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■旅客船沈没：悲しむ家族を撮影、非常識な観光客が増加
－歓声上げる子どもに注意しない親、派手な服で現場訪問の若者も
－対策本部「祈りの場の雰囲気を保つよう協力を」
「子どもの日」の今月5日午後、全羅南道珍島郡の彭木港。旅客船「セウォル号」に乗っていて
行方不明になった高校生の父親が、防波堤の前に座り込み、海を眺めて泣いていた。それから
白いタオルで涙を拭いた。2人の少女がそのとき、この父親のそばで慰めの言葉を掛けた。
次の瞬間、後ろで「カシャッ」という音がした。連休に合わせ、彭木港にやってきた若い男性2人が、
スマートフォン（多機能携帯電話端末）で高校生の父親の後ろ姿を撮影したのだ。シャッター音に
驚いた高校生の父親が振り向くと、若い男性らは照れ笑いを浮かべながら足早に立ち去った。
ある30代の主婦は、幼い娘を連れて、（行方不明者の生還を祈る）黄色いリボンがなびく防波堤の
前で写真を撮った。何人かの幼い子どもたちが大きな笑い声を上げて走り回っていたが、親たちは
子どもに注意するどころか、彭木港を埋め尽くすボランティアたちのテントの中を撮影するのに余念
がない様子だった。あるボランティアは「ここが遊び場だと思っているかのようだ」と舌打ちした。
行方不明者の家族たちが「私たちを見物しに来ている人たちがいるようだ」と主張するなど、懸念する
声が上がったのを受け、政府の事故対策本部は6日、定例記者会見で「訪問者たちはどうか、祈りの
場としての雰囲気を保つよう協力してほしい」と要請した。対策本部は「一部の訪問者が記念写真を
撮ったり、笑い声を上げたりするなど、行方不明者の家族の苦痛に配慮しない行動をし、家族の心を
傷つけるケースが見られる。祈りの場としての雰囲気が壊れないよう、積極的に協力してほしい」と
述べた。
彭木港を訪れる人の多くは、セウォル号沈没事故の犠牲者たちを追悼し、行方不明者の生還を
祈っている。20日以上もの間、海岸のテントに寝泊まりしている家族の姿を目の当たりにし、涙を
流している。ところが、今月3日から始まった4日間の連休中、彭木港には異質な訪問者たちが目に
つくようになった。観光に来たかのように、笑ったり騒いだりし、記念写真を撮る非常識な人たちだ。
行方不明者の家族やボランティアたちは、このような「観光客」に抗議できず、ただ眉をひそめること
しかできない状況だ。
これらの非常識な「観光客」は、服装を見ただけでもはっきりと分かる。4日午後に彭木港を訪れた
20代のカップルは、ショートパンツにピンクと水色のTシャツ姿だった。5日に集団でやって来た中年
の女性たちは、色とりどりのアウトドア用ジャンパーに真珠のネックレス、サングラスといういでたち
だった。
連休に合わせ、遠くから彭木港にやって来た人たちの多くは、上下とも黒い服に身を包み、事故
現場に向かって静かに黙とうをささげている。ここに常駐している政府の関係者やボランティアたちも、
多くは目立たない色の長袖、長ズボンを着用している。彭木港で炊き出しをしているボランティアは
「明るい色の服を着ているからといって、哀悼の気持ちがないと断定することはできないが、どう見て
も遊びに来たといういでたちの人たちがかなり目に付く。行方不明者の家族が、一部の訪問者のせい
でさらに傷つくのではないかと思うと、気が気でない」と話した。
珍島＝ 崔燕真（チェ・ヨンジン）記者 , キム・ミンジョン記者
ソース 朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
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