14/07/20 22:33:26.33
京畿(キョンギ)富川(プチョン)の建設現場で‘肉体労働者’として働くチ・チョルス(38)氏の故郷は中国吉林省延吉だ。 韓国で
ナ・ゴジャという今の夫人に出会い、2007年に結婚して韓国に帰化した。 肉体労働の辛さも一人娘(7)の顔を見れば忘れられた。
だが、この頃は彼の顔に憂いがあふれている。 去る5月、三星(サムスン)物産という巨大企業がチ氏と彼の同僚のハン・某(42)氏
を相手に1億100ウォンを弁償しろと損害賠償訴訟を起こしたという訴状を受け取って以来だ。
我慢ならないことが始まったのは今年初めだ。 チ氏は京畿(キョンギ)富川(プチョン)で三星物産が施工を受注したレミアンアパート
建設現場で型枠大工として働いていた。 三星物産と鉄筋・コンクリートなどの骨組工程下請け契約を結んだウォンヨン建業と勤労契約
を結び、設計図面どおりに型枠を組んだ。 2月頃に彼が属する全国建設労組がウォンヨン建業側に日当1万ウォンの引き上げと一日の
労働時間を10時間から1時間減らした9時間にすることを内容とする団体協約を結ぼうと言って交渉を要求した。
団体交渉は憲法上の労働3権の一つであり、その結果は別にして交渉はできると考えた。 だが返ってきた答は100人余りの型枠大工
のうち建設労組に所属する21人を2月28日付で契約解除するという通知だった。 キム・テボム建設労組京畿中西部建設支部長は
「通常、建設労働者が締結する勤労契約書は、該当工事が終わる時点が勤労契約の終了日だ。 内容のない契約書の最下段に署名
捺印だけして会社に渡す」として、会社側が労組員だけを狙い撃ちで不当解雇したと主張した。
これに反発したチ氏とハン氏は3月4日、原職復帰を要求して現場にあった高さ50メートルのタワークレーンに登り占拠籠城した。
21人のうち二人が先鋒を担いだのは、業務能力が認められてチーム長と班長の職責を務めていたことに伴う責任意識のためだった。
だが、籠城20日目の3月24日、二人は地上に降りなければならなかった。 籠城期間の賃金に相当する金を受け取ることにしただけで、
復職も団体協約の締結も実現しない憂鬱な結果だった。
結局、他の現場に移り仕事をしている間に彼に訴状が舞い込んできた。 三星物産は訴状で「被告の無断占拠期間にタワークレーン
を利用した工事が実行できず、工事の進行に支障を受けた。 そのために勤労者投入、移動式クレーンの設置など、追加費用、損失が
発生した」と1億100ウォンの損賠請求理由を明らかにした。 民事賠償の訴訟価額が1億ウォン以下なら高額単独事件、1億ウォン超は
合議事件に分かれる。訴訟を起こす側が裁判途中に裁判所の変更を防ぎ、裁判を速かに受けるため1億ウォンに100ウォンを加えた
訴訟を起こす事例が多い。
チ氏は20日＜ハンギョレ＞との通話で「持ってきたのはこの身一つで、その日暮らしなのに、大韓民国に来て日雇いで熱心に働いて
誰にも迷惑をかけずに暮らしてきたのに1億ウォンとは…。 弱者は黙って死ねということか」と話した。
ソース（ハンギョレ） URLﾘﾝｸ(japan.hani.co.kr)