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不況で税収不足が深刻化、国や自治体は追徴に躍起
ソウルに暮らす会社員のAさんは先月、会社の経理部から電話を受けた。4年前の2009年の年末調整で
過剰に控除を受けていたことが分かり、追徴課税されるという連絡だった。Aさんは父親を扶養家族として
申告し、所得控除を受けてきたが、4年前に父親が所有地を売却して譲渡所得を得ていた事実を管轄の
税務署がつかみ、追徴課税することを決めたという。控除を受けるには、被扶養者の所得が年間100万ウォン
（約9万6000円）以下でなければならない。結局、Aさんは所得税と不正申告による加算税の計55万ウォン
（約5万3000円）を月給から差し引かれた。Aさんは「父が土地を売ったことを当時は知らなかった。4年も
過ぎてから税金を追加で徴収するのは横暴だ」と不満顔で語った。
金融会社役員のBさんは先月、駐車違反の過料処分通知書を受け取った。そこには09年に仁川市で
違法駐車したことが記されていた。Bさんは「全く記憶にない4年前のことで過料を徴収すると言われて驚
いたが、該当区の財政がかなり苦しいのだろうと思い、延滞料を含めて6万ウォン（約5800円）を払った」と
いまいましげに話した。
■国税庁、会社員20万人に追徴課税
景気低迷で税収不足が深刻化している中、国税庁が過去に不正に多くの所得控除を受けた人を探し出し、
税金を追徴している。主なターゲットは、Aさんのように収入のある家族を扶養家族として申告していたり、
寄付金の領収証を偽造して不正に控除を受けたりした人だ。昨年までは最大3年前の年末調整まで追跡
していたが、今年からは5年前までさかのぼり税金を取り立てている。
国税庁は5月、会社員約20万人に08年から12年までの年末調整で不正に多くの控除を受けたことを通知し、
追徴課税を進めている。昨年は3万8000人から293億ウォン（約28億円）を追徴したが、今年は対象者と
追徴額が4－5倍以上に増えると見込まれる。少なくとも1000億ウォン（約96億円）を追徴する見通しだ。
国税庁は不正を見つけた場合、不正申告による40％の加算税も同時に徴収するケースが多い。仁川市の
税務当局は10月、過剰に控除を受けた警察官340人のリストを仁川地方警察庁に送り、反発を招いた。
30万ウォン（約2万9000円）を追納したある警察官は「国税庁は高所得の自営業者からもこれほど徹底して
税金を取り立てているのか」と不満をあらわにした。仁川大のホン・ギヨン教授は「納税者が間違っていたなら、
国税庁は1－2年のうちに正すべきだ。4－5年前のことをほじくり返すやり方に誰が納得するだろうか」と指摘
している。
こんな風に厳しく税金を取り立てた結果、サラリーマンばかりが税金をより多く納める状況になっている。1－10月の
税収は前年同期に比べ4兆418億ウォン（約3900億円）減少したが、所得税収入は逆に9772億ウォン（約940
億円）増加した。同期間に法人税収入が2兆8992億ウォン（約2800億円）減少したのとは対照的だ。
■自治体も未納の税金や過料の追徴に躍起
財政難にあえぐ各地方自治体も同様に、各種の未納地方税や過料の追徴に熱を上げている。全国自治体の
1－7月の地方税徴収額は前年同期に比べ3611億ウォン（約350億円）少ない24兆9387億ウォン（約2兆4000
億円）だった。
ソウル市では5月から、過料を納めていない車のナンバープレートを取り締まりに当たる公務員がその場で取り外す
という強硬手段に出ている。市は11月までに1283台のナンバープレートを押収し、車の所有者から計7億3800万
ウォン（約7100万円）の過料を徴収した。また、米国のロサンゼルスやアトランタに調査官を送り、現地に長期滞在
している税金滞納者に納付計画書を提出させることもあるという。こうしたやり方で市が上半期に徴収した滞納分の
税金は1158億ウォン（約110億円）と、過去最高となった。
だが、はるか昔の税金や過料を取り立てられた市民らは不満を募らせている。漢陽大のオ・ユン教授は「うそを
ついて税金を少なく納める行為は根絶すべきだが、ずっと前までさかのぼって徴収するなら加算税は徴収しないなど
衝撃を和らげる策が必要だ」と指摘している。
孫振碩（ソン・ジンソク）記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版: 2013/12/08 07:26
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