中国近代貨幣収集…このスレ需要ある?Part1 at COLLECT
中国近代貨幣収集…このスレ需要ある?Part1 - 暇つぶし2ch76:狂泉
14/02/16 10:16:43.78 .net
中国銭に見る誤字・脱字(7)
民国時代に陝西省で発行された二分銅幣について所蔵品を調べた。
この銅幣のデザインは;
表面: 中央部の珠圏内に嘉禾図があり、中心部は円環、その上方に”二分”と縦書きしてある。
     上縁に”陝西省造”、下縁に”伍拾枚換銀幣壹圜”とある。
     円環内には円丘、五角星、空心など数種の手変わりがある。
背面: 中央部の珠圏内に双旗図があり、上縁に”中華民国”、下縁に”IMTYPEF"とある。

誤字については下記する物が見つかった;
a. "IMIYPEF"と ”T" が "I" になった物がある(2枚)。
b. 誤字とは言えないかもしれないが、"F"の第一画と第三画の間に円点がある(3枚)。
c. これも誤字ではないが、"M"の両端の "I" と真中の"v"間に隙間があるものが1枚あった。
   ”I”と”v”の合成で”M”ができていることを示唆する一品である。
参考までに、文献12には上記aと "E" と "F" の間に円点がある物が記載されている。
私が興味を引かれたのは誤字よりも "IMTYPEF" である。
何と言う意味であろうか?

77:狂泉
14/02/23 12:58:00.33 .net
中国銭に見る誤字・脱字(8)
"IMTYPEF" の意味について諸文献を調べてみた。
文献11 第8巻:  意味は無く、アルファベットを装飾的に使用
文献12:      1枚大洋幣2分( I Mei Tai Yang Pi Erh Fen )又は1枚大圓幣2分( I Mei Ta Yuan Pi Erh Fen )
文献15:      1枚大洋幣2分
文献3(民国銅元(秋友晃編著 中華銅幣研究会発行)):       1枚大洋幣2分

大勢は”1枚大洋幣2分”であるが異論があるということは決定的な資料が無いということと思われる。
なお”大洋”の意味は「改訂増補 古銭語事典」大鎌淳正著 国書刊行会(以降”文献4”で引用)によると
”中国にて1円銀貨そのものをいう。他に大銀元・大元・銀元・成元などともいう。”とある。
”TYP"の部分を”大洋幣”と解釈することに私は抵抗を感じる。何故なら表面では”伍拾枚換銀幣壹圜”と
表現しており”大洋幣”とは言っていないからである。他の解釈はないものか?
”銀幣”は”Ying Pi"と発音するので”YP”である。”ではTは?”と考えると、No.75 で言及した”Tang"がある。
全体を発音記号で示すと "I Mei Tang Ying Pi Erh Fen" 、 漢字で書くと ”一枚當銀幣二分” となり
表面の表現とも整合性があると自負する次第である。
皆さんは如何に解釈されましょうか?

78:狂泉
14/03/02 10:31:51.06 .net
中国銭に見る誤字・脱字(9)
民国時代に新疆省で発行された銅幣に己巳の干支名(年号、西暦1929年)を持つ物がある。
「己巳」を日本語で訓読みすれば「つちのと・へび」であるが一見して間違いが起きそうな字並びである。
更に厄介なことに良く似た字に「已」と言う漢字がある。この字の意味は「すでに」等であるが、この3文字を
正しく使い分けるのは私など全く自信が無い。況してや約100年前の中国僻地の造幣局では間違いが
起きるのは自然なことであったろう。日本人の名前でも”己”を使って”み”と読ませている例が多いような気がする。
手元の辞典(新選漢和辞典 小林信明編 小学館)にその区別について次のように書かれている:
「ミ(巳)は上に、オノレ、ツチノト(己)下につき、スデニ、ヤム、ノミ(已)中ほどにつく」
前口上はこれくらいにして、発行された銅幣の面・背のデザインを下記する:
No.   面上縁     面中央      面下縁         背    国旗の位置    
(1)  新疆省城造   中華民国    當紅銭十文      双旗       左
(2)  新疆省城造   中華民国    當紅銭二十文    双旗      左
(3)  新疆喀造     中華民国    當紅銭十文      回文     -
(4)  新疆喀造     中華民国    當紅銭十文      銅元     -
(5)  新疆喀造     中華民国    當紅銭十文      双旗      左
(6)  新疆喀什造   中華民国    當紅銭十文      回文     -
(7)  新疆喀什造   中華民国    當紅銭十文      銅元     -
(8)  新疆喀什造   中華民国    當紅銭十文      双旗      左
(9)  新疆喀什造   中華民国    當紅銭十文      双旗      右

