なぜ南欧は近代に後進地域になったのかat WHIS
なぜ南欧は近代に後進地域になったのか - 暇つぶし2ch343:世界@名無史さん
11/12/08 20:34:07.13 0
>>325>>331>>333
南ヨーロッパの地中海性気候地域は、主力作物である小麦の生育には、植物学的にはよほど適している。
麦は冬草の一種で、冬の温暖多雨で生育し、初夏の乾燥で小麦色に熟し、乾燥する夏場は種で休眠する。

だが、だからこそ、南欧は小麦の『持続的栽培』には、西欧より向いていなかった。
夏場の南欧は乾燥しすぎて、土が休めない。だから、秋口に南欧の農夫が最初にやることは、
砂漠と化した農地の土を、大きなハンマーで叩いてほぐすことだった。それでも連作は無理。
塩分の蓄積を、夏場にリセットできないという問題も大きい。
ところが、適度に夏雨がある地域だと、「要らない季節」のはずの夏場に、地力を復活させることが出来る。
放置でもいいが、放牧などをすると効果的。南欧と違って、西欧では夏草が生えてくれる。
さらに、塩分の蓄積を夏の雨でリセットすることが可能だった。

こういう、「裏季節の気候の効用」という面は、世界各地の農業にある。典型がインド北部の小麦作で、
何の役に立たないような裏季節のモンスーンの豪雨があるから、メソポタミアのようにならずに済んでいる。
華北などは、春先の雨が僅少で、実は無理ゲーに近いにもかかわらず、
雨期を裏に回す方が、地力維持にはまだ有利なので、夏草の粟から、冬草の小麦に切り替えてしまった。


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