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>>94の続き
オランダ艦隊がポルトガル植民地を攻撃したのは、アフリカ、ベニン湾のプリンシペ、
サン・トメ島が最初で、1598年から翌年にかけておこなわれた。
両島とも、15世紀以来、ポルトガルの奴隷貿易の中心地だった。オランダ人が、
大西洋の対岸のブラジル北東部にはじめて攻撃を加えたのは1624年から25年に
かけてだったが、おそらく西アフリカの奴隷貿易と、ブラジルの砂糖製造産業の
二つを手中に収めて、大西洋経済のかなめを握ろうとしたのであろう。
しかし、ブラジルの奪取はポルトガル側の強い抵抗にあって結局失敗し、
オランダ人は1654年にペルナンブーコから撤退した。その後はカリブ海の
アルーバ、ボネール、クラサオなどの島々に拠り、クラサオを奴隷貿易の基地とした。
西アフリカで、オランダ人は1625年、ポルトガルの奴隷および金貿易の基地
サン・ジョルジョ・ダ・ミナを攻撃して失敗したが、12年後の1637年に占領に
成功して、西アフリカからポルトガル勢力を駆逐し、16以上の基地をつくった。