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中国のサイバー攻撃体制
■中国、党主導で軍事機密奪い取り
「サイバー攻撃に対して日本は脇が甘いどころか、情報通信技術の流出センターではないか」と有力な米情報筋が警告する。
最近、同筋は日本で闊歩(かっぽ)する中国人スパイ2人を突き止めた。1人の名前は「艾偉」。肩書は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の「2012実験室ハードウエア工程技術規制部部長」。
米政府から産業スパイとして指名手配されている。他の同社技術者とともに有力な大学の情報通信研究室を昨年7月に訪ねていた。
もう1人は、本名「丁文貴」で、日本人名「町(まち)」を名乗る。素性は中国の諜報機関「国家安全部」のサイバー・セキュリティー担当幹部。
今年6月中旬、東京・大手町の通信大手の「データセンター」に通信コンサルタント会社のパートナーとして頻繁に出入りしていた。
データセンターとは情報通信ネットワークの基幹中枢機能を持ち、「サーバー」と呼ばれるコンピューターや大容量記憶装置を備え、顧客からデータを預かり、インターネットの接続や保守・運用サービスを受け持つ。
◆月800件近い攻撃
2011年8月には三菱重工業の取引関係者を装ったメールアドレスからマルウエア(悪意あるプログラム)付きの添付メールが台湾のサーバーから送られ、軍事機密情報が流出した。
同時多発的にIHI、川崎重工業、NECなども攻撃された。今でも防衛、通信、電力など日本の企業を狙い撃つ月間800件近いサイバー攻撃が発生しているが、発信源の特定はできていない。
情報通信をめぐる数々の工作疑惑。ジグソーパズルのように、ばらばらにされた多数の断片をつないでいくと、全体像が見えてくる。
共産党を頂点とする中国という国家が全力を挙げて日本の情報通信システムと関連技術を奪い取ると同時に、サイバー攻撃を含む軍事面で日本を無力化するという謀略である。
◆理研がパートナー
中国では、党が政府、軍、そして人民を支配する。人民解放軍は政府ではなく党に直属する。
軍は中国科学院上海微系統研究所(SIMIT)という情報通信技術開発機関と、レーザー兵器技術開発を手がける中国科学院上海光学精密機械研究所(SIOM)を傘下に置いている。
SIMITとSIOM両研究機関は、衛星通信傍聴、ハッカー攻撃、レーザーによる敵対国の衛星破壊や衛星からの地上攻撃を研究する。鍵となる技術が3次元(3D)の画像処理と伝送技術である。
その両研究機関に日本を代表する研究機関がパートナー役を買って出ている。
SIMITの相手は独立行政法人「情報通信研究機構(NICT)」であり、SIOMはSTAP(スタップ)細胞で揺れる独立行政法人「理化学研究所」(理研)である。(サイバー問題取材班)
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