なお 私が左右について記述する場合は面背に関わらず銭に向かっての方向を意味するので留意願います。
面の中ほど両側に右に己、左に巳が書かれているが、実際にどの漢字が使用されたか調べてみた。
(次回に続く)

79:名無しのコレクター
14/03/08 03:54:36.32 .net
人少ないですね。まだまだ値上がりしそうな分野の
気がするんですけど。

80:狂泉
14/03/12 12:37:25.92 .net
中国銭に見る誤字・脱字(10)
三つの似た漢字を並べて見ると頭が痛くなるので、これらを以下のように記号化して区別しやすくする:
漢字   代替記号        説明   
己:   O     正書及び第3画の突起が僅かに出ていても已より己に近いものを含む。
已:    N     正書及び第一画が短くて上側が開口していても已と読めるものを含む。
巳:   K     正書及び第一画が短くて開口していても巳と読めるものを含む。 
並べ方は理論的には9通りある。所蔵銭だけでは象の足だけ撫でて象を論じるような感じなので、文献を含めて調査した。
参照した文献は「新疆銅元譜」 馬徳和編著 香港銭幣会(以降”文献15”で引用する)及び”文献11”・”文献12”である。
結果を下表に示すが、○が存在をーが見つからなかったことを意味する。判定には個人差が出ることを承知願います。
No.      OO    ON    OK    NO    NN    NK    KO   KN     KK
(1)     ー     ○     ー    ○    ー    ○    ー    ー    ○
(2)     ー     ○     ○    ー    ー    ー    ー    ー    ー
(3)     ー     ○     ○    ー    ー    ー    ー    ー    ー
(4)     ー     ○     ○    ○    ー    ー    ー    ー    ー
(5)     ー     ー     ー    ー    ○    ー    ー    ー    ー
(6)     ー     ー     ○    ー    ー    ー    ー    ー    ー
(7)     ー     ○     ○    ○    ○    ○    ー    ー    ー
(8)     ○     ○     ○    ○    ○    ○    ー    ー    ○
(9)     ー     ー     ○    ー    ー    ○    ー    ー    ー
皆さんが所蔵される物に新発見がある可能性があるので調べてみられては?  

81:名無しのコレクター
14/03/14 21:50:57.41 .net
既に他のスレ書き込んでしまったのだけど、
俺がもってるこの古銭は中国銭なのか
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)
価値的にはどんなもんですかね

82:狂泉
14/03/19 15:37:42.54 .net
No.81 に対する返答です:
中国江蘇省発行の光緖元寳十文です。
写真で見る限りでは極一般的な物ですが、側面にギザが無ければ稀少度が上がります。
ギザがあれば200円程度でギザが無ければ1000円程度と思います。
背の飛竜の刺が逆向きの物があれば、稀少度が一段と上がります。
この程度の説明で宜しいでしょうか?

