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発作は、だいたい30分程度で収まるといわれる。パニック発作が起きて救急車で運ばれたが、
救急車が病院に着く頃には発作は自然に収まり、元気を取り戻した、ということもままあるらしい。
ただ、発作の時間は短いかもしれないが、発作が起こるたびに死ぬかもしれないという恐怖に陥ることが、
この病気を患う人々を悩ます。
「また発作が起きるかもしれない」
そんな予期不安が、患者にとって最もつらいことなのだ。
しかし、パニック障害の本当の恐ろしさは、次の(1)~(3)が繰り返されることで症状が進行し、
(4)の段階へ進む危険があること。広場恐怖とは、発作の恐れから一人で外出できなくなってしまうことだ。
(1)発作が断続的に起こる
(2)予期不安から自身の行動が消極的になる
(3)予期不安が強いと発作が悪化する
(4)広場恐怖やうつ病に進展
例えば、最初の発作が電車やエレベーターの中で起きた場合、それ以後、乗ることが怖くなってしまうという。
長嶋さんは、渋滞が怖くなったり、高速道路で走行できなくなった。大場さんも、風呂場でシャンプー
することが怖くなってしまったそうだ。
以前は、パニック障害は心の病だと考えられていたが、現在では、脳内にあるセロトニン、
ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の乱れが原因であるという仮説が支配的になっている。
つまり、セロトニンが不足すると不安を抑えられなくなり、ノルアドレナリンが強まると不安が増大する。
これが、パニック障害の患者が恐怖や不安を感じる原因ではないか、というわけだ。
確かに、長嶋一茂さんの場合は14年間、大場久美子さんの場合は約10年間という長い闘病生活を送った。
一般的には、薬を飲めば発作が起こらないことや、発作が起きても薬を飲めば良いことなどが
徐々にわかってくれば、パニック障害の治癒率は高いといわれている。
パニック障害になって、「もう社会生活が送れない」などと悲観的になることはないのだ。
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