13/12/24 13:48:47.33
第2次安倍政権が発足して間もなく1年になる。
2月には韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が就任し、3月には習近平氏が中国国家主席に選出された。
両国とも日本との関係は深い。本来なら新政権同士でエールを送り合うところだが、
安倍政権はいまだに首脳会談を持てない状況だ。
安倍首相自身は再三、「対話の窓はオープンだ」と述べている。
しかし、具体的な行動が伴わなければ関係改善は見通せない。
「戦後最悪」といわれる日中、日韓の行き詰まりをどう解消するか。
安倍政権が掲げる「地球儀外交」の真価が問われることになる。
中国との間には尖閣諸島、韓国との間には竹島の領有権など、もともと両国とは根の深い問題を抱えている。
従軍慰安婦や戦時中の強制労働への賠償などでは歴史認識や立場の違いも影を落とす。
懸念されるのは、そうした対立がさらに激しくなっていることだ。
朴大統領は植民地時代の歴史を正当化するような一部政治家の発言を批判し、
首脳会談に応じない考えを表明している。習政権は経済界有力者との会談も避けている。
両国とも、日本への強い姿勢を示すことで国内の支持を固める狙いがあるのだろう。
対話を通して解決すべき領土や歴史認識の食い違いを持ち出してトップの意思疎通を拒む姿勢は、残念というしかない。
中国は尖閣諸島など日本の領海を取り込む形で防空識別圏を設定し、軍事的な圧力も強めている。
不測の事態にもつながりかねず、日本政府が強く抗議するのは当然だ。
ただ、日本の側にも閣僚らの靖国神社参拝など、相手国を刺激するような言動がみられた。
安倍首相が参拝に踏み切れば、関係の冷え込みは決定的になる恐れもある。
内閣府が今年9月に実施した「外交に関する世論調査」では、「親しみを感じない」とした人が、
中国に対して8割、韓国に対して6割弱もあった。日系企業を襲った中国の「反日デモ」などの影響もあるが、
外交関係の悪化が国民感情にも影を落としているのは間違いない。
対立が深まれば互いの国益を損ねる。東南アジア諸国などと展開する対話外交を、
中韓との間でも取り戻す必要がある。あらゆる手だてを尽くすべきだ。
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