83:狂泉
14/04/06 11:23:24.73 .net
中国銭に見る誤字・脱字(11)
清代に新疆省で発行された銀幣に見られる誤字について所蔵する銭で調べてみた。
最初に銀幣の特徴について少し述べよう。他省発行の銀幣では漢文、満文、英文が貨幣上に記されているが、
新疆省のは漢文と回文が主で英文は使用されず、満文ですら少数派であって、その独自性が際立っている。
銅銭の場合紅銭では満文も使用されているのとは対照的である。紅銭は庶民に日常的に使用されたが、
銀幣は使用する人が限られていたというのが満文を使用しなかった理由であろうか?
銀幣の発行は初期の五分銀貨を除けばカシュガル局と廸化局が主流であった(アクス局もあるが短命であった)。
カシュガル局発行の銀幣は局名部分を、"喀什”、”喀造”、”喀什造”と使い分けているがその理由は私にとって興味ある謎である。
なお初期の光緖銀圓は局名が無表示であるが、カシュガル局製造のようである。
餉銀(一銭・二銭・五銭・一両)には局名表示の無いものがあるが、廸化局の発行である。
発行年は回暦が回数字で示されている。回文は右から左へ書くが回数字は左から右なのが面白い。
回暦無表示のものもある(上記餉銀とか大清銀幣五銭の一部等)。
(次回に続く)

84:名無しのコレクター
14/04/29 02:39:47.68 .net
URLリンク(ameblo.jp)

金貨吊り上げ事件についてのまとめ。
参考にして。

85:狂泉
14/05/08 10:47:53.34 .net
中国銭に見る誤字・脱字(13)
江南省で発行された大清銅幣十文は誤字の宝庫と言っても過言ではないであろう。
私が所蔵する10枚の当該コインは誤字については無作為に収集したにも拘らず、実に6枚に誤字があることが判明した。
誤字の説明に入る前にこの大清銅幣のデザインについて述べておきたい。大分類すれば下記のようになる:
 銭種     干支年号      面中央        背の図案       背の標準英文
  A:      丙午      陽寧(円台)       座龍     TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.
  B:      丙午      陽寧(無台)       座龍     TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.
  C:      丙午      陰寧(円台)       水龍     KIANG-NANG TEN CASH
  D:      丁未      陰寧(円台)       座龍     TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.
  E:      戊申      陰寧(円台)       座龍     TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.
面の中央に地名を示す漢字が一字あるが、江南省ではウ冠の下に心、その下に用の字で構成される漢字である。
私のパソコンではこの漢字が呼び出せないので同義語の”寧”で代用する。陽寧とは突起した寧字を意味し、
陰寧とは凹状に彫った寧字である。陽字を採用するのは珍しく江南省と清江(淮)以外には無い。
大清銅幣では背の図案は座龍が標準で銭種Cの水龍は光緖元寳製造で使用された極印の誤使用とも言える例外である。
逆に乙巳年の光緖元寳十文の背に大清龍のデザインが採用された物があるが、これは翌年から発行が予定された
大清銅幣用に準備されたの背の極印を誤使用した物であろう。
ここでは銭種A, B, D, Eの背にある”TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.”の中の誤りが話の対象である。
(続く)

86:狂泉
14/05/18 10:20:28.46 .net
中国銭に見る誤字・脱字(14)
所蔵銭の数も10枚と少ないので全ての銭の状況を下記する。前記した分類毎に追番をつけ
て区別した。Dについては背の龍のデザインが異なるので、D(小顔龍)、D'(中顔龍)、
D'’(大顔龍)と区別した。
 A-1 TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.   (誤字無し)
 A-2 TAI-CI IING-TI-KUO COPPER COIN.   ( H→I I)
 B-1 TAI-CI IING-TI-KUO COPPER COIN.   (同上)
 B-2 TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.   (誤字無し)
 D-1 TAI-CHING-TI-KUO COPPER COIN.   (誤字無し)
 D'-2 TAI-CHI (摩耗して不能読)  COIN.   (判別不能)
 D''-3 T∧I-CI I ING-TI-KUO GOPPER COIN- (A→∧, H→I I, C→G, .→- )
 E-1 T∧I-CI I ING-TI-KUO GOPPER COIN- (同上 )
 E-2 T∧I-CI I ING-TI-KUO GOPPER COIN- (同上 )
 E-3 T∧I-GI I ING-TI-KI IO GOPPER COIN. (A→∧, C→G, H→I I, U→I I, C→G )
”文献12”には”T"が”I"になったものがあると書かれている。これらの誤字が全て含まれた
物があると仮定すると下記のようになる;
      I∧I-GI I ING-I I-KI IO GOPPER COIN-    
皆さんがお持ちののコインはどうなっているかを紹介してもらえませんか?

