16/01/25 21:04:17.05 Kvx/U+8I.net
>>538
ベームのブラ全についてのHMVのユーザーレビューのひとつをご覧あれ。
「中学時代に購入し,当初は熱っぽく緊張感ある演奏を好んでいたためウィーンフィルの美感以外はあまり感心しなかった。
あれから20年が経過,まさにその美感こそが最強の価値であることを,今この響きを失ったウィーンフィルの演奏を聴くにつけヒシヒシと感じた。
おそらく日本公園のあと収録した彼らそして指揮者ベームの中にも,伝統的なウィーンフィルの個性を存分に発揮し最良の形で記録に留めることを
実は真の目的としていたのではないかという思いさえこみ上げてくる。
当時の批評でも「室内楽風」と評され落ち着いた深い呼吸の中で自発的なアンサンブルを誰にも邪魔されず伸び伸びと繰り広げる素晴らしさ。
「彼らのとの演奏は常に喜びでありえも言われぬ懐かしさがある」と発言している最晩年ベームが,それまでのようにそれを
締め付けるのではなくまとめ役として慈しみながら嬉々としてタクトを握っている姿が眼前に浮かんでくる。
没後「ベームの名前は消え去るかもしれない」とあるドイツ評論家の言葉があったが,なかなかどうして,
70年代のウィーンフィルが現代的な精緻さを身につけながらも,最も人懐っこい暖かさと豊潤さ,艶やかで得も言われぬ輝きに溢れていた
「黄金期」のスナップショットとして【世界遺産】として人々の記憶に残る録音だと思う。」
この方のレビュー,なかなか味わい深いではないか。