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〈閑話休題〉まやかしと詭弁ーー「集団自衛権の行使容認」騒ぎ
戦争の口実なんて、どうにもなる。これが、侵略戦争の教訓ではなかったか。1931年の
満州事変は、日本軍の謀略によって引き起こされたし、ベトナム戦争の発端となった
「トンキン湾事件」は、北ベトナムの魚雷艇によって攻撃されたとして、米空軍が北爆を
開始したとされた。しかし、7年後、ニューヨーク・タイムズ紙によって真相が暴露された。
この事件は米政府がベトナム戦争介入のためにでっちあげた事件であり、ペンタゴンの
自作自演だったのだ。イラク戦争は、大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威があると言って、
米英軍が始めた戦争だったことは、いまでは世界中の人が知っている。
戦争はすべてのものを奪い、殺し、壊す。第2次世界大戦において、日本はアジア各国の
2000万人以上を殺りくし、自国民300万人に上る犠牲によって敗戦に至った。戦争放棄と
戦力不保持の憲法九条は、その血塗られた歴史の上に成り立っていることすらすっかり
忘れているようだ。安倍首相の悲願は、誰もが知るように、いつでも「戦争ができる国」
造り。すでに自民党内の反対派はほぼ一掃され、楯突く者もいない。メディアも学界も
意のまま。そうした中での最後の仕上げに入ったのが、「集団自衛権の行使容認」騒ぎ。
安倍首相は「憲法の平和主義を守り抜く」ためのものだと強弁する。
かつて、1890年の帝国議会で山県有朋首相が演説し、国家独立自衛のために「利益線」を
「保護」すると宣言した。「利益線」とは、朝鮮であり、「保護」とは、侵略のことで
あった。あれから124年。まやかしと詭弁のレトリックを弄しながら、再び、侵略の
矛先を朝鮮半島に向けようとする騒ぎを、植民地支配という辛酸をなめた朝鮮民族として、
傍観するわけにはいかない。(粉)
朝鮮新報
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