87:狂泉
14/06/08 11:28:31.82 .net
中国銭に見る誤字・脱字(15)
今回は東三省発行の銀幣”宣統元宝一銭四分四厘”について話したい。
私の所蔵銭を仔細に見てみると誤字のある物が多くあり、今までの真贋の区別に疑問が生じてきた。
そこで所蔵文献で調べてみると一番多くの図版を載せているのは”文献11”第8巻(図版2600~2612)であった。
その内容を文字で表現すると下記のようになる。なお、背龍の記号(A~E)は龍のデザインが異なることを意味する。
No. 面中心     面側花   背龍   背側花               背英文    
( 1) 満文     五角星     A   五角星    (上) FIRST YEAR OF HSUAN TUNG (下) MANCHURIAN PROVINCES
( 2) 満文     六角星     A    六角星    (上) Ist YEAR OF HSUAN TUNG (下) MANCHURIAN PROVINCES
( 3) 満文     三星      A    五角星     (上) FIRST YEAR OF HSUAN TUNG (下) MANCHURIAN PROVINCES
( 4) 満文     三星      B   6弁花    (上) MANCHURIAN PROVIENCES (下) I MACE AND 44 CANDAREENS
( 5) 満文     三星      C   6弁花    (上) MANCHURIAN PROVIENCES (下) I MACE AND 44 CANDAREENS
( 6) 空白     8弁花     D   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVINCES. (下) 1 MACE AND 44 CANDAREENS.
( 7) 空白     8弁花     E   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVINCES. (下) 1 MACE AND 44 CANDAREENS
( 8) 空白     8弁花     C   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVIENCES. (下) 1 MACE AND 44 CANDAREENS
( 9) 空白     8弁花     C   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVIENCES (下) 1 MACE AND 44 CANDAREENS
(10) 梅花星    8弁花     D   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVINCES. (下) I MACE AND 44 CANDAREENS
(11) 梅花星    8弁花下星   D   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVINCES. (下) I MACE AND 44 CANDAREENS
(続く)

88:狂泉
14/06/22 11:00:47.07 .net
中国銭に見る誤字・脱字(16)
(12) 梅花     8弁花     D   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVINCES. (下) I MACE AND 44 CANDAREENS
(13) 梅花(深切)  8弁花     D   8弁花    (上) MANCHURIAN PROVINCES. (下) I MACE AND 44 CANDAREENS
上記官鋳銭にみられる特異点についてまとめると:
* PROVINCES→PROVIENCESの誤字がある(No. 4, 5, 8, 9)。
* PROVINCESの後にピリオドがある(No. 6, 7, 8, 10, 11, 12, 13)。
* CANDAREENSの後にピリオドがある(No. 6)。
* 宣統元宝の宝字がNo. 1~5では尓宝であるが、No. 6~13では缶宝である。
私が所蔵する当該宣統元宝の中には上記13種とは一味違う物が少なからずある。
一目で偽物と判る物もあれば、今回の検討で私鋳銭と結論づけた物もある。
共通的に言えることは、何らかの誤字が存在することである。具体的に示そう:
私鋳-1: (3)に酷似、黄白色、4.8g、背龍小異。英文誤字(FIRSTのF→E, T→I, PROVINCESのV→逆A)
私鋳-2: (10)に酷似、5.3g、面の珠圏の珠数84。英文誤字(MANCHURIANの最初のA→∧)
私鋳-3: (10)に酷似、4.5g、面の珠圏の珠数76。背龍顔小異。英文誤字(PROVIENCES., V→逆A)
私鋳-4: (10)に酷似、4.3g、アルミ光沢。英文誤字(MANCHURIAN中のM→W, A→∧, U→V、PROVIENCES)
私鋳-5: (10)に酷似、4.0g、アルミ光沢。英文誤字(全てのA→∧、CANDAREENS中のR→I)
私鋳-6: (12)に酷似、4.3g、面小字、背龍顔小異、アルミ光沢。英文誤字(PROVIENCES、全てのA→∧)
あなたが持っておられる物は私鋳銭ではないですか?

