カール・ベームNo.6at CLASSICAL
カール・ベームNo.6 - 暇つぶし2ch887:指揮して,ベートーヴェンの交響曲をレコーディングしているということ自体に,ことさら理屈をつけることもないだろう。 ベームは,ウィーン・フィルとは大へんに長い年月のつき合いなのである。 なぜベームがベルリン・フィルでなくて,ウィーン・フィルをここで指揮したのかということは,局外者の人たちにはもちろん正確なことはわからない。 レコード会社の方針もそれに加わっていたのかもしれないが,やはりベームの強い要請があったからなのでもあろう。 ベームがなぜ強い要請をしなければならなかったのか。 これを想像してみると,当然にベームは,ベートーヴェンの音楽のひびきや表現にウィーン・フィルの自然発生的なものが もっともよくマッチすると考えたのだろうし,ウィーン・フィルを指揮すれば自分の理想的なベートーヴェンをつくりあげることができると思ったからである。  そこで,今回の《田園》がベームにとって理想的なものであったかどうかということになるわけだが,これもベーム自身の問題であり, 理想がそう簡単に手のとどくところにあるとも思えないし,完成したあとにはすぐに欲がでてくるのも人情である。 それにもかかわらず,この《田園》は,第3者からみてすばらしいききものである。ベームにとってみても,少なくとも理想に接近したできばえのものであろう。  この《田園》と大して時期的にはなれていないときに,ベームは,やはりウィーン・フィルを指揮してモーツァルトの《レクィエム》をレコーディングした(グラモフォン)。




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