16/01/15 19:47:15.75 O3I6/K42.net
432 つづき
Deutsce Grammophon MG9411/2
BEETHOVEN SYMPHONY NO.9 解説から
門馬
いまの時代の総体的平均からすればテンポはおそいでしょう。
金子
おそいですね。
門馬
わりあい古きよき時代のテンポの感じですね。
金子
でしょうね。だけど,いまは知らないけれども,私がウィーンに行って一番驚いたのは,モーツァルトがゆっくりなこと。
「フィガロ……」なんていうのは,ローゼンストックにこれは幾ら早くてもいいんだというように習ったわけですよ。
ローゼンストックは3分10秒でやっちゃう。われわれなんかどんな早くても四分以内にならないんですよ。
まあ,ローゼンストックみたいなテクニックを持っている人は少ないけれども。ウィーンに行ったら全部5分以上だもの。
門馬
ずいぶんのんびりと……。
金子
でも,それが何とも言えないホンガラホンガラしたもので……。
門馬
なるほどね。
金子
だからほかのシンフォニーもそうだったけど,ベームに限らず,モーツァルトは全体にゆっくりの感じだったな。
ベートーヴェンでもやっぱりゆっくりだし,シューベルトの「未完成交響曲」にいたってはたいへんなものですよ。
一楽章がものすごくゆっくりで,二楽章が速い。一楽章がアレグロじゃなくてアンダンテで,二楽章がアレグロみたいな感じ。
そのくらい何かある一つの性格によって一つずつ演奏法をきめていくみたいな感じのところがありますね。