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つづき
しかし……である。
この映画を見に来るのは、当たり前だが『カメ止め!』を見た人たちなのである。超えるべきハードルが段違いに高くなっている。
すでに目が肥えてしまった客を相手に、こんな超低予算作品で、どうにかできるわけがない。
役者だって『カメ止め!』の後を任されるとなれば、とてつもないプレッシャーだろう。
偶然私はプレス試写のとき彼らの挨拶を見ることができたのだが、若くて目が輝いている人もいたものの、
みんな気の毒なくらいに緊張しているのが手に取るようにわかった。
それでも自分たちの手だけで、必死に不慣れな宣伝活動をしようと頑張っていた。
私は若い彼らの、あの心細い表情を思い出すと、言いようのない怒りがわいてくる。いったいこの国の映画業界には、若い連中を育てようという気持ちがあるのか?
かりにも日本の実写映画監督のほとんどが、一生かかってもお目にかかれないほどの実績をあげたのに、次にこんな企画を用意する理由が私にはさっぱりわからない。
考えても見よ。この超低予算映画が、30億を稼ぎ出し、業界を潤した大貢献者たる監督の次作として本当にふさわしいものか? 業界人たちよ、胸を張ってそう言えるか?
キャストも含め監督以外はすべて無名。これはつまり、「上田の名前だけあれば、今ならそこそこ客が来るだろう、だから低予算で十分だよな」
「そうそう、まだ若造だし、経験をつませなきゃいかんよな」ということだ。奇跡を起こした人間の価値が、まったくわかっていない。
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