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朝鮮人追悼碑撤去、きっかけは抗議・批判 群馬県
2014年7月22日05時10分
群馬の県立公園に立つ戦時中に動員・徴用された朝鮮人犠牲者の追悼碑を撤去するよう、
群馬県が碑を管理する市民団体に求めている。
応じなければ、すでに期限を過ぎている設置許可更新を認めない構えだ。
ここ数年、県に多数寄せられるようになった抗議や批判の声がきっかけだった。
■設置不許可も視野
県立公園「群馬の森」(高崎市)の追悼碑は、
地元の市民団体「群馬県朝鮮人・韓国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」が2004年、
県内の建設現場や鉱山で働き死亡した朝鮮人の追悼を目的に建立した。「強制連行」を
「労務動員」とするなど政府見解に沿う内容に県と碑文を調整し、10年間の設置許可を得た。
後継の市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」が管理を続け、
今年1月末の期限を前に設置許可の更新を申請。県はこれを保留した。きっかけは、在日外国人に
厳しい姿勢をとる団体のメンバーらから寄せられた、撤去を求める抗議や批判の意見だった。
守る会が12年まで碑の前で開いた追悼集会で、来賓の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)
関係者が「日本政府は強制連行の真相究明に誠実に取り組まない」などと発言したことが
「政治利用だ」と批判された。県の許可更新の審査は、この発言の有無を確認する形で進んだ。
6月には、県議会が撤去を求める請願3件を採択。県は集会が「政治的行事及び管理を行わない」
という設置許可条件などに抵触すると判断。今月11日、守る会側に碑の自主撤去を求めた。
守る会は拒否して更新を求めているが、県は応じなければ不許可の決定も辞さない姿勢だ。
守る会代表委員の一人、角田義一・元参院副議長は
「集会は追悼行事で、来賓の言動で撤去を求めるのは管理者権限の濫用(らんよう)。
政治的かどうかの県の判断も恣意(しい)的なものだ」と反論する。(馬場由美子、上田雅文)
■識者「多様な表現認めよ」
群馬県の対応について、新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は、
問題の背景に「多様性を認めず同調を求める世の中の雰囲気がある」と指摘。
「安倍政権の下で続いてきた日韓・日朝の緊張状態が、抗議電話や請願として市民レベルで
具現化した。県の姿勢は時の政権の方向性に沿った判断とも受け取れる。外国人排斥を叫ぶ
ヘイトスピーチや、護憲集会の後援を自治体が拒否した問題と根底は同じだ」との見方を示す。
また、阪口正二郎・一橋大教授(憲法学)は「撤去を求めること自体は法に触れるとは言えない」
とした上で、「望ましい姿ではなく、『行政の中立性』を盾にした事なかれ主義だ」と疑問視。
「メッセージ性を持つ碑や像は少なくない。碑を撤去させれば、県自らが碑のメッセージを否定し、
政治的主張を発することになる。行政の役割は多様な意見表明の場を確保すること。
否定ではなく、より多くの表現活動を認めることで中立性を担保すべきだ」と話す。
同様の事例は、ほかの自治体でも起きている。
長崎市では1月、在日本大韓民国民団長崎県地方本部が、
平和公園への韓国人原爆犠牲者慰霊碑の設置許可を申請したが、市は判断を保留している。
市によると、日本政府による強制労働を非難する内容を含む碑文案に、
1千件以上の意見が寄せられ、大半が批判的だった。建立反対の陳情も市議会に出された。
奈良県天理市は4月、市と市教育委員会が1995年に市有地の海軍飛行場跡地に建てた
説明板を取り外した。強制連行や慰安所の説明部分について抗議が寄せられ、
市は説明板を市役所で保管しているという。(仲田一平)