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【日経/FT】アメリカが直面する南シナ海の現実 消えた米中合意[07/11] - 暇つぶし2ch1:ロンメル銭湯兵 ★@転載は禁止
14/07/11 19:47:14.33
By Geoff Dyer and Demetri Sevastopulo

(2014年7月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(翻訳協力 JBpress)

 2012年6月、米中両国の政府高官がバージニア州南部で会談し、南シナ海で2カ月間続いている危険なにらみ合いについて議論した。

 中国、フィリピン双方の数十隻の政府船舶と漁船が、フィリピン沿岸から120海里離れたところにあり、両国が領有権を主張する
スカボロー礁の周辺海域に集結していた。海軍同士が衝突する現実的な可能性があるように見えた。

 台風の季節が急速に迫り来る中、米国は事態の打開を仲介しようとした。米国のアジア外交の責任者であるカート・キャンベル氏と
中国外交部の傅瑩外務次官(当時)の会談の終わりには、米国は、双方が撤収するとの合意が得られたと考えていた。
 翌週、フィリピン側の船舶はスカボロー礁を離れ、自国へ戻った。

 中国勢はその場にとどまった。それから2年たった今も、その残響が感じられる。

 中国政府の一部関係者は、「スカボロー・モデル」について語る。一度に1カ所ずつ岩礁などを奪取することで、中国が徐々に西太平洋の
支配権を確立するためのテンプレートである。つまり、対立の理由を決して与えることなく、米国をゆっくり締め出す漸進的な修正主義の一種だ。

 ワシントンでは、米政府高官が中国側の不誠実な行為と見なすものに対する恨みが、オバマ政権内の激しい議論を形成している。
 しばしば中国の「サラミ・スライス」作戦と表現されるものへいかに対応するかについてである。

■再検討される「エアシー・バトル」構想

 米国はここ数カ月で、南シナ海に対するアプローチについて2つの大きな結論に達した。1つ目は、米国の抑止の努力が限定的な影響しか
もたらしていないことだ。2010年以降の米国の関心とレトリックにもかかわらず、中国は近隣諸国と米国をいら立たせるような形で現状を
ゆっくりと変え続けてきた。

 2つ目は、アジア地域における米国の軍事戦略が、ある程度、間違った問題提起だったということだ。

 米国防総省にいる一流の頭脳は数年前から、米国はどうすれば中国との長い戦いに勝てるかという問題に重点的に取り組み、紛争時に
米国の航空機と船舶が係争地域に継続的にアクセスできるようにするための「エアシー・バトル」構想に行き着いた。

 だが、米国はそれとは大きく異なる軍事的挑戦に直面しているというのが現実だ。これは、往々にして海軍ではなく民間の船舶が出動する、
中国による忍び寄るような支配権確立であり、通常であれば、米国の軍事対応の正当な理由にならないグレーゾーンだ。

 「我々は、仮想的な大戦争について考えるのを控え、日々直面している実際の状況についてもっと考える必要がある」。アジア地域の
元米軍最高司令官はこう話す。「中国の裏をかく戦略を練ることは、無理ではないはずだ」

 検討されている選択肢は、偵察機やレーダーなどを使い中国の行動に関する情報収集を強化することと、新たな領域を支配下に置こうとする
中国の取り組みを阻止する空軍、海軍の作戦の強化を軸としている。(>>2以降へ続く)

日本経済新聞 2014/7/11 7:00
URLリンク(www.nikkei.com)
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