12/04/22 16:27:03.02 0
>>99
西ヨーロッパでは、詩とか、俗人むけの説教とか、メモ書きなどには各地の母語が使われたが、
まとまった量の、ある程度知的な内容の文章となるともっぱらラテン語の領分だった。
イタリアでは、14世紀にダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョの三人の文人が出て、
ラテン語とならんでイタリア語で文芸作品を著した。
ダンテはフィレンツェの出身だったので、フィレンツェの方言を使って文章を書いた。
その後この14世紀のイタリア語文が権威化し、イタリア語で文章を書く際にはそれにならうようになった。、
イタリア語は西欧の他の言語に比べてかなり早くに洗練された文章語を得るという恩恵を受けた。
くだって19世紀、14世紀以来のイタリア語から、当時古めかしいと思われた要素を取り除き、口語的な要素を加える形で
文章語が改革され、それが統一イタリアで用いられて現在の標準語となった。
日本の場合、江戸の上流層の使っていた方言を元にして新たに標準語が作られたので、その経緯は異なる。
標準語=首都で用いられる言葉に手を加えて作られた言葉というのがどの言語にも当てはまるわけではない。