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中国最大手の検索サイト 入力情報を無断送信
中国最大手の検索サイト「百度(バイドゥ)」が提供する日本語の入力ソフトが、パソコンに打ち込ま
れたほぼすべての情報を、利用者に無断で外部に送信していたことが分かりました。
セキュリティー会社は、機密情報が漏えいするおそれもあるとして、利用には注意が必要だと指摘
しています。
アメリカのグーグルに次いで世界2位の検索サイト、中国の「百度」は、4年前から「Baidu IME
(バイドゥ・アイエムイー)」という日本語の入力ソフトを無償で提供していて、おととしまでに180万回
ダウンロードされるなど、利用が広がっています。
このソフトは、初期設定ではパソコンの情報を外部に送信しないと表示していますが、セキュリティー
会社のネットエージェントなどが分析したところ、実際には国内にある百度のサーバーに情報を送信
していることが分かりました。送っている内容は、利用者がパソコンで打ち込んだほぼすべての情報と、
パソコン固有のID、メールや文書作成ソフトなど利用しているソフトの名前です。
また、百度がスマートフォン向けに提供している「Simeji(シメジ)」という人気の日本語入力ソフトも、
情報の送信を行っていることが確認されました。
こうした入力ソフトは、グーグルや日本のジャストシステムなども提供していますが、情報を外部に送るのは
利用者が許可した場合だけで、具体的な内容は分からないようにしています。
これについて百度の日本法人は、情報を送信し、一定期間保存していることを認めたうえで、「ネットを
使って変換の候補を表示したり、変換の精度を向上させるために利用している。説明が不十分な点は、
利用者が安心できるよう分かりやすく改善していきたい」と話しています。
調査に当たったセキュリティー会社、ネットエージェントの杉浦隆幸社長は、「入力情報とパソコンのIDを
一緒に送信していることから、利用者のことを詳しく分析することができてしまう。企業の機密情報などが
漏れるおそれもあり、利用する際には注意が必要だ」と話しています。
他社は利用者の同意で一部の情報送信
日本語入力ソフトのIMEは、パソコンやスマートフォンなどで入力したひらがなを、漢字やカタカナなど
に変換するものです。
よく利用することばを学習して、変換を予測する機能も搭載されていて、例えば「いつも」と入力するだけで
「いつもお世話になっています」と表示するなど、効率的な入力を実現します。
こうした日本語の入力ソフトは、大手IT企業のマイクロソフトやグーグルなど多くの企業が提供していて、
国内ではジャストシステムの「ATOK(エイトック)」も人気があります。
ソフトを利用して入力された情報について、グーグルは、初期設定のままでは送信しないようにしていて、
利用者から同意が得られた場合でも、具体的な入力内容が分からない、文字数などの情報だけを送信
しているということです。また、ジャストシステムも、初期設定では入力情報を送信しない仕組みで、ネットを
使って変換するサービスなどを利用者が同意して利用した場合、入力情報の一部を送信するということです。
ただ、企業の利用者にはこうしたサービスを提供しておらず、入力情報は一切送信していないということです。
これらに対して、百度が提供する「Baidu IME」と「Simeji」は、初期設定で、ほぼすべての入力情報を
送信する仕組みになっています。
「Baidu IME」はインターネット上で、別のフリーソフトとセットで提供されているほか、一部のパソコンには
初めからインストールされているということです。
NHKニュース: 2013年12月26日 4時17分
URLリンク(www3.nhk.or.jp)