12/08/14 17:02:56.38 N1Ez707x0
>>599
例を挙げると
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は二部構成の予定だったが、
作者の死によって、第一部が完成した時点で中絶した。
第一部の登場人物アリョーシャは純粋無垢な天使のような存在として描かれており、
あまりに優等生キャラすぎるように見えるのだが、実はカラマーゾフ家の淫蕩の血を
兄弟中最も強く受け継いでいる人物であることがやんわり暗示されている。
作者の知人宛ての書簡によると、第二部で彼はテロリストとなり絞首台にのぼる構想
だったとも言われている。
第一部終盤では彼と子供たちとの心温まる交流も描かれてたりして、
とても道を誤るような人物には思えないんだけど。
手塚治虫の『アドルフに告ぐ』でも、あんなに命の大切さを訴えてた子が
後日談では「うそっ!・・・」と言いたくなるような・・・