/09/27 00:55:15 .net
例えば私達が孤独に耐えかねたら、誰の腕にでもいいからすがりたくなるかもしれない。
してはいけないこととわかっていても、それでも人の温もりを感じたくなることがあるかもしれない。
そういうことです。
それは恋とも遊びとも違うことです。
彼らのいた世界は純粋でも美しい世界でもなく、
愛憎や妬み、嫉み、沢山のドロドロした感情が交錯する世界でした。
肉体が近づく分だけ、心もまた近づいてしまう、そんな世界です。
彼はどこか弱い人でした。
プライベートなことをここで語りたくない人はみな、
その苦しみや寂しさまでをも、彼のダンスの中に見続けてきたのではないでしょうか。
何年も何年も。
少なくとも、私はそうです。
ゲイかどうかは勿論、男とか女とか、偏見とかとは全く違う次元の話ですよ。
ここでもし何か語られることがあっても、それは
雑誌などから得られる、誰でも知ることの出来る情報だけです。
彼の事を本当に知っている人間なら、きっと何も話さないでしょう。
彼を知る人たちは、
そっとしておいてあげてほしい、そう誰もが思うからです。
ハイデは勿論、あのベジャールでさえも、最終的には彼の魂を救うことは出来なかった。
ニジンスキーのように狂ってしまえたら、逆に楽だったのかもしれません。
神に愛でられた者とは苦しいものだなあ、と思います。
だからこそ、その苦しみの果てに生み出された作品をこそ、
語りたい、と思います。