13/12/14 14:48:42.00
朴政府がＴＰＰ（環太平洋戦略的経済連携協定）交渉への実質的な参加を表明したことに、「韓国」の労働者、
農民からは米「韓」ＦＴＡをはるかに上まわる犠牲のおしつけがおこなわれると、いっせいに反対の声があがっている。
全国農民会総連合は「ＴＰＰへあとから参加し承認をうけるために、なんとかまだのこっているコメと牛肉（の自由化）を
提案するのはあきらかで、農業を放棄するものだ」（政策委員長）と批判している。また、影響は農業にかぎらないのに、
政府がこれをかくしていることを批判し、他の産業部門とともにたたかっていく意向をあきらかにしている。
農民団体の連帯組織である「国民と共にする農民の道」（準備会）は声明をだし、「農民の声を無視して、欺まん的に
すすめられているＴＰＰに強く反対し、さらに多くの農民が政府を糾弾する隊列に参加する」と斗争の決意をしめした。
韓国農業経営者中央連合会の声明は「韓国のような後発ＴＰＰ加入国は、既存のＴＰＰ交渉の結果によって全商品を
開放せざるをえず、完全に市場開放がおこなわれるのは疑問の余地がない」と糾弾し、「三〇〇万農民は死活をかけて
政府にたいする強力な斗争を展開する」ことを明確にしている。
民主労総は「ＴＰＰは秘密裏にすすめられている。なんの公的な論議もなく、徹底した資本中心のＴＰＰへの参加は
ありえない。ＴＰＰ参加国の中から憂慮があがっている。韓米ＦＴＡよりはるかに高い利益を資本に保障するものだ」
（国際部長）と批判し、農民団体などともにたたかっていくことをあきらかにしている。
朴政府は一一月一五日にかたちばかりのＴＰＰ公聴会をひらいているが、ここでも各界から憂慮、批判が続出している。
また農民団体は抗議におしかけた。
一一月二二日には「農民の道」（準）がソウル市内で二〇一三年農民大会を開催し、一万二〇〇〇人が参加した。
ここでは政府の市場開放策に反対し、コメ目標価格二三万保障、「韓」中ＦＴＡ反対、コメ市場全面開放反対、
主要農産物国家買入制の実施、国民基礎食糧保障法制定、大企業の農業生産進出反対、農家負債解決―
などのスローガンがかかげられた。
「韓国」政府は一一月二九日、ＴＰＰへの「関心」を公式に表明し、参加にむけて各国と事前協議にはいることを
あきらかにした。
「韓国」政府はじゅうらい、二国間の自由貿易協定締結に重点をおき、ＴＰＰには様子見で、参加をいそぐ必要は
ないとの対応だった。それがにわかに参加に動きだしたのは、経済面からの中国への包囲網をつくろうとするアメリカの
オバマ政府に尻をたたかれたからであり、米副大統領バイデンの訪「韓」を前にしたかけこみの決定である。
「韓国」政府は通商政策をきめる対外経済閣僚会議を二九日ひらき、この場で「ＴＰＰは参加国の増加ではずみがついており、
妥結すれば、“韓国”経済と貿易に大きな影響をおよぼす」（経済担当副首相）として、ＴＰＰ交渉の情報をあつめるために
参加国と個別に協議する方針をあきらかにした。
ＴＰＰ交渉はアメリカ主導で「年内妥結」を目標に終盤にさしかかっている。「韓国」が参加するためには、交渉参加国
一二カ国すべての同意が必要である。このうちアメリカでは同意に必要な議会承認手続きに九〇日間かかり、「韓国」の
参加は早くても来春になり、各国の合意結果を丸のみすることになる。
中国包囲網に組み込まれる
それにもかかわらず、実質的な参加表明を急きょおこなったのは、バイデンの訪「韓」にまにあわせるためだった。
バイデンは、三日から日本、中国、「韓国」を歴訪し、「アジア・太平洋重視」の戦略のもとに日「韓」の動員をつよめ、
中国への圧力をつよめようとしている。ＴＰＰは経済面での「アジア・太平洋重視」の戦略であり、中国包囲の推進である。
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