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NHKの抱える問題は深刻だ。それは、日本で唯一の公共放送であるからだ。
特に、八〇年代までのNHKに慣れ親しんできた特定の政治イデオロギーに縁のない、
ごく普通の日本人にとって大きな害毒になる。そんな人たちは、NHKの報道を政治的に偏りがない、
どちらかと言えば政府寄りのものだと安心して視聴するからである。
また、最大の問題は、NHKという組織そのもの、
NHKの存在をそのまま許す放送法など、構造的なものなのである。
十月十五日に臨時国会が始まった。NHKは正午のニュースで、
「午後一時には天皇陛下をお迎えして臨時国会が開かれます」とやった。
何気なく聞き流してしまうニュース原稿であることが恐ろしい。日本国憲法第七条には、
《天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ》とあり、
七条二項には《国会を召集すること》とある。
つまり、このニュース原稿は「午後一時には天皇陛下が召集される臨時国会が始まります」でなければならない。
にもかかわらず、おそらく何年も多くのメディアは明らかに間違った報道を垂れ流し、視聴者は抵抗なく受け入れている。
護憲でも改憲でも破棄でもいい。ただ、日本の現実は現憲法を運用しているのだから、
公共放送であるNHKが率先して憲法違反を助長する報道を行ってはいけない。
また、現行憲法で元首としての明文規定はないが、実質上の国家元首である天皇陛下が国会を召集され、
開会のお言葉（詔勅）を述べる場面が国会中継で流れないのも異常である。
受信料と税金で運営される公共放送が国会の開会式をきちんと中継しないことを多くの国民、メディアは非難するべきである。
九月十六日には、夜七時のニュースで国会の代表質問が流れた。民主党の海江田代表、自民党の高村副総裁、
維新の石原共同代表と安倍首相との質疑が流れたが、そのなかで最もラディカルな石原慎太郎議員の質問だけに
NHKの解説コメントがつかなかった。海江田氏、高村氏の質問は凡庸で取り上げる必要もないようなものだったが、
石原氏は現行憲法が占領下に作られた国際法違反の無効なものではないのか、という質問だった。
しかし、NHKは最も重要なこの質問に解説やテロップをつけることができなかった。能力と情報統制、その両方が原因であろう。
その後、米軍の輸送機オスプレイを使用する日米共同訓練が沖縄以外で行われるニュースになったが、
NHKは「着陸時の事故が相次いでいる」という言葉をオスプレイの枕詞として挿入した。
オスプレイは開発段階でそのような事故が多かったが、運用されて以来、着陸時の事故が相次いだことなどなく、
現在ではホワイトハウスのスタッフも利用し、オバマ大統領のイラク訪問時でも大統領を運んでいる。
それどころか、飛行機専門誌に「世界の名機」として紹介されるのが本当のオスプレイの姿なのである。
おまけに、訓練が行われた滋賀県高島市の饗庭野演習場周辺で「あんまり（訓練を）してほしくないですね。危ないですからね」
というNHKや朝日や赤旗などに騙された市民の声を拾って挿入した。沖縄の負担軽減になれば訓練をしてもかまわないという声も流したが、
「危険」「危ない」というイメージを強調したNHKは、明らかに偏向している。
さて、神奈川新聞という地方紙がある。ご多分にもれず朝日、毎日流の偏向記事が多いが、
十月四日付の「照明灯」というコラムには驚いた。左傾メディアの流行りになったヘイトスピーチを扱ったものだが、
《「お前たちが出て行け」。罵倒したい衝動に駆られ、思い知る。差別とはこういうことでもあるのだ、と。
憎しみをかき立て、人心、社会を引き裂く。だからこそ、せめて言葉のつぶてでデモを阻止したいと思うのは間違いだろうか》
と明らかなヘイト宣言を主張するヘイトコラムだ。
なぜ自然発生的にデモ隊が結成され、多くの人から支持されているのかという背景への考察も取材もない。
感情に任せただけの「照明灯」の書き手は、反韓国デモに対抗するしばき隊の構成員になっている
ヤクザまがいの日本人排斥主義者と同じはないだろうか。
韓国や支那の国家ぐるみの日本へのヘイトスピーチが、日本人の反感を呼んでいることは間違いない。
その構造への言及が全くないのは、メディアの自殺行為だ。
URLﾘﾝｸ(zasshi.news.yahoo.co.jp)
【神奈川新聞】｢在日韓国･朝鮮人を叩き出せ｣と言う嫌韓デモ、｢お前達が(日本から)出ていけ｣と罵倒したい衝動に駆られる★3[10/04]
ｽﾚﾘﾝｸ(news4plus板)