89:狂泉
14/07/06 14:40:31.94 .net
中国銭に見る誤字・脱字(17)
今回は四川省造光緖元寳二十文に関して調べてみた。私の所有する資料の中で最も詳しいのは”文献12”である。
本書によれば、光緖元寳二十文の中で最も手変わりが多いのが四川省造の物で300種以上あるとのことで、
表面をAからRの17種("I"は欠番)に、背面を1から31の31種類に大分類し、面背の組合せで110種類の写真を掲載している。
本書は稀少度を1~10に別け、最も稀少度の高いものを1としているが、四川省光緖元寳二十文は4~9にランクされている。
表面中央に縦書きで”光緖”、横書きで”元寳(寳字は缶宝)”とあり、上に”四川省造”、下に"當二十”と書かれている。
又、中央の両端に満文で左から”宝”、”川”と書かれている。
背面には英文があり、上に”SZE CHUEN”、下に"20 CASH”と書かれている。中央は飛竜の図である。
私が所蔵するのは18枚であるが、同じ物はないことが今回判明した。誤字について調べると;
(1) "CASH"が"C∧SH"となっている(A→∧): 7枚
(2) "SZE CHUEN"が"SZE CI IUEN"に、 "CASH"が"CASI I"となっている(H→I I): 1枚
(3) "SZE CHUEN"が"SZE OHUEN"に、 "CASH"が"C∧SH"となっている(C→O、A→∧): 1枚
(4) "SZE CHUEN"が"SZE OHUEN"になっている(C→O): 1枚
(5) "光緖元寳"の"寳"字の”目”の部分の最終横画が無い: 4枚
上記の内、(2)、(3)、(4)は極印の摩滅が原因で発生した可能性がある。
皆さんの所蔵銭もチェックして新発見があれば報告して下さい。

90:狂泉
14/08/03 14:56:16.45 .net
中国銭に見る誤字・脱字(18)
今回は吉林省造光緖元寳銀幣に関して調べてみた。調べるにつれて気が重くなって来たのは誤字が多いせいだろうか?
私が所蔵する当該銀幣の数は約20枚であるが、本物が何枚有るのか自分で判らない状況である。何故なら
私の所蔵品を”文献11”第8巻中の図版と対比してみたが、一致する図版は一つも発見できなかったのである。
従って今回は”文献11”第8巻中の図版をベースとして話をすることとする。
一般的に清朝政府発行の銀幣には銀重量が漢字で表面に記されており、発行局によって異なるが背面にも英語で
記されているものがある。吉林省の銀幣は重量が背面に英語で記されているが、使用されている英語が他省とは
異なっている。例を下に示そう;
表面の漢文                             背面の英文
                     吉林省                    他省(湖北、江南、広東、四川、安徽、雲南等)
(1) 庫平七銭二分            +・7・CANDARINS・2・+             7 MACE AND 2 CANDAREENS
(2) 庫平三銭六分            +・3・CANDARINS・6・+             3 MACE AND 6 CANDAREENS
(3) 庫平一銭四分四厘         I MACE AND 44 CANDAREENS            1 MACE AND 4.4 CANDAREENS
(4) 庫平七分二厘          +CANDARINS・72+                     7.2 CANDAREENS
(5) 庫平三分六厘           +36CANDAREENS+                     3.6 CANDAREENS
他省の背面英文は全て正しい英文であるが、吉林省の英文は理解に苦しむ。ただ (3)と(5)は44が4.4の、36が3.6の間違いと
考えれば他省の表現と同じとなり納得できるが、(1)・(2)・(4)はどう解釈すれば良いのだろうか?
(続く)

