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高麗大学社会学科のイ・ミョンジン教授は「現実的な部分が大きく作用したようだ。昔は米国などその他の先進国に住むことが韓国に
住むよりも質の高い生活を保障する側面があったが、2009年のグローバル金融危機などを通じて状況が変わった」と指摘した。イ教授は
「一方、その間に海外の国々が韓国を見る目が変わって今では簡単に手放すことができない国になった。国外永住権者らにとって軍隊
での服務は、韓国で活動するための免許証のようなもの」と説明した。
また、政府の努力も一役買っている。兵務庁は、国外永住権者などの入隊を奨励するために、2004年から「永住権者などの入隊希望者
出願制度」を運営している。入隊を希望する場合は、徴兵検査の日程や場所、入隊日を本人が直接選択できるようにしている。また軍隊の
服務期間は1年で、その間に1、2回は定期休暇を利用して永住権のある国に行くことが許されており、その際は往復航空券も支給される。
1年に1回は該当国を訪問しなければ永住権が消滅してしまうが、これを防ぐためだ。
兵務庁のパク・チャンミョン庁長は「国外永住権者などが大韓民国の国民としてのプライドを感じるのはもちろんのこと、兵役義務の
履行が個人の人生にとって誇りある経歴となるように、法的にも制度的にもさらに補完し、発展させていく計画」と明らかにした。
■私の青春に「忠誠」を誓うようになった理由
キム・サンフン上等兵は「今後、韓国企業で働きたくて入隊した」と話した。キム上等兵は「韓国で就職や何らかの活動をする場合は、
韓国国籍を保持していることが望ましく思えた。軍の服務を終えれば、二重国籍を維持できると聞いている」と話した。実際に昨年、
兵務庁が軍服務中の永住権保持者115人を対象にアンケート調査を行った結果、志願入隊した動機の1位は「韓国での安定した生活と
自分自身の発展」(75人〈65.2%〉)であることが分かった。
兵務庁の関係者は「昔と違い、最近では『韓国で就職して成功するためには軍隊に必ず行かなければならない』という認識が強い。
軍隊生活を通じて習得した組職文化への適応力と業務に対する責任感などが就職戦争の中で強みとして作用するため」と説明した。
昨年、就職ポータルサイト「サラミン」が272社の人事担当者を対象にアンケート調査を行った際も「面接などの採用過程で兵役履行者
を肯定的に評価したことがある」という回答が87.1%に上った。
韓国人としての義務感を入隊理由に挙げたケースもある。海兵隊1160期で入隊、西海(黄海)最北端のペンニョン島で軍隊生活を送り、
今年1月に転役したファン・ミニクさん(25)がこうしたケースだ。カナダの永住権を持つファンさんは「2010年に哨戒艦『天安』爆沈事件で
戦死したほとんどの海軍兵士、延坪島砲撃事件で戦死したソ・ジョンウ下士官とムン・グァンウク一等兵は、皆私と同年代だった。
祖国を守るために命をささげて下さった方々のおかげで、多くの恩恵と権利を得ることができたが、私もそれ相応の義務を負うべきだと
思った」と明らかにした。昨年兵務庁が実施したアンケート調査でも、志願入隊の動機2位は「兵役履行への義務感」(23.5%)だった。
長年の海外生活で揺れる韓国人としてのアイデンティティーを確立するために、軍への服務を希望したケースもある。2012年9月に
入隊した国軍体育部隊勤務支援隊所属のイ・ハンジン兵長(23)は「韓国語も上手で韓国文化にも慣れている『本当の韓国人』に
なりたくて入隊した」と話した。米国のロサンゼルスで生まれ、英国のサウサンプトンで幼年時代を過ごしたイ兵長は、米サンディエゴの
カリフォルニア大学応用数学科2年生のときに入隊を決めた。イ兵長は「卒業が2年遅れるなど時間を無駄にするようでためらったが、
『軍隊で得られることははるかに多い』という父の忠告を聞き、悩んだ揚げ句、入隊することになった」と話した。
(さらに続きます)