13/11/07 01:10:05.17
米国が集団的自衛権の行使容認問題で日本政府を支持したら「面子がつぶれた」と怒りだした韓国。
それを報じた「日米同盟強化で逆切れした韓国」の読者から質問が相次いだ。
今回は、隣国に首をひねる人々との対話編の2回目である。
-韓国紙が一部とはいえ「だったら、中国と同盟しよう」と書いたとのくだりには少々驚きました。
本気なのか、あるいはすねて見せ米国の気を引くのが目的なのでしょうか。
鈴置:確かに「あなたが私よりも日本を可愛がるなら、中国と仲良くするけど、いいの?」と袖を引いている部分もあると思います。
例えば、文化日報のイ・ミスク国際部長の書いた「逆行する米国の対日外交」(10月16日)はそんなニュアンスです。
この記事は、集団的自衛権問題で米国が日本を支持したことを強く非難したうえ、以下のように結んでいます。
・日本の右傾・軍事化を見逃すのなら、それは米国のアジア回帰の道ではなく、アジアの友邦を親中国家に追いやる道だ。
一方、「日米同盟強化で逆切れした韓国」で引用した韓国日報の北京特派員の記事は、
本心から中国との同盟を主張していると読めます。米韓同盟よりも中韓同盟の方が韓国の国益に利する、と論理的に説明しているからです。
-「だったら、中国と……」とは、すねて言っている部分もあり、本気の部分もあり、ということなのですね。
鈴置:ええ、そうです。いずれにせよ、東アジアの動向を読む際にこれらの言説を軽く見てはいけないと思います。
とにもかくにも韓国メディアが「中国との同盟を考えよう」と言い出したのは初めてのことなのです。
過去に米韓同盟が不安定になった時期は何度もありました。
最近だと反米親北の盧武鉉政権(2003-2008年)の時です。米国も真剣に同盟の打ち切りを考えたようです。
しかし、そうならなかったのは、当時の韓国は中国との同盟に踏み切るハラを固めていなかった―
というか、そんな意図は全くなかったからです。
反米ごっこに明け暮れた結果、「勝手にしろ」とばかりに戦時の作戦統制権まで投げ返された韓国政府は
「米国に見捨てられると北朝鮮の脅威を防げない」と焦りました。国民からも不安の声も上がりました。
そこで、韓国は一気に米国の歓心を得る方向に転じました。反米政権たる盧武鉉政権が、
米韓自由貿易協定(FTA)締結を申し出たのは米国への「わび状」だったのです。
-日本の民主党政権が、突然に環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を言い出したのと似ていますね。
鈴置:全く同じ構図です。鳩山由紀夫政権は「アジア共通の家を造る。米国はそこに入れない」と表明したこともありました。
そうした反米親中の姿勢を修正する証拠としてTPPが必要だった、と複数の政府関係者が証言しています。
話を戻します。今の韓国なら、米国から見捨てられそうになっても「わび状」を差し出す必要はないかもしれません。
韓国には中国という「もう一つの同盟先」ができたからです。米韓同盟が大きく揺れれば、韓国が一気に中国陣営に走る可能性もあります。
米国も韓国の二股外交はもう分かっています。今は我慢しているのでしょうが、いつ見切って捨てるかもしれない。
仮に「すねて見せている」だけとしても「ヒョウタンから駒」になりかねないのです。
こうした状況を中国はよく見ています。米韓関係が悪くなると、すっと韓国に手を差し出します。
ヘーゲル米国防長官の提案した「米日韓3国軍事協力体制の強化」に対し朴槿恵大統領が反対し、
なおかつそれを公表しました。当然、米国は怒りました。 この事件は9月30日に起きました。直後には中国が、
予定になかった李克強首相との首脳会談を韓国に申し出て、10月10日にブルネイで実現しました。
-中国は機を見るに敏ですね。
鈴置:それだけではありせん。最近、中国人が韓国人に「日本と韓国が戦争したら、米国はどちらを助けると思うか」
と聞くようになったそうです。これ自体が巧妙な宣伝工作です。
韓国メディアが「米国は日本より韓国を大事にしている」と書いているところに、集団的自衛権の問題で米国は日本を支持。
韓国人が米国に対し不信感を強めている今、この質問なのです。
(続く)
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