14/04/17 22:45:34.25
信じられないし信じたくもない海の大惨事が発生した。乗客と乗務員合わせて462人を乗せ、
仁川から済州に向かっていた清海鎮海運所属の旅客船「セウォル号」が16日午前8時55分ごろ、
全羅南道珍島郡の屏風島と観梅島の間の海上で座礁・沈没し、同日夜の時点で5人が死亡、
282人が行方不明となっている。1993年10月に全羅北道扶安郡格浦里の沖合で292人の死者を
出した西海(黄海)フェリー沈没事故以来、21年ぶりの大惨事だ。今回事故を起こした旅客船には、
済州島に3泊4日の日程で修学旅行に向かっていた京畿道安山市の壇園高等学校2年生325人と
教師15人が乗船していた。行方不明者の多くは事故当時、沈んだ船の船室や食堂などに
閉じ込められ、出られなかった可能性が高い。
事故が最初に報じられた直後の時点では、これほど多くの人命被害が発生するとは誰も
予想していなかった。旅客船は座礁後、船体が左に90度傾いたが、2時間近く沈まず持ちこたえていた。
海上警察と海軍は数十隻の救助船と18機のヘリを現場に派遣して今も救助活動を行っており、
また救助の様子の一部はテレビでも放映された。京畿道教育庁(教育委員会に相当)は
午前11時が過ぎた時点で、船に乗っていた高校生の保護者たちに「壇園高校の生徒を全員救助」
というメールを一斉に送付した。しかし午後になって救助された人数に誤りがあったことが分かり、
直後に安全行政部(省に相当)と海上警察が行方不明者の数を修正して発表するなど、
政府の対応も右往左往するばかりだった。
「セウォル号」は定員920人と車両180台、コンテナ150個を積むことができる6825トン級の
大型の旅客船で、仁川と済州島を行き来していた。船内にはゲームセンターやレストラン、
シャワー室なども完備している。運航する清海鎮海運はこれまで「韓国最大のクルーズ船」
として幅広く宣伝を行ってきた。このような大型船が事故から2時間近く沈没せず
持ちこたえていたにもかかわらず、300人近い行方不明者を出したことは到底納得できない。
事故発生当時は風が強かったわけでもなく、波も比較的穏やかだったという。
中でも最もひどかったことは、「ドーン」という音とともに船が傾き始めた直後、船内放送で
乗客たちにその場で動かず待っているよう指示したという事実だ。しかし放送の指示に従わず
迅速に救命胴衣を着用し、船室から出た乗客たちはほとんどが救助された。今も数百人の
乗客が脱出できていない中、船長や乗組員の多くはすでに救助されている。
正確な事故原因は今のところ明らかになっていないが「通常とは異なる難しい航路を
選択したのが原因ではないか」という指摘が専門家などの間で相次いでいる。
船が沈没した位置は全羅南道新安郡と珍島郡の間にある島の密集地域で、周囲には屏風島、
観梅島、孟骨島、松島などがある。もし実際より数キロ西の航路を迂回(うかい)して進んでいれば、
今回のように島の間を縫うようなコースを取る必要はなく、順調に済州島へと
向かうことができたはずだった。セウォル号は当初、前日午後6時30分に仁川港を出航し、
16日午前8時ごろ済州港に到着する予定だった。ところが西海(黄海)に濃い霧がかかったため、
出航が午後9時と2時間半も遅れてしまった。つまり到着予定時刻に無理に合わせるため、
本来のコースとは異なる島々の間を通る直線コースを進んだというわけだ。
また事故当日は本来の船長が休暇中で、代理の船長が乗っていたという。
捜査当局は航路の選択や代理運航と事故との関係について、徹底して究明しなければならない。(>>2以降へ続く)
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2014/04/17 10:16
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