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戦時中のいわゆる戦意高揚映画については、古川隆久さんという学者が、
『戦時下の日本映画―人々は国策映画を観たか』（吉川弘文館 2003年）
で論じていたけれど、要するにああいう映画は、「お国のためです、
見なさい」って国防婆みたいな人に動員されて仕方なく見に行くもので、
戦争中の一般大衆は、長谷川一夫主演の捕物帖や、エノケンのコメディ
に群がったという史実を、丹念なリサーチであぶり出した名作。
今回、糸子が娘をつれて「集会所」に戦意高揚映画を見に行って、
結局つまんなかったという展開は、そういう歴史研究をしっかり
押さえているんだよね。
近代史オタの自分にとっても、十分満足できる回だった、今日は。