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開始早々、井戸歳三・兵庫県知事から「薄汚れた画面」とのクレームがついた大河ドラマ『平清盛』(NHK)だが、
今度はインターネットでさらなる物言いがついた。劇中、白河法皇の院政体制について
「王家」という呼称を使っていることに、一部のネットユーザーが猛反発したのである。
ネット上では、「皇室もしくは天皇家と呼ぶべきだ」「NHKは皇室を貶めた!」などと、
批判的な書き込みがあふれている。が、時代考証を担当した東京大学史料編纂所の本郷和人・准教授は反論する。
「清盛の時代は、白河法皇、鳥羽上皇など個人の力が絶大で、天皇家全体を表わす明確な言葉はありませんでした。
一方で、この時代に天皇を『王』や『王者』と書いている例は多数見つかります。
それ以外に使われるのは『主上』『帝』で、『天皇』はほとんど使われません。
そのため『王家』という表現が最も当時の実情に近いと考えられるのです」
中国では「皇帝」が最も位が高く、中国各地や朝鮮など近隣諸国の「王」を従えていると考えられてきた。
そのことを反発した人たちが“不敬”だと批判する根拠になっている。
「『王家』という呼び方を批判する方々は、天皇は中国の皇帝と同格だから、
『王』では侮辱にあたると主張します。しかし当時の人の感覚ではそうならない。
現代よりもはるかに位や身分の上下について敏感だった貴族たちが、
天皇を『王』と書いているのです。決して皇室を貶める意図はありません」
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