12/04/05 03:40:12.16 pQtZ6H8s0
--「カーネーション」でも糸子の老いが丁寧に描かれました。
渡辺あや
「糸子役が夏木マリさんに代わった時、それまでの登場人物の多くが故人となり、舞台や町並みも変わって、私自身すごく喪失感がありました。
でも、それがまさに、老いた糸子が抱えている感情なんです」
「私の住む町でもお年寄りの自殺が多い。私たちの世代が想像するよりもずっと、老いていくのは厳しくつらいと思います。
糸子のモデルはファッションデザイナーのコシノ3姉妹の母、小篠綾子さんですが、晩年が最も輝いていたそうです。
どうすればそうなれるのか、描けるなら描いてみたいと思いました」
--その秘密はわかりましたか。
「小篠さんの座右の銘に『与うるは受くるより幸いなり』という聖書の言葉があります。お年寄りにしか与えられないものがいっぱいある。
私たちもお年寄りに与え、一緒に生きることで、自分の中で育てられるものがある。糸子はしょっちゅう仏壇に手を合わせ、
故人に話しかけます。そんな日常を送った人は『自分が死んでもそうしてもらえる』と信じながら死んでいけると思います」