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韓国に「第三のビール」が登場した。「OBビール」と「ハイト真露」の2社独占が続いてきたビール市場に今春、財閥企業のロッテが
参入。ビール通から「後味すっきりはいいけれど、薄味で水っぽい」と評される韓国ビールに新風を吹き込んだ。2社の牙城を崩せるか、
業界の注目を集めている。
韓国で初めてビールが製造されたのは日本統治下の1933年。キリンビール系が「OB」、サッポロビール系が「ハイト」になり、激しい
シェア争いを繰り広げてきた。現在は6対4でOBがリードする。
両社とも主力商品の味はのど越し重視の「すっきり系」だ。韓国ではビールに焼酎などを混ぜて「爆弾酒」として酒席で酌み交わす
習慣がある。「すっきり味のビールは爆弾酒向き。辛い料理にも合う」と支持されてきた。
ただ、本場の欧州ビールに比べると、水っぽく薄い印象は否めない。2012年には英誌エコノミストが「立派な料理、さえないビール」
と題した記事を載せた。英国の設備を使った北朝鮮産と比較して「ビールだけは北朝鮮が韓国を上回る」と書き、物議を醸したことも
あった。
◇ドイツ式製法
そこで新規参入のロッテが投入したのが「クラウド」。国内既存品が発酵原液を水で薄めるのに対し、発酵原液をそのまま製品化する
ドイツの製法を採用した。こくや香りの豊かさ、香りの発散や酸化を防ぐ「泡持ち」のよさが特徴だ。
「市場調査の結果、国産ビールに対する消費者の不満が強かった。ビール固有の味を出せば成功すると考えた」と金朝日(キムジョイル)・
広報チーム長。大型スーパーでの販売価格(355ミリリットル缶)は約150円。両社の主力商品よりも20円ほど高く、プレミアムビールと
位置づける。
ロッテはこれを全国に張り巡らせた流通網に乗せ、販売攻勢を仕掛けた。系列のロッテマートでは「クラウド」の売り上げは4月22日の
発売開始から1カ月間でビール全体の13・2%に上ったという。
◇日本とも競合
一方、迎え撃つ既存2社。「ハイト」は主力商品の原材料やラベルを一新し、欧州の研究所と開発した新商品も投入した。「OB」は
英国式プレミアムビールの販売を始めた。
全体の13%を占める韓国の輸入ビール市場でトップの座にある日本メーカーも無関係ではない。
そもそもロッテグループにはアサヒビールとの合弁会社があり「スーパードライ」を輸入販売してきた。「影響を懸念するアサヒはロッテの
単独参入に難色を示したが、押し切られた」というのが業界の通説で、アサヒが合弁会社の株式持ち分を増やす動きを含めてさまざまな
臆測を呼ぶ。
ロッテは17年に工場を増設する。フル生産すれば国産シェア20%台に乗る計算だ。金さんは「今年の目標はシェア3%。薄味ビール
が主流の韓国でも嗜好(しこう)が多様化し、消費者はいろんな味を求めている」と話す。
ソース(西日本新聞) URLリンク(www.nishinippon.co.jp)
写真=韓国ビール市場に参入したロッテの「クラウド」(中央)。左はOBビールの「カス」、右はハイト真露の「ハイト」
URLリンク(www.nishinippon.co.jp)