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そういうわけでR&Bは、元々黒人ポピューラ音楽全般が対象だから、
ジャズ、ブギウギ、ブルース、ゴスペル、コーラス等すべてR&Bだった。
だがジャズはスイングの黒人ビッグバンドがジャンプブルースとモダン
ジャズに別れモダンジャズは独立したジャンルになった。ジャンプブルース
はやがてジャズよりもブギウギ色が強くなり、サキソホーンを中心のインス
トビッグバンドかR&B歌手のバッグバンドになっていった。サックス中心
の黒人インストバンドはやがてエレキギター中心の白人バンドにとってかわ
られた。ブギウギ系はR&Bの主力となったが、白人のロツクンロール歌手
が登場すると彼らに主役を奪われるようになった。コーラスグループはドゥ
アップとして進化したがこれも白人に要素を取り入れられ、白人ポップスの
主流となっていく。こうして60年代なると黒人の手に占有されていたのは
ゴスペル系とブルースしかなかった。白人と違う音楽として黒人達が選んだ
のはゴスペルの流れを組むソウルであった。ブルースは過去の悲惨な思い出
を嘆く歌として忌避されたからである。ブルースはストーンズ以降むしろ白
人が好む音楽となっていく。こうして60年代に残った唯一の黒人音楽がソ
ウルだったわけで一頃はR&B=ソウルだった時代があったわけだ。ちなみ
に白人もソウルフルな歌い方をするようになったが黒人は本物と認めなかった。