05/05/11 18:00:38
-黒人霊歌の成り立ち-
16世紀、植民地アメリカを開拓する労働力補給のため、多くの黒人たちがアフリカ各地から奴隷としてアメリカに連れてこられた。
奴隷たちの生活は、救いのない、惨めなものであった。彼らの主人である白人たちは正当化のため、宗教を利用した。
死後の世界の‘完全に精神的な幸福’を教えたのである。そして黒人たちは、その教えに感銘を受ける。
聖書には、迫害されているユダヤ人が神の恵みによって救われる話が多くあり、彼らはその話を自分たちの境遇に重ねたのだ。
英語を読めない奴隷たちは、牧師の説教からのみ、つまり‘音’として、聖書を学んだ。
先天的に音楽感覚の鋭い黒人たちは、その反応をまた‘音’として再生した。
それが黒人霊歌(Negro spiritual)である。黒人奴隷たちの精神的(スピリチュアル)な世界への憧れがニグロ・スピリチュアルになったのである。