14/05/08 19:33:25.22
オバマ大統領訪韓の際にも「中国への忠誠心」を隠さなかった朴槿恵(パク・クンヘ)大統領。
やはり中国が仕掛けていた。韓国の迷走を読者と読み解く。 鈴置 高史
"今カレ"気遣う韓国
鈴置:4月28日午前、聯合ニュースは「韓国政府は上半期中の韓中首脳会談開催を目指して動いている。
早ければ5月末にも習近平国家主席が訪韓する」と伝えました。オバマ大統領は4月26日の土曜日まで
韓国にいましたから、日曜日を入れて2日後のことです。
元カレが帰ったら直ちに今カレを家に呼ぶ感じですね。「オバマがウチに来ていたけれど、本当は
あなたの方が大事。誤解しないでね」と中国に弁解したということですか。
鈴置:その通りです。韓国政府はオバマ大統領の日本国賓訪問を邪魔するために「不公平だ。韓国にも
来てくれ」と米国に要求しました。
米韓両国政府がオバマ訪韓の日程を詰めていた最中の2014年1月末、習近平国家主席が突然、朴槿恵に
「誕生日を祝う」親筆の手紙を送り、その中で「年内の訪韓」を約束しました。
中国の狙いはもちろん、米韓首脳会談によって韓国が米国側に引き戻されないようにすることです。
「うしろに『中韓首脳会談』が控えていれば、朴槿恵も恐ろしくてオバマの言いなりにはならないだろう」との判断でしょう。
だから4月末時点では「習近平訪韓」はもうニュースではありません。オバマが帰った瞬間に韓国政府が「すぐにも習近平が来る」
とメディアに書かせたことが「ニュース」なのです。
韓国の"今カレ"への気の使い方は異常です。オバマ訪韓の2日前にも朴槿恵大統領は習近平に電話をかけているのです。
・非常識な電話の公開
北の核に関し電話したのでしたね。
鈴置:ええ、青瓦台(大統領府)は「北朝鮮の核実験を抑えてほしい、と中国に依頼するためだった」と韓国メディアに説明しました。
きっと、それも理由の1つだったのでしょう。
でも、そうだとしたら「電話の公開」は外交常識から外れます。「中国経由で圧力をかけた」と発表すれば、北朝鮮の面子を潰します。
かえって北を核実験に追い込む可能性が高いのです。
これから考え「米国よりも中国が大事」との姿勢を世界中に示し中国のご機嫌をとるのが最大の目的だった、ということと思います。
オバマ訪韓の2日前の「習近平への電話」にしても、訪韓2日後の「中韓首脳会談の早期開催」にしても。
中韓首脳会談に関し、中国側は何か反応しましたか?
鈴置:実に素早く4月28日に、つまり聯合ニュースが「習近平が5月にも訪韓」と流した日に、邱国洪・駐韓中国大使が予定されていた
韓国記者との会見で「中韓首脳会談は6月から9月の間で調整中」と語っています。
「一刻も早く来てほしいという、朝鮮王の忠誠心はよく分かった。だが、皇帝は忙しいのだ。そんなに早くは行けない。焦るな。
夏まで待て」と答えた格好です。
・ついに米韓同盟にクサビ
「韓国はもう取り込んだ」と考えて、中国は鷹揚に構えているということですか?
鈴置:まだ中国は、そこまでの自信は持っていないでしょう。米韓離間策をこまめに繰り出しています。(>>2以降へ続く)
日経ビジネスオンライン 2014年5月8日(木)
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