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朝ドラで話題の村岡花子・翻訳の「王子と乞食」は昭和2年に出版された。
話題作には敏感な当時の宝塚では、早くも昭和10年にレヴュー化されている。
「花詩集」に次ぐ白井鉄造の作品で、「メルヘン・ランド」という素敵なタイトルである。
王子エドワードには、可憐な新人娘役の阿古屋珠子が抜擢され、彼女はこの大役で退団したようです。
乞食のトムは、達者なコメデアンで雪組組長でもある、100周年の殿堂入りをした初音麗子。
乞食姿で外界に放り出された王子を危機から救う忠臣マイルス・ヘイドンに、この時期の雪組トップ・汐見洋子で、彼女の代表作と言われている。
宮廷内に閉ざされた王子姿のトムをやさしく見守るセント・ジェームス卿に渋い演技派・室町良子。後に月組組長となる。
トムのお母さんに、梅香ふみ子。退団後に二枚目俳優・森雅之とのスキャンダルで・・・有名。
乞食街の歌姫に雪組トップ娘役・藤花ひさみ、王宮の歌姫に声楽専科の明津麗子と二人の名花が競演。
プロローグや進行役の額縁歌手には、白井レヴューのお馴染みレギュラー・エッチン・タッチンこと三浦時子と橘薫が出ています。
何かワクワクするような舞台が想像されます。
昭和30年代の白井鉄造の「僕は君」は、今思えば「王子と乞食」がベースとなっているようですネ。
この公演中に宝塚大劇場は出火して全焼、2ケ月休演後に新劇場を再建して、公演が再開されています。
小林一三の力なんでしょうが、今より比べものにならない位のエネルギーだったようで・・・。