15/12/27 22:00:27.26 LFn+Nvdf.net
以下は、ベームの日本公演のCDレビューです。
みなさんはどう思いますか?
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よくある「統率する指揮者、献身的に応えるオーケストラ」という図式は、あまりにも単純過ぎないでしょうか?私の大恩人はウィーンフィルの重鎮でした。
ベームの晩年について先生曰く、「ベームの指揮のとおりに弾いたらよい演奏にならない。音楽が流れないから。そんな演奏をしてジャーナリストにたたかれるのは必ず我々だ。
指揮者じゃない。
だから我々は、指揮を見ているふりをしながら何でも自分たちでやる。
すべきことは全部分かっている。我々は指揮者がいなくたってぜんぜん困らない。
だが、そうして良い演奏になったとき称えられるのはベームだ。我々ではない。
それなのにベームはリハーサルでフォルテだピアノだ、4分音符だ8分音符だなどとうるさい!
本番になれば我々は完璧にやるさ。我々はウィーンフィルなんだぞ(怒)」
先生の指揮者品評会では、ほめていると思って聞いていると、面白い逸話を持ち出しチクリと落とす。
涙が出るほど笑わせていただきました。
先生のような楽員ばかりではなかったろうけれど、このすばらしい日本公演でも指揮者とオーケストラの
関係はもっと複雑で微妙なものだったと思います。
そう思って聞くと、楽しみ方が深まるかも知れません。
ちなみに、その先生が決してチクリとやらなかった指揮者は2人、フルトヴェングラーとシューリヒトでした。