14/11/05 01:47:07.42 RoscL87t.net
>>484-485
大林太良氏は、「荒川秀俊氏の「日本漂流漂着史料」で、黒潮に乗って南方から日本へ漂流、
漂着した事例がきわめて少なく、フィリピンの北バターン諸島からの例がある程度です。
これに反して、中国の揚子江(長江)流域以南から、九州、ことに南九州に漂流、漂着する
例は多くみられます。」
漂流、漂着が文化をもたらすロマン派の大林氏に対し、
石井謙治氏は「流れ者の文化は漂着先で定着しにくい。国囲み単位ぐらいの移動を考えないと。
ある程度の力を持っていなければ、「バタン漂流記」でないけれども、奴隷にされちゃうから
何とか逃げ出さなければならないというハメになると思うのです。奴隷か殺されるか、
いずれかのケースで消えてしまう。
日数がかかっても岸を伝わって行く地乗り航法をとるのが普通で、往来しなかったら積極的な
文化の流入はありえないわけです。漂着だけではだめですね。目的意識をもって往復する船が
必要です。
黒潮に乗れば早く倭に行かれるなんて、戻らない限りそんな知識はもち得ないわけですし、
いわんや黒潮に乗ったら早いという認識は、実は自分の位置が常にわかっている近代の航海者の
知恵で初めてわかるわけで、昔の人にはそんなことはわかりません。」と、航海史の現実を
云われたよ。