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6日午後2時、ソウルのセブランス病院4階内視鏡室。消化器内科のイ・ヨンチャン教授が60代の食道がん患者のがん細胞を内視鏡
で切除する手術をしていた。イ教授は消化器内視鏡治療では世界でも指折りの権威だ。そんな彼が手にしているのは日本製の装備だ。
世界の内視鏡市場の70%、韓国の内視鏡市場の90%を占めるオリンパスの内視鏡「イーヴィスルセラGIF-H260Z」だ。光学素材
で日本の技術力が独歩的であるためだ。内視鏡用メスもオリンパス製品だ。
イ教授は「国産製品は質も低いが医療装備分野で必要なハードウェアとソフトウェアに対するアフターサービスがしっかりできていない」
と話した。
韓国の製造業は基礎が弱い。組み立てを中心にした大量生産はよくやる。だが、核心素材や材料は依然として海外製品に頼っている。
特に内視鏡のように日本のメーカーがなければ最初から作れなかったり使えないものばかりだ。
日本を抜いて世界2位に上がった半導体がそんな製品のひとつだ。新製品開発は最高水準だが、主材料や製品を作る機器はほとんどが
外国製品だ。日本の経済産業省によると世界の半導体メーカーが使うシリコンウェハーは7割が日本製だ。ウェハーに塗る感光材は99%、
半導体用遮断材は78%のシェアを日本が握っている。昨年の韓国の半導体装備の国産化率は20.6%にすぎない。
韓国科学技術大学院のキム・グァンソン機械工学教授は、「半導体装備・材料分野が韓国製造業の現住所とみれば良い」と指摘した。
生活用品も例外ではない。韓国の免税店で中国人観光客は韓国の化粧品を買いあさっている。しかしこれほど売れている韓国化粧品
の原料の80%は海外から買っている。高価な機能性化粧品であるほど輸入依存度が高い。1990~2003年に韓国、日本、米国、
欧州で登録された美白関連特許は684件に上り、このうち日本の特許が63%に達する。
設計能力も大きく劣る。巨済島(コジェド)にはフランス人がとても多い。450人余りのほとんどがフランスのエンジニアリング会社テクニップ
の従業員と家族だ。彼らが巨済島に集まって暮らす理由は、韓国の造船所が作る海洋プラントを設計し技術アドバイスをするためだ。
世界の造船所建造能力で韓国の造船会社は1~5位を占めている。しかしその設計能力はフランス人が常駐しなければならないほど
後れている。
産業通商資源部によると韓国の造船資材自給率は20%にすぎない。設計能力は米国の73%水準にしかならない。こうしてみると
10億ドルの海洋プラントを受注しても韓国に残る分は4億2000万ドルにすぎない。
高い技術が必要な製品や素材分野だけのことではない。基礎的な産業それ自体が揺らいでいる。アップルのiPhoneやマックブックの
流麗なデザインは独自の金型技術で1枚のアルミニウム板から最大限多くの部分を接合しないで作る「ユニボディ」があるので可能だ。
しかし韓国では基礎技術もますます弱くなっている。京畿道華城(キョンギド・ファソン)のトウソリューションは日本の家電・自動車メーカー
の協力会社から注文を受け金型を作り輸出する零細金型企業だ。だが、この会社は2階建ての事務所の1階は賃貸に出し、2階の
半分は空いている。中国と東南アジアの企業が成長し受注が急に途切れたためだ。韓国金型工業協同組合のイム・ヨンテク理事は、
「金型はすべての製造業の根幹になる産業だが、金型会社が厳しいということは製造業の生態系が根底から揺らいでいるもの」と指摘した。
キム・グァンソン教授は「人材はすでに作られたものを管理する所ではなく、機械を直接作る企業に行かなければならない。
エンジニアの処遇が良くなり優秀人材が集まる好循環が必要だ」と話している。
ソース:中央日報 2014年08月20日10時16分
URLリンク(japanese.joins.com)
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