91:狂泉
14/08/31 11:37:48.51 .net
中国銭に見る誤字・脱字(19)
表面の漢文と比較して"CANDARINS"を素直に”銭"と解釈し、余計な記号を除去して直訳すると:
                     吉林省                   他省(湖北、江南、広東、四川、安徽、雲南等)
(1) 庫平七銭二分            7銭2                     7 銭 2 分
(2) 庫平三銭六分            3銭6                    3 銭 6 分
(3) 庫平一銭四分四厘          1銭4.4分(訂正後)           1 銭 4.4 分
(4) 庫平七分二厘          銭72                         7.2 分
(5) 庫平三分六厘              3.6分(訂正後)                    3.6 分
中国語で"7銭2"は"7銭2分"の意味であるから、吉林省も他省と同じ意味になり一件落着かと思われるがどうであろうか?
適当な辞書が手許に無いので、"CANDARIN"をインターネットで調べると、清朝時代に発行された郵便切手に"壹分銀"と
"CANDARIN"が併記された物が有ることが判明した。即ち"CANDARIN"は"CANDAREEN"と同じで"分"という意味のようである。
私の個人的見解としては吉林省の銀幣に記載されている"CANDARINS"は誤用であり、"MACE"としなければならない。
吉林省の銀幣にはこのほかに下に例示するような誤字が多く有る:
* アルファベットや数字が裏返っている: C、D、E、N、R、S、2、3、7
* アルファベットや数字を誤記している: A→AI、A→∧、A→△、D→I、E→L、M→I I、R→I、S→C、V→逆A、V→∧、7→3
* アルファベットの脱字がある: A、 I
* 漢字に誤字がある: 巳→已、 "吉"の士が土になっている(土吉)
誤りはこの他にも多くある可能性があるので皆さんも手持ちの物を調べてみてください。

92:名無しのコレクター
14/08/31 20:12:51.52 .net
都内の骨董市で1000円で買ったコインなのですが、これは何でしょうか?
調べた限りではなにも分らないので、詳しい人いたら教えて下さい。

表 光緒銀幣 乙已 甘粛省造 庫平一兩
裏 上半分:四本爪の龍 下半分:梅の花?と馬

93:狂泉
14/09/08 15:37:49.59 .net
No.93について何の応答も無いのは寂しいので、素人ながら私見を述べます。
これは通貨では無く、中国絵銭と思われます。
表面の記述が正しいとすれば、1905年に甘粛省で作られたものでしょう。
当時、甘粛省にはまだ造幣廠は無かったので私鋳された物と思われます。
貨幣では無いので、「庫平一両」の価値はありません。
背面の4爪の龍についてですが、5爪ならば皇帝を象徴する龍となりますが、
私鋳品なので不敬罪に問われないため故意に爪数を減らしたと思われます。
中国銭に見られる龍の爪数については、調査して別の機会に報告したいと思います。
馬と梅花の取り合わせについては意味不明です。

94:名無しのコレクター
14/11/08 00:34:01.99 OwshS5WNd
中国の近代貨幣の銀貨や銅貨は面白いですね。

95:名無しのコレクター
15/01/29 13:34:45.46 NRzpJBDZ0
中国の貨幣に手を出してしまったw

96:あぼーん
あぼーん
あぼーん


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch