14/05/29 20:19:33.56
(長文です)
中国が韓国に「属国に戻れ」と命じた。韓国の「離米従中」もここまで来たか、と思わざるを得ない。読者の疑問に答える。
・「朝貢しろ」
--「中国が韓国に『朝貢しろ』と言い出した」と聞きました。
鈴置:5月15日に朝鮮日報が「中国の朝貢論 日本の嫌韓論」(韓国語)という記事で報じました。筆者は政治部のぺ・ソンギュ次長。
日本語版にも載りましたから、こちらでも結構、話題になりました。
日本語版の無料サイトは期限切れで、同紙会員以外は読めなくなっています。韓国語版では有料セクションに載りました。そこで
この記事の「朝貢要求」の部分を以下に要約します。
少し前、韓中の政府間の定期協議で中国の当局者が韓国政府の関係者に対し「朝貢外交に戻ったらどうか」と探りを入れる発言をしたという。
朝貢とは中国周辺の国が中国に定期的に使節を送り貢物を納める代わりに、中国から安全を保障され貿易する前近代的な国際関係だ。
昨年、中国の一部学者が主張し始めた「朝貢外交復活論」を中国の当局者が口にしたのは初めてだ。公式的な発言ではないにしろ、
当局者が口にするにはあまりに不適切だ。
・関ヶ原の戦いの前
--属国に戻れ、ということですね。
鈴置:その通りです。中国の歴代王朝は1895年に日清戦争で敗れるまで、朝鮮半島の王朝を冊封体制に組み込んでいました。長い間、
中国人にとって朝鮮は属国、朝鮮人にとって中国は宗主国だったのです(注1)。
(注1) 冊封体制や「朝貢国」「属国」に関しては京都府立大学の岡本隆司准教授が「『対馬は韓国のものだ』と言い出した韓国人」
「『中華世界』復活を喜ぶ韓国人」で分かりやすく説明している。
朝鮮は1910年に日本の植民地となったのですが、日本が負けたために1945年に独立、同時に南北に分かれました。韓国は朝鮮戦争
(1950-1953年)を機に米国と同盟を結び、その勢力圏に入りました。
韓国は米国のもとで経済成長に成功しました。そこに今、中国が「朝貢しろ」つまり「米国の子分はやめてこっちに戻れ」と言い出したのです。
--なぜ今、中国が朝貢を要求するのでしょうか?
鈴置:米中の囲い込み合戦が本格化したからです。関ヶ原の戦いの前を想像下さい。徳川方と豊臣方はそれぞれ全国の大名に対し、
自分の陣営に参加するよう求めました。多数派工作です。
今、アジアはそれと似た状況です。対立を深める米中は各国の取り込みに動いています。米国以外は選びようのない日本に住んでいると、
その空気が分かりにくいのですが。
4月下旬のオバマ大統領のアジア歴訪は、米国の多数派工作そのものでした。日本、フィリピンとは同盟強化を約束しました。
中立国であるマレーシアも訪れ、経済面の関係拡大を訴えました。もちろん、中国を意識したものです。(>>2以降へ続く)
日経ビジネスオンライン 2014年5月29日(木)
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