10/07/24 15:33:20
過疎ってるので保守ついでに…
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<歌舞伎>初演目前で死去 祖父の無念胸に『暗闇~』 中村橋之助が初役で丑松
2010年7月24日
中村橋之助が八月七日から始まる東京・新橋演舞場の花形歌舞伎第二部(午後二時二十分~)「暗闇の丑松」で、初役の丑松を勤める。
戦前戦後にかけて“股旅物(またたびもの)”などの劇作、大衆小説で活躍した長谷川伸の代表作の一つ。
「六代目尾上菊五郎と僕の祖父の五代目中村福助にあてて書かれた作品ですが、祖父は初演の前に亡くなってしまった。
そんなことからずっとやりたかったお役。祖父への思いを込めて勤めたい」と意欲を燃やす。 (藤英樹)
江戸の板前丑松(橋之助)は一本気な性格。恋人のお米(中村扇雀)との仲を認めないお米の養母を殺し、
お米を兄貴分の四郎兵衛(坂東弥十郎)に預けて旅に出る。ところが丑松の不在の間、四郎兵衛はお米を手込めにして女郎屋に売る。
戻った丑松にお米は顛末(てんまつ)を訴えるが丑松は最初は信じない。お米は絶望して自殺してしまう。
怒りに燃える丑松は四郎兵衛とその女房お今(中村福助)を殺して逃げる。
初演は一九三四年六月の東京劇場。上演を熱望していた六代目菊五郎が丑松を勤め、評判をとり当たり役とした。
美貌(びぼう)の若女方としてお米を勤めるはずだった五代目福助は前年に三十四歳の若さで亡くなってしまったため、
お米は四代目市川男女蔵(三代目左団次)が勤めた。
橋之助は「物語的に暗いと片付けるのはたやすいが、今の世の中に欠落しているテーマではないか。
好きな女性への不器用だけど一途(いちず)な思いは男にありがちなもの。丑松のストレートな生き方に役者として魅力を感じる」と言う。
橋之助の父の中村芝翫も若いころ、二代目尾上松緑の丑松を相手にお米を勤めた。橋之助が「八月に丑松を勤めます」と報告すると、
「それはやってほしいね」と話し、手に持つ包丁は柳刃がいいとあの人は言っていたよ、などと細かいアドバイスをしてくれたという。