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【ニューデリー金子淳】
インド総選挙で圧勝したインド人民党のナレンドラ・モディ氏(63)は26日夕(日本時間同日夜)、首相に就任した。
任期は5年。就任宣誓式には南アジアなどの8カ国首脳が招待され、カシミール地方の領有権問題を抱える
パキスタンの首相が初めて出席。早くも「モディ外交」がスタートした。近隣国との関係強化を目指す背景には、
存在感を増す隣国・中国の存在があるとみられる。
就任宣誓式は首都ニューデリーの大統領官邸で行われ、約4000人が出席した。モディ氏はヒンディー語で
「全ての人に対し憲法と法律にのっとり公正に統治する」と宣誓。新内閣は人数が絞られ、モディ氏が掲げる
「小さい政府で大きな統治」とのスローガンに沿った形となった。就任とほぼ同時に首相府のウェブサイトが更新され、
「ともにインドのすばらしい未来を描こう」「私は技術とソーシャルメディアの力を信じている」などとするメッセージが掲載された。
パキスタンのシャリフ首相をはじめ、アフガニスタン、スリランカなど南アジア地域協力連合(SAARC)加盟7カ国と
インド系移民が多いアフリカの島国モーリシャスの首脳を招待。バングラデシュのハシナ首相は訪日中で議会議長の
代理出席となったが、7カ国の首脳が訪印した。27日にはそれぞれ2国間会談も行われる。
スリランカやバングラデシュ、パキスタンでは、中国が港湾建設などの支援を通じて対印包囲網を形成する
「真珠の首飾り戦略」を進めているとされる。このためモディ氏は南アジア域内での関係強化を図り、中国をけん制する
狙いがあるとみられる。式典にはチベット亡命政府のセンゲ首相も出席した。ネール大学のプシュペシ・パント教授
(国際関係論)は「中国はインドにとって脅威と言える。モディ氏はアジア諸国との関係を強化し対中国でバランスを
取ろうとしている」と指摘する。
これまで3回の戦争を経験しているパキスタンや、内戦でヒンズー教徒が多いタミル人を抑圧したとされるスリランカの
招待はインド国内で反発が出た。だが両国は訪印に先立ち、それぞれ越境操業したとして拘束していたインド人漁業者の
解放を決めるなど、関係改善への兆しも出ている。パント教授は「人民党は単独過半数を制したので、国内の反発を気にせず
国益優先の外交を取れるようになった」と話している。
毎日新聞 2014年05月27日 00時13分
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