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【記者手帳】「遠洋漁業大国」のメンツ丸つぶれ
EUが韓国を違法操業国指定
海洋水産部の対応の遅れが原因
韓国の遠洋漁船による漁獲量制限違反など違法操業を問題視している欧州連合(EU)が、韓国を違法
操業国として指定する見通しとなり、国際社会で大きくメンツをつぶす可能性が高まっている。EUの
調査団は9日に来韓し、韓国国内での違法操業監視システムについてすでに実態調査を行っているが、
違法操業国への指定を阻止するのは簡単ではなさそうだ。
韓国と共に違法操業国に指定される見通しの国はスリランカ、トーゴ、ガーナ、フィジーなどで、
いずれも開発途上国だ。これらの国々と同じ扱いを受けてしまえば、世界5大遠洋漁業国としての
プライドにも大きく傷が付く。
このような状況を招いたのは、海洋水産部(省に相当)の安易な対応によるものと考えられる。
1966年に遠洋漁業を開始した韓国は、1980年代まで海外で特別な制約なしに魚を捕り続けた。ところが
1990年代後半になると、漁業資源の枯渇に危機感を持った国連食糧農業機関(FAO)が操業方法に
ついての勧告基準を定め、これを各国に通知したことで雰囲気が変わり始めた。
ところが海洋水産部はこの世界的な流れの深刻さに気が付かなかった。海洋水産部の関係者は
「1990年代後半から違法操業を取り締まるよう求める文書が国際機関から何度も送付されていたが、
業界保護のためこれまでと同じやり方の操業を続けても目をつむってきたのは事実だ」と述べた。
2008年にはEUがFAOの基準を法制化し、これに強制力を与えた。これが一種の「グローバル
スタンダード」として定着したが、海洋水産部はEUから違法操業国として予備指定された昨年までの
5年間、何の対応も取ってこなかったのだ。
EUが問題視している西アフリカ沿岸での韓国漁船の操業は非常に悪質だった。海洋水産部によると、
沿岸国の領海(海岸線から12カイリ=約22キロ以内)を平気で侵犯して操業を続け、また国籍を
知られないようにするためアフリカの漁船に偽装し、これが摘発されることもあった。西アフリカ
沿岸で操業する韓国の遠洋漁船はこれまで40隻前後にとどまっていたため、海洋水産部がもう少し
真剣に対応していれば、不祥事を阻止することはできたはずだった。だが海洋水産部は昨年まで、
違法操業に対して2億ウォン(約2000万円)以下の課徴金を徴収する程度の処罰しか行って
こなかった。韓国は情報技術(IT)が高度に発達した国として世界から認められているが、遠洋
漁船の位置を監視するシステム(VMS)が導入されたのは今年に入ってからだ。国民は旅客船
「セウォル号」沈没事故の際、海洋水産部が旅客船の安全対策強化策を後追いのような形で取り
まとめるなど、そのずさんな対応を目の当たりにした。「牛が逃げた後で小屋を直す(失敗して
から後悔しても意味がない)」ということわざ通りの行動を繰り返す海洋水産部に対し、国民は
これ以上理解を示すことが難しくなりそうだ。
孫振碩(ソン・ジンソク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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