16/11/28 00:45:24.47 r0HnYB4L.net
「灼熱」
共産圏の崩壊とともに各地で噴出した民族紛争を背景にしている点では「みかんの丘」や
「とうもろこしの島」と同様だが、クロアチア人の男とセルビア人の女の愛憎劇としたことで、
戦争の傷をまた別の角度から照らしていた。
民族の異なる人と恋人同士、友達同士になれるような偏見のない良き人々が、ひとたび
紛争当事者になると望まない対立の片棒を担がされて深く傷つくことになるのは皮肉なことだ。
海岸が重要なロケーションになっているのだが、今ではセルビアは内陸国家になっているので、
映画の合作に名を連ねているセルビア視点からは、より複雑な感慨のある映画なのかもしれない。